ソウル・ディーヴァあれこれ その14

Watanabe's Pop Picks 261
"I Never Loved a Man (The Way I Love You)" - Aretha Franklin (1967)

 ソウル・ディーヴァをあれこれ語るなどという、分不相応なことを図々しくも続けて来ましたが、締めとなると個人的にはやっぱりこのあいだのティナ・ターナーと並ぶ歌姫(私的にはメイヴィス・ステイプルズがさらにその上の別格)をどうしても抜かす訳には行きません。"Queen Of Soul"、"Lady Soul"などの称号を持つこの方、アレサ・フランクリンですね。

 彼女の音楽を語る際には、有名な教会牧師であり公民権運動の活動家でもあったC.L.フランクリン(彼の説教や歌はレコードになっている程です。たとえば、これ。)の娘であること、それまでコロンビアで何枚か吹き込んでいたところを、アトランティックレコードのA&Rであったジェリー・ウェクスラー(ウェクスラー氏については、こちらのサイトが大変参考になると思います。ちなみに、氏の姪にあたるエリカ・ウェクスラーは、XTCのアンディー・パートリッジの現在のパートナーですね)が引き抜き、南部に連れて行きサザンソウルの音でレコードを作る、時代はちょうど60年代後半、アメリカ社会全体が公民権運動に代表される変革の機運に満ちていて、特にブラックミュージックを巡ってとてつもない熱気が溢れていた・・・見て来たように語ってしまいましたが(苦笑)、それぞれがある種伝説と化しているこれらのエピソードは、やはり改めてとっても重要に思えます。つまり、もちろん彼女は実力派であり、なるべくしてなったとも言えますが、今挙げたどの条件が欠けても彼女はここまでの存在にはならなかったようにも思えるんですよね。そういう意味では、時代に選ばれた人・・・とも言えるでしょうか。




 全米9位まで上昇。改めて、無駄のないアレンジかつスローな曲でこんなにスリリングで緊張感がある歌/演奏というのもなかなかないと思いませんか。サザンソウルの好きなのはそういうところ。引きの美学と言いますかね、ギリギリに抑えたところで溜めて溜めて・・・爆発! という感じ。

b0022069_012717.jpg


 全米2位まで上昇した、良い曲だらけの67年のアルバム、アトランティックからのデビューとなる作品"I Never Loved A Man The Way I Love You"から、私のお気に入りをいくつか。バッキングVoを務めるのはThe Sweet Inspirations、以前挙げたCissy Houstonもそのひとりでした。

■"Soul Serenade"




■"Don't Let Me Lose This Dream"
ボサノヴァ的というか、ラウンジ的なのですが、サラッと聞き流せないスリリングさがあります。



■"Baby, Baby, Baby"




■"Do Right Woman, Do Right Man"

<



 私が最初に彼女の歌に出会ったのは、やっぱり80年代でした。84年はティナ・ターナーの復活でしたが、それに刺激を受けたのか、85年はアレサ復活の年でもあったのかも知れません。
出会ったのはこの曲。

"Freeway Of Love" (1985)

 この曲、当時はいかにもアメリカのビルボードヒットチャート音楽的な作りという印象で、正直凄く良い、とは思わなかったんですよね。それは、アレサの声というのは、たとえばティナ・ターナーに比べると下世話(決して悪い意味ではないです)じゃないというか、ある種の端正さ、気高さがある分、いかにも80年代アメリカ的な俗っぽいダンスミユージックのアレンジとはさほど溶け合わないからなのかも知れません。
 あと、こちらのユーリズミックスの曲にゲスト参加というのもありました。

"Sisters Are Doin' It For Themselves" - Eurythmics (1985)
from the album "Be Yourself Tonight"

 まあこの頃の曲を聴いて、却って25、6歳の頃の作品の完成度の高さ、端正さと気高さが半端じゃないのがわかるのかも知れません。以下の曲がその証拠。

 1967年に戻って。その年の8月、上の"I Never Loved..."からわずか5ヶ月後に出たアルバム"Aretha Arrives" (1967)から。

b0022069_012165.jpg


■"Baby I Love You"




■"(I Can't Get No) Satisfaction"
こんな曲もやってます。



翌68年の名作"Lady Soul"から。

b0022069_0122752.jpg


■"Chain OF Fools"




■"(You Make Me Feel Like) A Natural Woman"



アルバム"Aretha Now"(1968)から。

b0022069_0123689.jpg


■"Think"




■"I Say A Little Prayer"
ディオンヌ・ワーウィックのバージョンと聴き比べてみるのも一興かと。



アルバム"Spirit In the Dark"(1970)から。

■"Don't Play That Song For Me"




 最後に、冒頭のアルバム"I Never..."のトップを飾る、オーティス・レディングのガウァーであるシングルをライブで。全米1位に輝いた曲です。67、8年頃の彼女がどれだけ凄かったかわかるのではないかと。

■"Respect"


[PR]
by penelox | 2010-02-26 00:15 | Pop Picks


<< 時代劇と特撮と昭和の残光と・・・ ThisTime Record... >>