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Revolution (in the summertime?) / Cosmic Rough Riders

from "Poptones Presents Radio 4"


台風のため仕事がキャンセルになってしまい、急遽時間が出来たので何度かに分けて"Colour"のギター録音を続ける。

またボーカルが気に入らなくなって来た。ミックスでごまかしようはあるのだが、そうやってどんどんハードルを下げて行くのがたまらなく自己嫌悪。たぶんサビは再録音した方が良いのだろう。

一方ギターも冴えない。もしかしてこういう曲は本質的に自分の苦手なタイプなのだろうか?アラばかり気になって、だんだん嫌になって来た。猛烈に落ち込む。

次の曲に移った方が良いのか...わからん...。
あかん、時間があるのに全て悪循環。

コズミック・ラフ・ライダーズ、そんなに詳しくないが、これはほんとに良い曲だ。
いわゆるグラスゴー勢については、個人的にはどうもここ数年あまり良いイメージがない。正直言って心に突き刺さって来るような名曲が出て来てないというか、そもそもそういうつもりでやってるのかどうかも疑問というか...。
世間一般の評価の盛り上がりとは全く反比例しているが、曲で評価したい者からすると、圧倒的に80年代の方が良い曲を書くバンドが多かったと思う。

良い音楽というのは、ほんの一瞬でも現実と夢がひっくり返ってしまったかのような錯覚を起こさせるものだと思う。
一瞬夢想がその場に現実化して立ち上がったかのような...何も強烈な曲じゃなくても、聴き手の想像力、作り手の創造力の間で化学反応があればそれは基本的に起こる筈なのだ。

そういう意味では、聴き手としてグラスゴー発の音楽はここ数年ホントなかなか興味を持てる音楽が少なかった。
音楽コミュニティーが成熟し過ぎてるがゆえのハングリーさの不足、緊張感の無さ、それゆえのインスピレーションの枯渇...好きな場所だっただけに、メディアに手の内を全て読まれてしまった末の悲しい姿という感じだった。
(ここ数年、リヴァプールやアセンズも、正直言えばそんな印象は拭えないのだが)

そんな中での、数少ない例外的個人的名曲。
バンドそのものの評価は何とも。他の曲を知らないので。

夏に革命は必要ない...
いつだって革命は必要ない...

たとえば音楽メディアがまき散らすムーブメントとかに代表されるような、なにがしかの権力や権威の起こすデッチ上げ/やらせ/自作自演のうさん臭さにそれとなく言及しているのだろうか? もしそうだとすると至極真っ当なことを歌ってるなぁ。
そんな歌詞が、バーズに代表されるアメリカン・フォークロックの衣装(それはつまりサマー・オブ・ラブなる「革命」へと収束して行き、のち失われたのだが)をまとって紡ぎ出されるのだからたまらない。
その時代に間に合わなかった人間ならではの、冷静な観察眼と、少しの嫉妬、そして愛憎がなかばする、この思い。実にわかる。

この批評眼があるからこそ英国の音楽にいまだに惹かれるのだ。

考えてみれば今作っているアルバムも「夏」がテーマだけれど、「夏」への愛憎の間で逡巡する曲だらけだ。それをもっともっと意識した方が良いのかな。そうすれば音楽に焦点が合って来るとか?

真っ暗気だったが少し音楽を信じても良い気になる。自分の表現への意欲も少し戻った。
とにかくベストを尽くそうではないか。


http://www.jttk.zaq.ne.jp/penelopes/
by penelox | 2004-10-20 22:08 | 90年代


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