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60'sポップ黄金期への尽きぬ思いと、届かぬ願いを受け止める・・・One Thousand Violins

Watanabe's Pop Picks 194
"If Only Words" - One Thousand Violins
from the album "Hey Man That's Beautiful" (1988)

 物凄く地味なマスアピールで終わった(しかしもっと聴かれる価値はあった)80年代後半の英国ギターポップばかりいま挙げてますが、どんなご感想をお持ちでしょうか。今からみれば色々欠点はあるでしょうけれど、良い楽曲が多かったと思いません? 私にとっては当時、ある種同じ時代の空気を吸っていることに共感を持ち、大変に刺激を受けていた、いわば同志という感じなのです。しかし、前にも書いたように配給が大変に偏っていましたし、今のようなインターネットの時代とは違いますから、情報を得たり、作品を手にするということがなかなか困難でもありました。

 ですから、このOne Thousand Violins(ワン・サウザンド・ヴァイオリンズ)もリアルタイムでバンバン聴けたかというとそうではなかったんですよね。趣味の良いデザインのシングルが出てるときはいつも手に入らず、最後に総決算的な1stアルバムが出て、それをやっと入手した90年には、もうバンドは解散していたという・・・。悲しかったですね。彼らの場合そういう個人的経験もあって、手が届かなかった残念感が常につきまとったポップバンドだったという印象があります。

 届かなかったと言えば、彼らの60年代への愛情に溢れまくった姿勢も、初期オレンジ・ジュースの歌詞から取ったバンド名も、それかリアルタイムでの真っ当な評価のレベルに届くことは殆どなかったように思います。60'sリバイバルがおおっぴらに出来るようになったマンチェ期になって、元メンバーのコリン・グレゴリー(しかしXTCファンみたいな名前だなぁ/笑)が自ら巻き直しに結成したThe Dylans(ザ・ディランズ)でやっと浮上する訳ですが、しかし何だかただのファッションで受け止められてしまった感じがあって、以後音楽性の核であった素晴らしいポップセンスが現在まで真っ当な評価として定着してるかと言うと、これもそこまで届いてないんですよね。実にモッタイナイ・・・とマータイ博士が言ったかは定かではないですが(笑)、今聴いても、ああ、良いね、と声をかけて挙げたくなる、そういう愛すべきポップバンドぶりに、届かなかった思いは私が心から受け止めてあげようと、そんな気持ちにさせられます。

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■Halcyon Days (1985)
これが彼らの1stシングルのようです。まだまだNew Waveっぽいですね。




■Like 1000 Violins (1985)
こちらは2ndシングル。




■Let Me Charm The Pants Off Your World
こちらはアルバム収録曲。




大好きな名曲"A Place To Surf"が紹介出来ないのが残念!

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by penelox | 2009-10-29 00:19 | Pop Picks


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