今回から数回に分けてRinaldi Sings(リナルディー・シングス)のインタビューを掲載します。なお、後程当方HPでも同じものを掲載(原語版も含めて)します。
About Rinaldi Sings and album "What's It All About?" 1.このリナルディー・シングスはいつ、どのようにして始まったのですか? リナルディー・シングスは3,4年前に録音プロジェクトのアイデアとして始まった。音楽ジャーナリストでありザ・モーメントのマネージャーでもあったクリス・ハントと話をしてね。僕らふたりとも60年代後半のブリティッシュ・ミュージックが好きだった、でっかいオーケストレイション、壮大なテーマ、そこに人なつこいメロディー、というやつだ。それをライブバンドにするつもりはなかったよ、というのは、レコーディングに16人以上のミュージシャンが関わる訳だから。だから純粋に録音プロジェクトして意図されたものだった。しかし去年アルバムの録音を終えた頃には、出来に凄く満足したんで人数を減らしてライブをすることにした。しかしその「人員削減」バージョンは8人のバンドでライブをやる、ということなんだけどね。 2.あなたはザ・モーメントというバンドにいましたよね。このバンドについて説明して下さい。 ザ・モーメントが僕の最初のバンドだった。すごくたくさんのコアな支持者がいるモッドバンドで、僕はそこにトロンボーン・プレイヤーとして加わった。誘われたのはとても嬉しかったよ。4年間そこにいて、イギリスやヨーロッパをツアーした。ありとあらゆるところでプレイしたよ、ドイツやイタリア、オーストリア、オランダ、それにスイスなんかでね。とても楽しい経験で、グループのシンガーでありソングライターのエイドリアン・ホルダーからはソングライティングに関して多くのことを学んだ。モーメントのメンバーのほとんどとは今でも定期的に会ってるよ。 3.プロデューサーのイアン・ショウについて教えてくれませんか? イアン・ショウはモーメントの録音曲の殆どでエンジニアリングを担当した。ムード・シックスやエドワード・ボール(元タイムス)のような人達ともやってる。彼はまたニック・ヘイワード(元ヘアカット100)やケヴィン・ローランド(元デキシーズ・ミッドナイトランナーズ)とも仕事したことがあるよ。ボーカルを録音することに関してきわだった才能を持つ優秀なエンジニアー/プロデューサーだ。完全主義者で、リナルディー・シングスの音はボーカルハーモニーがとても大事だったから、彼の選択の狙いは明らかだった。彼は素晴らしい仕事をしてくれたし、今後の録音にも関わって欲しいと思ってるね。 4.ポール・ベヴォワーについてです。最初彼とはどのようにして出会いましたか? また、彼はこのアルバムでどんな役割を果たしたのですか? 最初ポールのことはジェットセットのソングライターとして知っていた。僕は大ファンで、彼等のアルバム"Five"(1988年リリースとなるThe Jetset最後の作品)の何曲かでプレイすることにさえなった。エドワード・ボールやイアン・ショウとともに彼もモーメントの録音曲の多くに関わった訳だけれど、彼の60年代の音楽についての知識はそりゃ凄いものでね。彼は"What's It All About?"の録音セッションの多くに関わり、僕がまだ完成させてなかったいくつかの曲に歌詞を提供してくれた。他のソングライターがそばにいて僕の曲を聴いてくれるというのはすごく助けになることだった。彼はホントに僕が曲を良くしたり洗練させたりする手助けになるようなアドバイスや励ましの言葉をくれた。僕も同じことを彼の曲のひとつに対してしたんだ、"Matilda Flies"という美しい曲なんだけど僕が彼のためにオーケストレイションとアレンジをした。それを"What's It All About?"のセッション中に録音したんだけど、うまく行けばB面かコンピレーションCDでリリースする機会があるだろうね。 5. エドワード・ボールに関して。彼の名前をクレジットの中に発見しました。彼は実際のところこのアルバムで何をしたのでしょう? 直接アルバムの録音に関わった訳ではないんだ。彼は最近短編映画を作り始めていてね、我々の"Avenues And Alleyways"のビデオを撮影することに興味を示したんだ、その曲が去年リリースした1stシングルだったんだけど。彼はゴロツキ達とあと様々な「狂った」登場人物達からなる素晴らしいシナリオを書いて、許されざる恋愛話にこれらのキャラをうまく織り込んだ。撮影してる時はとても楽しかったし出来栄えも気に入ってる。うまくいけばまたエドワードともっとビデオを作れると思う。もし僕らのプロモクリップを見るのに興味があったらウチのウェブサイトで見れるからのぞいてみて。 6. アルバムを録音する際、何かはっきりした方向性はありましたか? たとえば、アルバムをよりよく聴かせるために注意を払ったポイントとか。 アルバムが、まるで1968年に録音されていて、最近発掘されたかのような...そんな風に聴こえて欲しかった。ラブ・アフェアーやファウンデーションズ、キースのようなバンド、それにロング・ジョン・ボールドリーやジャック・ハマーのような英国のソロアーティストたち、こんな人達のたくさんのレコードを聴いたよ。曲がオーケストレイトされてる方法にとても注意を払ったし、彼等がやっていたのとおなじぐらい良い作品にしようとした。 7. アルバムの出来には満足していますか? 私はすごくグルーヴィーでキャッチーだと思いました、60年代後半/70年代初めのポップアルバムを思わせるもので。しかし同時にきわめてモダンに思えるところもある - まるで俯瞰的にポップミュージックの黄金期を見渡したかのような。熱はある、しかし客観的な部分もある...それがこのアルバムがかっこ良いと思う理由です。何か良い反応はありましたか? 君はえらく親切だね。このアルバムがレトロ的であるのと同様にきわめて現代的に聴こえると君が思ってくれて光栄だ。それが終了した録音物を聴く事に関しての楽しいことのひとつなんだからね。僕らたくさんの好意的な反応、素晴らしいレビューをたくさんもらってる。NME(ニュー・ミュージカル・エクスプレス)はこう言ってる、僕が「間違いなく21世紀のスコット・ウォーカーだ」と。これなんか読んでて凄く嬉しいことだよ。他にも英国を代表する雑誌-レコード・コレクターとかタイム・アウト、それにデイリー・メイル...たくさんの雑誌に加えてそういうところでも良いレビューを書いてもらった。 8. 2曲カヴァーがありますよね、キキ・ディーの"On A Magic Carpet Ride"とトニー・クリスティーの"Avenues & Alleyways"。素晴らしい出来だと思います(特に前者は最高のノーザン・ソウル・ポップに仕上がっている)。が、それよりもそのチョイスが極めて興味深い。誰がそれらを選んだのでしょう? これらの曲に関して何か特別な思い出があるのですか? カヴァーに最初に選んだのが"On a Magic Carpet Ride"だった。この曲ずっと好きでね、この曲がよくかかってたオールナイトのモッドクラブに行くのを思い出させるんだ。僕が使う楽器を全て持ってる曲だったし、オリジナルはリナルディー・シングスでやりたかった音だったから、カヴァー曲として録音するのに完璧なレコードだった訳。それにあまりよく知られてない曲だからボーナス曲になるかなって思ってね。 "Avenues And Alleyways"は殆ど偶然から出来上がったものだ。僕らドラムトラックを録音していてね、一時間ぐらい早く終わったんだ。その時のドラムだったファビアン(・ベアード)が、将来使えそうなリズムを録っとかないかと提案した。僕はトニー・クリスティーの"Avenues And Alleyways"のレコードを持ってたんで将来B面に使えるようにドラムを録音しよう、って言った。彼はトニーのバージョンにただ合わせてドラムを叩くのを録音した。で、他のパートをアレンジし、録音してから、出来にとても満足したんでそれが最初のシングルになったんだ。オリジナルは70年代初めの英国のTVドラマ"The Protectors"(邦題「プロテクター電光石火」ロバート・ボーン主演のスパイアクションドラマ。1971年から1973年まで放映)の主題歌なんだよ。 (part2に続く)
by penelox
| 2005-08-10 14:39
| Tangerine Records
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