カザフスタン北東部のセミパラチンスクで、1949年から89年までに約500回の核実験が行われた。91年の実験場閉鎖から18年が経過したが、今なお放射能汚染の影響は続いている。
核実験は、なぜセミパラチンスクで行われたのか。そして、それは周辺に住む人々の暮らしや健康をどのように脅かしていったのか。
カナダの制作会社、4 Square Productionsとの国際共同制作によるこのドキュメンタリーは、実験場周辺で最も被害が大きかったとされるサルジャール村を中心に、放射能汚染の実態を丹念に取材。被爆による重い健康被害を抱える人々の怒りと叫びに向き合い、核の恐怖と残酷さを明らかにしていく。
さらに番組は旧ソ連の原爆研究者や医師の証言をもとに、セミパラチンスクにおける核実験の歴史を辿る。住民たちは核実験の事実を知らされず、健康被害が明らかになったあとも旧ソ連によって沈黙を余儀なくされた。そして実験は、40年間に渡って続けられた。
実験場周辺では、今なお正常値の10倍の放射線が検出されている。核の脅威は、今なおカザフスタンの人々の生活に静かに忍び寄っている。
原題:Silent Bombs: All for the Motherland
制作:国際共同制作 NHK / 4 Square Productions (カナダ 2009年)
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こちらからの転載です。
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2009年6月22日にNHK BSで放送された、元核実験場に現在ももたらす健康被害の悲劇を追ったドキュメンタリーです。ぜひ御覧ください。
核(=原子力)がばらまく放射能汚染は、地球規模での問題であり、我々の生存する権利を奪うものです。そして、原子力が核保有国を中心とした国家的エゴであること - 今こそ再認識しなければならないと思います。
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