from album "Entertainment!" (1979)
9/22 ある知人からいただいたCD-Rを聴く。いつもながら、ていねいなその作りと、マニアックでありながらのバランス感覚に、しばし感嘆。コンピって、作成する人のその人となりを映す鏡の要素があるなぁ...とつくづく思う。 特に自家製の場合、商魂が入って来ないせいか(笑)、好みのみならずその人の育ちや性格などもモロに反映してしまう。だから今回いただいたようなCD-Rは、その人柄を如実に反映した最上級の贈り物(Cさん、ありがとうございます)。 9/24 本当に体調、精神状態が悪い。よくこんなんでちゃんと授業が出来ているものだ。まあ何が原因かわかっているから良いのだが。次の生徒さんの家がまた遠い。電車乗り継いで他府県に行き、駅から30分近く歩かないと行けない。夏はこれがキツかった。体重も減らないし、しんどいだけで(苦笑)。 途中、野菜ジュースを補給。なんとか持つ。 9/25 音楽を本気でやり始めて以来、連休も何もあったもんじゃない。それが苦しいと思ったことは今までなかったが、正直言って10数年続けて疲れて来たのも事実。歌詞がまとまらないのはホントに苦しい。一生完成しないんじゃないかと思ったりもする。心のヘトヘト感増量中。 9/26 急遽生徒さんが部活動で遅くなるとというので授業中止、そのせいでなんとかジャスミン・アッシュのインタビューを一日で上げられた。こういうのはちょっと時間が出来た時にやらないと、一旦テンションが下がるとなかなか難しい。 非常に若さゆえの正直さ、率直さのある瑞々しい回答をもらう。 9/27 mixiで知り合ったある方からレコード、ビデオ、MD、カセットと盛り沢山にいただく。Tさん、本当にありがとうございます。 移動中に読むがなかなか飲み込めない「立花隆のマザー・ネイチャーズ・トーク」、心理学での「西洋近代自我」と「日本的自我」の比較、植物をもとに考える「命」の定義の話がとても興味深い。読めば読むほど発見がある。 9/29 阪神優勝!! 20年かけてようやく、強い阪神タイガースを作る基盤が出来たのであろうか。 9/30 連絡しなきゃならない人、多数。 提出しなくてはならない書類、多数。 もう少し勉強して欲しい生徒さん、多数(悲)。 10/1 「いま、抗暴のときに」(辺見庸・著/講談社文庫)を読み始める。ちょうどアメリカがイラク侵攻を開始する直前からの情勢を著者の心の動きとともに描いている。改めて、あんな危なっかしい国について行っていいと、本当に我が国の首相は思っているのだろうか、世界中に恨まれるだけなのでは? とますます気になって来る。こないだの選挙結果が、改めて空しい。本当に、行くところまで行くしかないのかな... 10/2 またまたほったらかしになっている新曲"Trick Of the Light"をいじる。なんとか、やっと、数カ月かかったが歌詞が出来上がった。で、早速また仮歌録り直し。まあ歌詞については、数カ月なら良い方で、たとえば4年ぐらいかかった"Midday Stars"なんて曲もあるし、一番難しい部分に変わりはない。しかし出来上がったら出来上がったで、そこだけをつついて来る人もいれば、そこを全く見ない人もいる。人によって聴く観点が違いすぎる。まぁ、それが普通といえば普通なのだけれど。そういうのがあまりに長く続いたので、いまではもう、ただ聴いてくれたらそれで十分、としか言えなくなってしまった。 たとえば仮に、歌詞に政治的と取れる言及があるとしても、その意図をどう取るかは人それぞれだ。 例を挙げると... 政治的→興味深い→それだけで十分好き 政治的→興味深い→歌詞が予想と違うので違和感 政治的→興味深い→聴いてさらに好きになった 政治的→興味無し→聴かない 政治的→そのことにはこだわらない→聴いたら好きになった 書き出したらそれこそキリがないけれど、ホントに人によって色んな思考プロセスがあり、意見がある。それは当たり前だし、それで良いと思うのだが、問題は、そんな色んな立場への想像力や配慮が全く及ばない人がなんでこんなに多いのか、ということ。ネットで知らない方と関わることが多くなっていつも思うのは、あまりに限られた知識とリサーチで適当に書き散らすことだけはやるまい、ということ。 で、その事をいつも気をつけているけれど、それさえももう馬鹿馬鹿しいと思うこともある。出来るだけ誠実に音楽を作ろう、音楽について綴ろうと懸命に努力すればするほど、誤解を生むのも、もう経験上痛い程わかっている。インディーミュージシャン風情が、たとえば社会的に少しでも突っ込んだ提言を音楽に込めたりすると、必ずくだらないバックラッシュに遭う。売れてない人間はエラそうな事を言わず沈んでろという、権威指向、ブランド指向とがないまぜになった嫉妬心が、自分では何もしない怠惰な人達から投げつけられて来るのである、才能などではなく、努力と意志こそが原動力だと信じている人間に対して。 だが、己の手前勝手な嫉妬心にさえ気付いていない、そんな人間の心をこちらでコントロールすることなど出来ない。その人が成長しみずから制御できるようになるしかないのだ。だからこちらは黙っているしかない。完全にその人間が解決すべき問題である。こちらが指摘して変わるような人間なら最初からこうはならないのである。指摘しても効果はない、自覚を待つしかないのだ。 歌詞をCDに載せないのも手かな、と思うこともある。 10/3 政治的、左翼的とレッテルを貼られ、それゆえ活動的に袋小路に追い詰められて行ったという点で、ある意味実にNew WaveらしかったNew Waveバンド、ギャング・オブ・フォー。最近の(ある意味お気楽、ある意味産業ロック的エッジが十分効いた)New Waveリヴァイバルの効果もあり、再結成まで果たしてしまったというのは、ある意味実に皮肉だ。社会的提言も今や単なるファッションであり、マーケティングの一要素に貶められてしまっているこの時代に。舌を出したり、確信犯を気取るのももはや「売り方」のひとつでしかないこの時代に。だから、いま彼等の1stを聴くのは、まるで死者を弔うように、供養のような行為に感じてしまう。 当時はパンク・ファンクなんて、誰も言ってなかったなぁ...というより、そういう視点さえなかった気がする。むしろ、のちの同郷リーズのバンド、ウェディング・プレゼントにそのギターサウンドのある部分は引き継がれたのかな、とかぼんやり思ってたこともあった。まあとにかく当時は、あの金属的(実際金属なんですけれど)ギターの攻撃性にばかり視点が集中していた。それが、最近のバンドの登場によって、逆にその別の特徴がクローズアップされるようになったのだ。25年後に。アルバム的には、さらにギターがクローズアップされた2ndの方が好きだったが、今改めて1stを聴くと、こちらも確かに実にポスト・パンクしてたなぁと思う。しかしこの、決して耳に心地よいとは言えないメッセージは、21世紀においてもまたしっかり無視されるのであろうか。そしてそのギターサウンドが言わんとしていた事も。 高校生の時に聴いたこのギターの鮮烈な記憶、まったくそれ以前のロックバンドのギターとは明確な線引きをしていたそのギターサウンドこそが、自分でも音楽をやって良いんだと思えたひとつの遠因だったことに気付いた。テクニックじゃないのだ。その音で何を表現しようとしたかなのだ。この場合、明らかに現実の社会に対する異議申し立てであろう。その比喩としての音。ロックしてる、などという軽薄な言葉で片付けたく無い音。それを皆さん、わかっているのか? 色々後で考えることって、多い...。 10/4 またまた曲をいじる。ギターをあれこれ考えるが、浮かばない。 曲を作り過ぎたのか、なんか似たようなフレーズしか浮かばない。前より面白い、効果的なプレイ...というのが難しいのだ。実はSmokey Robinson & The Miraclesの曲もやらなければならないことを今、思い出した。 10/5 元生徒さんからメール。お兄さんのところに子供が生まれたそう。 何と齢18でおじさんの仲間入り。凄いな!(笑) 「いま、抗暴のときに」と並行して「佐高信の言語道断」(佐高信・著/徳間文庫)も読みはじめる。何度も何度も 読んでいたが、また読みたくなったのは、かの怪優・成田三樹夫の記述があるから。彼は佐高氏の小・中・高の先輩にあたるそうな。ヤクザ映画や後年の「探偵物語」での服部警部などでひと際そのアクの強い印象を残した彼だったが、実像は反骨精神に溢れたインテリ俳優であった。しかしそれを知ったのは彼が亡くなった後。その後、彼の出演している映画を興味深く観るようになった。
by penelox
| 2005-10-06 01:41
| New Wave
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