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The Lightning Seeds / Pure

(mixi日記7/18より)

 80年代リヴァプール・ポップも、このあたりからリアルに覚えている方がぐっと増えるのでは。今迄挙げて来たリヴァプール勢を、時に相棒、時に裏方となって支えて来た御大。

 それまでのバンド歴を挙げれば...

ビッグ・イン・ジャパン(のちKLFのビル・ドラモンド、元デフ・スクールのクライブ・ランガーも一時在籍)
オリジナル・ミラーズ(元デフ・スクールのスティーブ・アレンを核とするバンド)
ケアー(元ティアドロップ・イクスプローズのポール・シンプソンとの二人組)

 プロデューサーとして手掛けた主な人達は...

エコー・アンド・ザ・バニーメン
ペイル・ファウンテンズ
アイシクル・ワークス
(以後、現在に至るまで無数)

 そんな人物、イアン・プロウディーが遂に80年代後半に自らのユニットを立ち上げた、それがライトニング・シーズでした。私が初めて耳にしたのは88年末か89年初めぐらいのジョン・ピールのラジオショー、かかったのはまさにこの曲! 

"Pure"

 それまでのキャリアで築き上げて来たのであろう、センスの良いギターとふわふわした優しいエレポップ風味なアレンジが織り成すギターポップは、まさに80'sリヴァプールのエエトコ取りな音で、個人的にド真ん中でした。
 
 で、彼等が誰なのか、しばらくは謎だったんでしたが、音楽誌を見て納得。実は前からあっちこっちで名前を見ていた人だった訳です。

 さらに、アルバムが出て、またその不思議にとぼけたルックス(おっさんなのか若いのかわからない、あのメガネと八の字眉毛、独特のヘアカット-これはスカリーズ風だったのか?)のインパクト。実にリヴァプールしていて(笑)、彼等(彼)の存在は、かの地からの久々の静かなる衝撃となりました。

 このデビューアルバムは、当地での人脈を生かした、イアン・マクナブ(アイシクル・ワークス)、ヘンリー・プリーストマン(クリスチャンズ)、ピーター・コイル(ロータス・イーターズ)、アンディー・マクラスキー(OMD )といったゲストが豪華で、まさにベスト・オブ・リヴァプール80'sというべき、好ギターポップアルバムでした。この港町の80年代の軌跡を一つのアルバムでまとめあげた、そんな感慨を覚えましたね。もちろん、80年代のみならず、60年代からの遺産も基本DNAとしてその一部になっているでしょうし。それでいて、マンチェスターをはじめとする以後の音楽に通ずるものも、しっかり持ち合わせていた。

 偉大なる過去の遺産を真摯に見つめ、未来へのスタイルを構築する...
このアルバムから、またリヴァプールは新たな時代の幕を開けた気がします。
by penelox | 2006-07-18 23:59 | New Wave


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