人気ブログランキング | 話題のタグを見る

可憐に咲くポップ・フック・・・Rachel Loshak

Watanabe's Pop Picks 176
"Colors" - Rachel Loshak

 英米ではいま女性シンガー・ソングライターでも、特にフォークシンガー的なスタイルが流行なのか、MySpaceでもそういう人達がとても目立ちます。実際フレンズになって下さった方も多いのですが、こういう、その場ですぐ音楽が聴けて、しかもみんなが平等な扱いのところに慣れてしまうと、逆に大手メディアで物凄い露出を受ける人と全く受けない人の差/違いがよくわからなくて、正直ちょっとびっくりします。いや、もちろん実際はわかるのですよ(苦笑)。要は音楽そのものの質だけが重要じゃないってことですよね。でも、結局のところ、メジャーかマイナーかなんて、宝くじみたいに思えてしまいましてね(で、その宝くじにもカラクリはあるという・・・/苦笑)。それは特に、こういう、メロディーセンスに優れた才能を持つアーテイストがこの国で殆ど紹介されてないことを知った時に。

可憐に咲くポップ・フック・・・Rachel Loshak_b0022069_11111557.jpg


 NYを中心に活動しているRachel Loshak(レイチェル・ローシャック)、もともとは英国出身のシンガー・ソングライター/ベーシスト。99年に1stアルバム"Here I Am"でデビューして以来、2003年の最新作"Mint"(上の画像)まで、三枚のフルアルバムをリリースしている模様。友人であるノラ・ジョーンズのパックバンドのメンバーとして語られることの多いらしい彼女、あまりに有名な友人の側にいるせいで却って音楽そのものがちゃんと語られないのかも知れません。

 と言うのも、聴いていただくとわかると思いますけれど、まず最初はメアリー・ホプキンを控えめにしたような美しい声が印象に残るんですが、深く聴いて行くとそれよりもむしろ、伝統的な(トラッド的といってもいいですが)ポップソングとしての巧みな展開がわかって来るからなんです。特にMySpaceにあった"The World"、"Colors"。近年巷で耳にするポップ/ロックの多くでいつも不満なのが、楽曲そのものの新鮮な閃きやユニークなアイデアといったものをあんまり大事にしてなくて(あるいは欠けてるのか)、ひとつの感情でずっと流れて行くような単調な曲をテクノロジーで補ってる、というパターンなんですが、この2曲にはそういうのとは違う楽曲そのものの非凡さ - ひとつのムードを垂れ流すんじゃなくて、山あり谷ありのメロディー旅行をコンパクトに纏めている・・・そんな、強いフック(サビ)を持つポップソングという印象を強く持つんですよ。この方はメロディーメイカーとしてなかなかの才人ではないでしょうか? メロディーのさりげない仕掛けが上手いといいますか・・・さりげなさ過ぎてわからないぐらい。それゆえ、この2曲もまた即座に、私にとってのポップクラシックになってしまった次第。このふたつはアルバムにはまだ収録されてない、全くの新曲とありましたが、まさか誰かのカヴァーじゃないですよね?(笑) "Fallen"もそうですが、それぐらい、昔のマッカートニー書き下ろし曲が出て来たかのような錯覚を覚える、トラッドぽさが心地良いメロディアス・ポップ。

 ともかく、この方も個人的お薦め。

Rachel Loshak MySpace page


もうひとつ、YouTubeにファンが作ったビデオがありました。YouTubeにもあった曲です。

"China Doll"

 それにしてもポール・マッカートニーは言うまでもなく、コリン・ムールディングにしても、またエイミー・マンにしてもそうですが、ベーシストが楽曲を書くとこうメロデイアスになるというのもまた面白いところです。

可憐に咲くポップ・フック・・・Rachel Loshak_b0022069_11133277.jpg




 いちびって(=調子に乗って、というニュアンスの関西弁です)人気ブログランキングなるものに登録してみました。もしよろしければクリックして下さいませ。
人気ブログランキングへ
by penelox | 2009-10-06 11:14 | Pop Picks


<< 最終作の宝石・・・・XTC インディーポップ・ミーツ・コー... >>