09/05/29 極私的ライヴ手記 (6)

05. Evergreen 「エヴァーグリーン」
from the album "In A Big Golden Cage" (1993)

b0022069_10295235.jpg この曲はこの17,8年、ずっと歌い続けている。こういう歴史を持つ曲はこれひとつだけ。

 曲の運命というのも色々あって、"Evergreen"に関してはもはやPenelopes王国(笑)のナショナル・アンセムとして君臨し続けている訳だけれど、そのせいで皮膚感覚として近すぎるというか、客観的評価というのがなかなか出来ない気がする。かつ、前回の"Midday Stars"より過去が染み付いている分、どこか遠くで鳴っている部分もある。要するに、心の中では近くて遠いという、不思議な位置に浮かんでいる曲なのだ。

 そんな曲だから、毎回新鮮にやるためにどう変化をつけるかが難しくもあり、面白くもある。サビの歌い方も何度も変わったし、歌詞もいくらか変わった。横で演奏する人も変わった。みんな解釈が違うのが面白い。オリジナルのギタープレイについては、カセットMTRに録音した時のものが一番良くて、弟によるイントロもこの時が一番良かったと記憶している。スタジオに入ると変わったし、ライヴでも変わった。それを元にしている訳だから、演奏者が変わるとさらに解釈が変わり・・・というのをずっとくり返して来た。

 そして、それを最初からずっと横で観て来た私としては、今ではこういう想いに至っている。すなわち、木は死なないけれどそこに咲く花は毎年違う・・・というものだ。昔は毎回違うのが嫌だったこともあって、ここはこう弾いて、とかあれこれ注文をつけたものだが、今はそれぞれのプレイが面白いので殆ど何も言わないようになった。むしろ、そのプレイヤーにある程度自由にやらせることで、その人の考え方、人となり、生き様までも映し出していることがわかって来て大変興味深いのだ。だから、今度はこの常緑樹(evergreen tree)に何が咲くかと、歌いながらいわば花見をしているのである。

 長い時間がかかったけれど、今はごく個人的に、こう思う。ライヴでの聴き手というのは、何もお客さんだけではなくて、演奏してる側もそうであって、そこで、緊張するなぁとか、間違ってないかなぁとか、そんなこと考えても、聴き手にとっては殆ど意味がない。第一、少しもクリエイティヴじゃないし、面白味がない。そんな暇があったら、ステージでも聴き手としてその時間を楽しみたい。そうすることで結局、作り手としても良い空気を作り出せるんじゃないかなと。一瞬一瞬の贅沢が現れては消えるライヴという花火(Penelopesの場合は線香花火程度ですが!)大会、次も機会があったら一生懸命楽しもうと、改めて思うのでした。

(終わり)


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Microdisney アルバム "The Clock Comes Down the Stairs" (1985)
Evergreen"はたぶんこのアルバムの"Horse Overboard"の影響が出てます。








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The Icicle Works アルバム "Permanent Damage" (1990)
もうひとつ、このラストアルバムの"Melanie Still Hurts"にもインスパイアされましたね。
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by penelox | 2009-06-10 10:35 | The Penelopes関連


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