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Def Dumb & Blonde - Deborah Harry (1989)

 89年に出たブロンディーのリードシンガーの3枚目となるソロアルバム。のっけから80年代エレポップとアメリカンポップの合わせ技のあの世界・・・つまりブロンディーと通ずる世界が展開して行く。89年というと、もはやポップシーンにおけるブロンドのセックスシンボルという座を、マドンナに譲っていたような・・・なんてセリフは禁句なのでしょうか。でも、ご自分でわざわざ"Def Dumb & Blonde"と付けてる訳で、自虐的になってたのかなとか・・・それでそう思った次第。いや、むしろそのぶんリラックスして取り組めていて、タイトルもきっと、ユーモアなのでしょうね。

 前にブロンディーのベストについて書いた時に、20何年かかって上手い歌手だとわかった、と書いたけれど、改めてこの方はホントに引き出しの多い、器用なシンガーなんだなぁと実感。唯一無二、存在感ありまくり、というタイプではなくて、カメレオン的に、あらゆるスタイルの音に順応して行くタイプ。様々なアレンジを施されたバックの演奏に楽器のように馴染んでしまうから、ある意味匿名ぽく聞こえてしまう・・・それゆえ、アレンジのポップさが大変印象に残る。ブロンディーほどバンドの制約がないぶん、ダンス系寄りな曲のアレンジがより自由になっていることが聴き進めると感じられる。高音シャウトも多い04や激しい13でかなり熟練した歌手であることを再確認。03でカルトのイアン・アストバリーとデュエットしてる、というのも何だか唐突だけれど面白い。また、トンプソン・ツインズが楽曲提供(01。03はデボラと彼等の共作)やプロデュースで参加しているのも特筆すべきですね。全体に80年代半ばのカラフルな匂いが強く感じられる作品。やっぱりブロンディーを彷佛とさせる01(全英13位まで上昇)、06、トロピカルな07、サヨナラ〜なんて歌う09、MTV全盛期の儚さが浮かんで来る10、エレポップのアレンジが気持ち良い14あたりが特に印象的。今考えると、彼女やブロンディーの音世界って、それこそ10代の頃から気付かないうちにあちこちで触れていたんたなぁと・・・それがのちのリズム・ファンタシーの制作に関わった際にかなり影響した気がしましたね、ポップ/ロック/ダンスの合わせ技、という意味で。手前味噌だけれど、また彼女達の作品も聞き返してみようと思う。
by penelox | 2008-01-23 11:25 | CD備忘録


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