Watanabe's Pop Picks 175
"Fattie" - Thom Calhoun
MySpaceでフレンドになったアーティストも大変な数になってしまい、お薦めな人達を紹介しているだけでもずいぶん時間がかかりそうなので、どんどん行ければと思います。
80年代後半のサラ・レーベルなどに象徴されるような、いわゆるインディー・ギターポップ的な音楽は、私自身元々そういうところから出て来ただけに、様々な思いがあるのですが、やっぱり大事にしたいのは、楽曲の質。そこを大事なポイントとして、もしその手の音楽の価値 - 瑞々しい歌心と良質のアマチュアリズムが全体を支えている音楽の存在価値を信じている方なら、ぜひ聴いてみていただきたいなと思うのが、このThom Calhoun(トム・カルホーン)。
マルチ・プレイヤーでもあるシンガー・ソングライターの彼の音楽は、おそらく同世代ゆえなのでしょう、私などは80年代後半英国のSarah Labelにあった瑞々しいインディー・ポップ - Another Sunny DayやThe Field Miceといった人達を思い出してしまいます。しかし、それに加えてアメリカン・ルーツの伝統やELOやThe Korgisのような甘く切ないビートルズ・マナーのポップもまた感じさせるのが、おそらく彼の個性。特に新曲である上の"Fattie"は、ELOやコーギスっぽい要素が強まって来ていて嬉しい限りです。"Rhue's Theme"、"When You Want Me"の穏やかな世界もまた彼の持ち味なのでしょう。全体として、密室性もありながら、どこか開かれた風通しの良さがあって、そのバランスが印象的。
そよ風のような優しい音楽ですが、形ばかりをなぞっているような薄味とは違う、繊細な中に独特の味付けが感じられるギターポップ。ぜひチェックしてみて下さい。
Thom Calhoun MySpace page
写真のところで、動画も御覧頂くと面白いと思いますよ(おそらく、彼の自作)。
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