人気ブログランキング | 話題のタグを見る

最近読んだ本 - 2007年11月(4)

■老害政治 「希望も安心もない国」にするシステム(板垣英憲・著/光文社ペーパーバックス)

 細かいデータを元に、いかに老害がこの国の政治を覆っているかを立証。中国とアメリカの政界エリート達が実は大学時代からの友好関係を築いているということも含め、日本の国際的地位の今後についての暗い見通しも綴られる。統一教会からの政治献金など、大手新聞が常に避ける自民党議員と宗教団体との関係が特に興味深い。世襲、姻戚関係、学閥、政、官、財の癒着の長期化により、既得権益を守り抜くことだけが目的化・・・読めば読むほど、自民党政権というのがもはや賞味期限切れというか、生活習慣病になってるということを思わずにはいられない。何一つ明るい気持ちにさせない、しかしこれが現実。ぜひご一読いただきたいです。
 何も期待などしていなかったが、杉村太蔵が選ばれたのも所詮親が所属する業界からの献金目当てなのだそうだ。


 個人的に思うのは、かと言って、民主党がそれに代わるものに成り得ないこともこないだの小沢代表のゴタゴタで白日のもとに曝されたのではないか、ということ。今朝の朝日新聞のインタビューを読んでも、小沢代表には大連立することで国民が持つ危機感にあまり意識が及ばないようで。だから、もちろんまずは政権交代が起こらなければどうにもならないけれど、その後のことも考えれば、ヨーロッパ型の社民主義を標榜する第三の勢力というものをもっと大きな力にする必要がある・・・そんな気がしてならないのだが、どうなんだろう。音楽業界の、しかもインディーの末席にいる隙間産業純情派(苦笑)がアレコレ言ったところで何も変わらないのだけれど、ヨーロッパの人達と文化交流(音楽のこと)があると、弱肉強食のアメリカ社会とは違う、金儲けに終わらない音楽のあり方が根付いていて、それはやっぱり社会民主主義的な社会が前提なのではないかと、そう感じるのである。

 あと、ここで扱われているのは政治家だけだけれど、実際のところ、それを伝えるマスメディアを牛耳る面々の老害も相当なものだと思う。少なくとも、渡邊恒雄、田原総一朗、この両氏が一刻も早く退場してくれたらどんなにこの国の風通しが良くなるだろうかと思う。


渡邊恒雄(1926-)読売新聞代表取締役、会長、主筆。
81才。新聞業界の最高権力者であるのみならず政界における重要なフィクサーであり我が日本国の実質的支配者のひとり。政界のみならずプロ野球、大相撲にもしゃしゃり出る。創価学会池田名誉会長とも深い結びつきがあるという。本来は権力から一定の距離を置きその監視、批判をすべきジャーナリストなのに、あろうことかその権力とつるんで政治を動かすなどということを世界一の発行部数の大新聞を使ってやるのだから、呆れてしまう。この人に好きにさせている読売新聞社の人々の責任も大きい。暴言、妄言は数知れず。

あのじいさん面白いじゃない、と笑って済ませられる向きは、こちらをご一読いただくといいのではと思う。

「渡邊恒雄 メディアと権力」 魚住昭・著(講談社)



田原総一朗(1934-)
73才。日曜朝の「サンデープロジェクト」や月末の「朝まで生テレビ」の司会で有名。TVディレクター出身としての面白がり精神が高じて、ミイラ取りがミイラになった典型という印象。視聴率至上主義者であることを公言しており、職業病なのか、あっちを煽り、こっちを煽り・・・そうしているうちに自身の政治的立場が何だかわからなくなってしまった。

こちらもぜひご一読を。

「田原総一朗よ驕るなかれ」佐高信・著(毎日新聞社)
by penelox | 2007-11-16 23:21 |


<< Mark Jet テレビに登場 阪急対阪神、バスゴーラウンド西... >>