Widow's Walk / The Stars Of Heaven

from compilation "Rain On The Sea" (1987)

朝から雑事、雑事でなかなか"That's..."の録音に取りかかれず。
午後からの数時間でボーカルの残り部分を少し。

その後はまた例によって仕事、仕事。

昨日、12曲目のインスピレーション用として、ノーム・チョムスキーの「メディア・コントロール」を購入、読みはじめる。

自分のその曲は、未来の方にばかり目を向けさせて、絵に描いたモチに夢中にさせているあいだに忍び込むコントロールの恐ろしさ...みたいなところをテーマにしたいと思っていて(また変わるかも知れないが)、そのへんでまだキチッとした歌詞になっていなかったので、少し参考にさせていただこうと。

ノーム・チョムスキーは、御存じない方のために書くと、マサチューセッツ工科大学教授。言語学の権威として知られる一方、アメリカの対外政策を強く批判し続ける、アメリカでも今や数少ない知識人。

「9.11 アメリカに報復する資格はない」
「金儲けがすべてでいいのか」
「テロの帝国 アメリカ」
「グローバリズムは世界を破壊する」

邦訳されている主な作品のタイトルである。これを見れば、彼の立場はだいたいわかっていだけるかと。
たとえば、マイケル・ムーア的な批判方法が、結局のところ激辛スナックを食べてウサ晴らししたいだけの傍観者を大量生産してしまっている現状を考えると、この、76歳になる地味だがあまりにリアリスティックな、冷静な彼の語り口は、その場のカタルシスなどよりもっと大事なことを思い出させるのである。

メディアから一方的に流される情報や、権威を疑ってみること。視野を広げること。よく考えること。そして、闘い続けること。


「言論の自由はアメリカで、市民の運動の中で獲得されて来たものです。...現在まで自由は保障されて来ています。だが、このまま保障されつづけるわけではない。こういう権利は勝ち取られたものです。闘わなければ勝ち取ることはできない。闘うのを忘れてしまえば、権利は失われていくのです。天与の贈り物のように、降ってくる訳ではないのです。...」

(以上本文中のインタビューより。引用失礼)

おかしいことはおかしいと、言い続けなければ民主主義社会は維持されない。誰かが民主主義社会を守ってくれる訳ではない。ちょっと気を緩めたら、権力はあの手この手を使って国民の分裂・対立や世論の捏造、単純化を進めるのだ。常に勉強し、見張っていなければ人は権力に翻弄され続けるだけなのである。

これは、権力を敵視しているのではない。どんな権力でもこんな危険性を抱えている...それだけのことなのだ。

それがポップミュージックに何の関係があるかと言えば、もし「ロック」というものがあるとするのなら、その大前提にどれだけ(意識的であれ、無意識であれ)コミット出来ているか...それが現代における、どんなスタイルであれ「ロック」になっているかの基準のひとつだと、私は考えていて。だから、ポップのスタイルを選び取っていても、その大前提、真の意味での闘いへの、抵抗への意志があるものが私は興味を持てる、それが言いたいのです。その点で、80'sイギリスのインディー音楽は、演奏側に抵抗への意志がしっかり根付いていたと思う。当然自分が好きだったネオアコースティックと称された音楽でさえも。

この上のアイルランドのバンドももちろんそう。のどかなのに一瞬悪魔的な音像が立ちあらわれたりするのもアイリッシュならではの特徴なのだが、そんな(個人を超えたところでの共有する)意志が80'sに広がっていたことが、音から読み取れるのだ。抵抗の音であって、ただの内省的・趣味的なカントリーロック・リメイクではないのだ。

当時のそういう抵抗への意志が、アーティスト全体に漲っていたのが80'sのいわゆるニューウェーブ以降の音楽であり、ニューウェーブが日本でちゃんと紹介されなかった(今でもおちゃらけ風に語られる)のは、政治的(つまりより誠実、人間的)だったから、とも言えるのである。

90's以降、そのへんの「意志ある音楽」の要素がずいぶんとゆがめ薄めて伝えられ、ごまかされた印象があり...しかしそれはまたいつかじっくり考えてみよう....。

ちょっとカタい話でした。


http://www.jttk.zaq.ne.jp/penelopes/
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by penelox | 2004-12-01 23:15 | New Wave


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