from album "White Music"
こないだはブラックミュージック関連で色々書いたが、白人ポップロックも色々チェックしている。特にイギリスものは最近面白い。正直言えばブリット・ポップの頃より今の方が自分にとっては興味深い。純粋に楽しいのだ。 最近の若手は、ニューウェーヴ・リヴァイヴァルというか、シンセ音の混ぜ方やギターの音色に80's的ななつかしさが感じられる人達が多い。60's後半のブリティッシュポップ/ロック全般から初期ニューウェーブ、エレポップ、ネオアコ、ネオサイケ、マンチェ、ブリットポップetc...のええとこ取り的...英国ポップロックの総決算みたいな歌謡ロック百花繚乱的面白さというか。ヒップホップやテクノの影響も入っているはずだから、そのへんの入れ方にも興味あるし。 ...なんて、かしこまった(えらそうな?)言い方も出来るが。 でも、ホントは自分自身の事情が大きいのだ。 つまり、昔に比べると、同時代の音楽がスッと、自然に入って来るようになったのだな。昔はもう少し抵抗あったのだから。それは、結局昔は自分が、自分の音楽を模索してもがいていたから、というのもある。自分の表現を手に入れたいと悪戦苦闘している時は、「あんな音楽...」みたいなところがあったのだ、恥ずかしながら。 そういうのがなくなってしまった...というより、そういうのとは違う感情が芽生えて来たような気がする。なんじゃかんじゃ言っても、結局自分の音楽が、同時代の音楽のあるひとつの解釈に過ぎない...それは過去も今も、これからもそうなんだなってことが、やっとわかったというか。だから、人に受け入れられる、られないとは別のところで、自分の音楽に関しては、自分の中でああ、これで良いんだなっていうレベルはある程度理解し、はっきり見えて来たような気がして来たのだな。 とは言っても、もちろんこれで良いのか? っていうのはいつもあるのだが。ただ、それは他のバンドと比べて、というよりも、自分の表現として、みたいな感じ。他人が比較対象じゃなくなって、自分の中でのハードルだけが重要になったというか。 なんか他人と触れあう気がないみたいに聞こえるかも知れないけれど。 ああ...どう説明したらいいのやら...。 今は、自分の音楽に欲しいのは、表現としての強度。 だから、もちろん他の人の作品を聴いて影響される部分はあるけれど、メインではない。あくまで自分のアートの完成が一番で。(今度アルバムを出すと)残り2枚となる「四季」シリーズ、それに、あとふたつ、どうしても出したいアルバムのアイデアがある。それをどう表現として強いものにするか。強度が一番...そう考えると強度に必要なのは、他人との比較、だとはどうしても思えないからだ。 そんな気持ちになって来て、次第に自分の中で、他のバンドを純粋に楽しめるようになったというか、ただのリスナーのモードに戻りやすくなったというか。 こないだ書いたBloc Party、The Departureは良かったけれど、以下のバンドの曲も印象に残りましたね。 Maximo Park "Apply Some Pressure" The Futureheads "Robot" Dogs Die In Hot Cars "I Love You Cause I Have To" この3つは、Franz Ferdinand以降、という音。でも、フランツはそこまでNew Wave風、でもなく、ちょっと器用なガレージ系、という雰囲気も残ってる(悪意なし)。Maximoもそんな感じなのに対して、後者ふたつはもっと露骨にニューウェーブ・リバイバル。 初期のTalking Heads、XTCの臭いがプンプンしている。しかし、曲の出来、という意味ではまだまだこの2バンドに及ばないんじゃないだろうか。何故かというと、伝統的なソウル/R&Bを下敷きにした完成度の高い曲がまだないような気がするから。たとえばヘッズの"Psycho Killer"とかXTCの"Statue Of Liberty"みたいな。こういう必殺チューンは、黒人音楽がベースにある、意識してるかは別として。 だから、彼等にはもうちょっとそういうルーツへの意識を持って欲しいなぁ、個人的に。あんまり白人音楽からのフィードバックに終始すると、すぐネタ切れすると思うし。よっぽどそういうとこに意識を持って無いと、いかにも変態ポップやりました、で消費されて終わってしまうんじゃないかな。世間やメディアの手のひらの返し方って、ホントに酷いぐらい極端だから(実体験少しあり)...純粋に音楽として生き残ることを強く祈るがゆえ。 そういう意味で、変態ポップでありながら、伝統的なポップ音楽をしっかり残したXTCのこの曲を。 http://www.jttk.zaq.ne.jp/penelopes/
by penelox
| 2005-03-02 23:59
| New Wave
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