カテゴリ:野球のことしか語らない場所( 9 )

本当に逝ってしまったのか・・・


 先日、訃報を目にしたときはまさかと思い、あちこちを見てもやはり信じられなかった。嘘だろうと。

 しかし、葬儀が行われている記事を見て、ようやく受け止めなくてはならない気持ちになった。それぐらい、残念でならない。
 小林繁氏、まだ57歳での死。早過ぎますよ・・・。

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 男の中の男。今ではこんな言い方、死語として片付けられてお終いのように思えるけれど。また、若い世代にはそれが一体どんな生き方を意味するかについて説明しないとわかってもらえない気さえするけれど。あるいはまた自分自身にとっては、いなくなってから初めて、人格形成の時期におけるその存在の大きさがわかったのだけれど。しかし、こう言って差し支えない人物と、ファンとして同じ時代を共有することが出来たというのは、改めて人生のなかでの大変な財産のようにも思う。つまり、どんな理不尽であっても、与えられた状況を潔く受け止め、試練や逆境になればなるほど燃える魂で、物事にぶつかって行く、その基底には不断の自己鍛錬があるのは言うまでもなく・・・そんな男がいたことを知っているということは。

 昭和54年(1979年)、江川の巨人への強引な入団のためにキャンプイン直前に阪神へトレード。シーズン22勝9敗、うち対巨人8勝0敗。
 昭和58年、13勝しながら、15勝の公約を果たせなかったと引退。この時わずか31歳。葬儀で川藤氏曰く「指先に血が通わなかったのを隠していた。ここまであいつとの約束で言わんかったけど」


 小林繁という投手がどれだけ凄かったか。当時中学~高校生という一番多感な時期の少年にとって、あの江川事件以降の、腕もちぎれんばかりの奮投が、単なる一野球選手という存在以上に与えてくれた感銘、生き様は、いくら書いても書き切れない。もっともっと長く生きて、(出来れば)阪神の投手陣にもっと闘争心を与えて欲しかったのに。

合掌。
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by penelox | 2010-01-20 14:27 | 野球のことしか語らない場所

猛虎はん (ほりのぶゆき・著/扶桑社)

 ついにオールスター・ファン投票選出ゼロ・・・とうとうここまで来たか。
 弱いだけでなくて、選手個々にどうも元気がないというか、魅力がなくなって来てるのも事実。去年秋のあっけにとられる大逆転V逸から、岡田監督辞任、真弓新政権の誕生、そしてふたを開けてみれば下位低迷・・・若手が伸びて来ないツケというか、勝負弱いというか、いちいちここぞというところで負ける姿に、あっと言う間に往年の阪神が戻って来た感があって、まぁ何とも時の流れの早さというか、世の無常を感じる今日のこの頃ですが。今の楽しみはゆえに試合そのものよりもむしろ、2年後におそらく復帰するであろう岡田はんの、熱すぎて殆ど現政権の采配批判に聞こえる解説だったりする向きも多いのでは?

 しかし、ファンに出来ることと言ったら、なんだかんだ言っても結局は応援だけ。素人評論家よろしく、桜井はもっとセンター返しから自分の打撃を取り戻した方が良いんじゃないか、とか、福原はもっと低め中心の制球を磨け、とか、勝手なことは言えますが、実際のところ選手達はとてつもなく高いレベルのところでやってる訳で。しかも阪神の場合、そういう外野の声が強過ぎて、それが却って選手を萎縮させたり要らぬ力みを与えたり・・・という印象が常に目立つので、心あるファン(笑)としては、むしろなるべく騒がず、影からささやかに応援する方が良いのではないかと思ったりもする。だからこそ、こないだも某西宮の本屋で不振にあえぐ実物の鳥谷選手を見かけた時、馴れ馴れしく近づいて、「こんなとこおらんと練習せぇや! 」なぁんて失礼なことを言う代わりに、打てるよう、静かに気を送っておいたのである(笑)。阪神ファンというのも長いと、選手に気を使ったりして(掛けてます)なかなかに労力を伴う、辛いものなのです(笑)。

 そういう阪神ファン(or阪神不安)からすると偶然本屋で見かけて、まだ慎重な立ち読み段階(段階がありまして、まだ購入するかどうか考えてる段階/笑)で、結構面白かった本がこれ。最初著者が同世代とは知らなかったのだけれど、あの暗黒時代を通ったファンならではの視点なので、いちいち頷くことだらけのせいでよくわかった(笑)。そういえば「江戸むらさき特急」も(時代劇を通った世代として)同世代的に共感出来て好きだったことを思い出した。巻末のしりあがり寿氏との対談もよくわかるなぁという感じ。近々購入してみます。

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■田淵、HRで阪神久寿川在住の大将(想像)とホームイン。




■江夏、延長11回ノーヒット・ノーラン達成 自らサヨナラホームラン。




■浪速の春団治、サヨナラ打。




■バース、掛布、岡田の3連発・・・




■新庄、敬遠球をサヨナラ。



井川の顔面スクイズ。




 勝ち負け云々より、正直言ってこういう個性的な選手による、個性的なプレーが観たいんです、ホント。


ところでこのタイトル、蒙古斑にかけてたんですね。今頃気づきました(笑)。
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by penelox | 2009-07-02 00:16 | 野球のことしか語らない場所

阪神2007年の総括 + 2008年の展望 (2)

 なんかニュース見てるとグライシンガーもクルーンに続いて巨人に行きそうだとか。
嫌やなぁ・・・しかし考えてみればここ数年の阪神がやってることというのは、言わばミニ巨人化であって、情けないと言ったら情けない。広島さんに申し訳ないのだ。本当は現有戦力を底上げしないとどうにもならないのに。自前のエース、4番が育たない悲しさよ。

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 今年打線が駄目だったというのは、もう周知の事実だけれど、結局、何がダメかと言って、金本を乗り越えようかという若い選手が出て来なかったからだ。いや、確かに林、桜井は伸びたのは事実。しかし、もうだいぶ前から言われ続けていた選手だということを忘れてはいけない。やっと出て来たという感じで、本当はまだまだ物足りないのである。それに、1,2年よくてもすぐに不振になったり、故障したりと、ヤワな選手が多いのも事実。このふたりがいつ濱中や今岡と同じ道をたどるかわからない。金本以外に5年ぐらいコンスタントな成績を残せる選手がいないのが問題なのだ。

 ここ何年かは、金本を打の、矢野を守の要として頼って来たけれど、このふたりはもともと阪神の選手ではない。この人達が元気でいる間に新しい柱を育てなければならないというのが課題だったはずなのだが、来年40になる、衰えが見え始めたふたりを、実力で控えに追い込むような選手がいない。今岡、濱中、関本、鳥谷はどうなった・・・。来季はさらに苦しいと言わざるを得ないでしょうね。

 ケガで一年フルで出るのは苦しい赤星、シーツ退団、濱中放出。そして林は手術で開幕に間に合わない。今岡の復活は期待したいけれど、これもまた安藤、福原と同じように、衰えかも知れないのである。いないと考えた方が良い。たぶん岡田監督もそう思っているのだろう。もちろん復活は待っているのだろうけれど。

 で、そういうことをアタマに入れて、岡田監督が考えていることを推測すると、来年はたぶんこうなるんじゃないかと予想する。赤星と(オリックスから移籍の)平野の併用。鳥谷の下位打線行き。あとは新外国人と今岡、桜井、林の併用。このあたりがポイントでは。

打順はたぶんこうじゃないかと。

1 8 赤星/平野
2 4 平野/関本/藤本
3 7 金本
4 5 新井
5 9 新外国人/桜井
6 3 林/今岡/新外国人
7 6 鳥谷/坂/大和
8 2 矢野/野口/狩野
9 P

 今年よくわかったのは、積極性に欠ける鳥谷では打線を引っぱれないということ。ゆえに、やっぱり怪我は気になるけれど、1番は赤星しかいないではないだろうか(赤松ではあまりに頼り無い)。たぶんそのつもりで取ったのだと思うので攻撃的で器用な平野と併用で。3、4番はこれで不動だと思う。5、6番は順番が変わることも十分あるけれども、結局このあたりの争いになるのでは。林は開幕に間に合わないらしいし、新外国人もアテにならない。だから、桜井がどれだけやれるか、それと今岡がどの程度復活するかによって、ここは大きく変化しますな。7番は鳥谷で固定。しかし、もし相変わらずだったら、坂とか、二軍から大和とかを持って来る手もあるのではないだろうか。毎年2割7,8分、HR10本程度では、あかんでしょう。これではまるで悪い意味での藤田平化である。鳥谷本人への刺激のためにも、坂と大和のパワーアップを切望する。8番のキャッチャーというのも決まりでしょうね。でも、たぶんこの3人の併用になると思う。個人的には野口がもっと使われて良いと思うけれど。

正直言って、新井が頑張ったとしても、金本が予想以上の活躍をしても、それだけではダメであろう。若手が彗星のように・・・というのは、来季はあまり見込めない(そういう選手が2軍にいない。敢えて言えば野原か)。結局、今岡が3割、25本、桜井が2割8分、20本、林が3割、30本ぐらいの活躍をしないと、来年は優勝どころか、Bクラスになる可能性が濃厚ですな。非常に残念だけれど。



宝塚の星今岡〜、復活してくれ〜(祈)
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by penelox | 2007-12-06 22:21 | 野球のことしか語らない場所

阪神2007年の総括 + 2008年の展望 (1)

 野球日本代表決めましたね、北京五輪。
 やっぱりサッカーより野球の人間としては、ここ二晩は燃えました。
 最終戦は試合終了になんとか帰宅して間に合いましたが。

 上原というのは改めて凄い投手なんだなと再確認。あの状況でのあのコントロールというのは、もう、あっぱれ(大沢親分じゃないので念のため)。やっぱり精神面というのは大事なんだなと思う。巨人なのが悔しいけれど(笑)。
 来年からタテジマを着る新井選手がHRを打ったのも嬉しいところ。いや来年が実に楽しみ。


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 今年のプロ野球、何か色々ありました。結局中日が日本一になったけれど、最後の最後が何かしっくり来なかった(でもその時TVで見て無かったので、何とも言えないのですが)・・・まあそれは別として、我が阪神。こちらは問題だらけ、課題だらけでした。よくあれで3位に入ったものだと思う。10連勝はすごかったけれども、全体としてはあまり印象に残らないシーズンでした。それはたぶん、投打の柱が若い世代から出て来なかったのが原因ではないかと思う。もちろん上園、林、桜井、狩野の台頭はありましたが、まだまだ大きな柱じゃないですしね。来年はまだわかりませんもの。


 まずは投手陣。
 何しろ先発総崩れ、これに尽きますわ。結局今年一年、井川の穴は埋まらないままだった。規定投球回数に入った投手がひとりもおらず、来年不惑の下柳がただひとり2ケタ勝利という惨状。もちろん新人の上園が頑張ったのは良かったけれど、正直JFKだけで何とかここまでの成績に持ち込んだと言っても過言ではなかろう。特にがっかりだったのが安藤、福原、杉山。この右3人はホントに何をしとったんでしょうか。そりゃ怪我やったとか、投げられなかったとかなのかも知れないけど、それだったら完璧に調整してから戻って来いやという話。帰って来てからもボコボコ打たれて、特に安藤、福原には、正直、衰えという嫌な言葉もよぎるのである。左腕の方も伸び悩んだ。新人小嶋は最初だけ、岩田は結局ひとつも勝てず、中村泰ももうひとつでモノにならずとうとうトレードされてしまった。復活が期待された三東に至っては引退である。能見も一年通してみるとなんだか中途半端で、結局良いのか悪いのかよくわからなかった。ゆえに、ファンとしてはなんで江草を先発にしてくれないんかな、岡田監督、と言いたくもなるのである。そりゃ中継ぎは弱くなるかも知れないけれど、2ケタはしまっせ。使い続けてエースに育ててやったらどうですのん、と。

そこで、僭越ながら、来年はこれでええんとちゃうのん、と勝手にローテーションを組んでみた(笑)。まあ誰も私の意見など興味はないだろうけれど。

(先発) 基本は5,6人ですが、候補として多めに。

・グライシンガー(もう入ったことにしている)
・上園(2年目だから少し苦しむと思う。5,6勝はするでしょうけれど)
・下柳(そろそろ2ケタはキツいかも)
・金村(2ケタ希望だが、まだわからない)
・久保田(先発希望をのんでやって欲しい。彼が一年先発やるのも見てみたい)
・ボーグルソン(嫁はんのCMも延長YA!でも来年化けるかはちょっとわからない)
・江草(この人は2ケタする力あると思いますデ。頼り無い杉山は正直買えない。年に一度良いピッチングでは若い頃の伊藤ではないか)
・岩田(この人も一年先発ローテで回して欲しい。5勝ぐらいしたら伸びて行くと思う)

福原、安藤、杉山、能見、太陽は来春のキャンプ次第ですな。こうしてみると、候補は多いんですけどね。

(中継ぎ)

・橋本(この人を先発に回すのも面白いと思ったり思わなかったり)
・渡辺(来年は彼が重要だと思う)
・筒井/正田(左のワンポイントが欲しいところ)
・桟原(来年は正念場)
・ウィリアムス

(抑え)

・藤川


う〜ん、井川、帰って来てくれ〜・・・


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by penelox | 2007-12-04 23:30 | 野球のことしか語らない場所

阪神10連勝

 いやぁ阪神強い。ついに首位に立ってしまった。
まさかここまで来るとは思わなかった。やはり、貧乏神の私が最近TV観戦出来てないのも良かったのではないかと(笑)。
 きっとネガティヴなエネルギーが送られてないんですわ(笑)。

 10連勝したというのは最近記憶にないなと思っていたら、なんと25年ぶりだという。
25年前といったら、1982年...安藤監督時代の11連勝ですがな。懐かしい。高校2年でした、確かあれは6月で、定期テストの頃だったと記憶している。野球ばっかり見んと勉強もしいやと、担任が言ってたな。最後はエースの小林が止めたんやったっけ。
 それはさておき。

 しかしこの先発投手陣で、打線に濱中、今岡、林がいないなかでこれだけ勝つというのは、ホント凄いこと、奇跡的なこと。これは何より岡田監督の勝負勘と、JFK(ウィリアムス、藤川、久保田)のリリーフ三本柱に負うところが大きい。もちろん、桜井選手のここへ来てのブレイク、5番定着も嬉しい誤算であった。彼にはぜひ、打率3割、HR2ケタを期待したい。将来のエースが上園であるように、将来の4番は桜井であって欲しい!

 連投続きの藤川球児が突然肩痛でも起こさないかと心配する私は、やはりマイナス思考から抜け切れない旧世代ファンなのだろう(苦笑)。

 今年はプレーオフか何かがあって、ややこしいのでよくわからないのだけれど、とにかくここまで来たら優勝して欲しいですね。それで、日本シリーズは、どうも甲子園が使えないらしいのだけれど、ドーム球場じゃなくて、普通の屋外球場で、昼間やって欲しいんだなぁ....その方がいかにも、昔ながらの日本シリーズという感じで、趣きがあると思うのだけれど。
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by penelox | 2007-09-10 09:49 | 野球のことしか語らない場所

It's Me, Nohmi!

8/18 - 阪神 6 - 0 広島

とうとうやりましたな! 能見投手、プロ初完封。
彼独特の、あのゴツゴツしてどこか垢抜けないインタビューも、これからどんどん洗練されて来るのだろうか。個人的にはインタビューの回数が増えつつも、かつての井川並みにテンポの悪い、面白くないもの(笑)であり続けてほしい。


1.5ゲーム、阪神がいよいよ首位に肉迫して来た。まさかここに来てこうなるとは思わなかったが、非常に面白い展開。個人的には、若い世代がどれだけ活躍するかが鍵ではないかと思っている。特に投手陣のこの人達だろう。


■能見篤史 3勝3敗/防御率3.64

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04年のドラフト一位(自由枠)。05年完投を含む4勝を挙げるも、06年は中継ぎに回るも良い結果出ず、わずか2勝と低迷。今年07年もローテーションに入ったのに前半は不振で二軍落ち。しかし、夏場に1軍昇格すると連勝、今回プロ入り初完封。未来の左のエースが、やっと開花しそうな気配。かつての川口(広島)並の豪快なサウスポーになって欲しいもの。









■杉山直久 4勝4敗/防御率4.69

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02年のドラフト一位(自由枠)。05年の9勝以外はどうもパッとしない。性格なのかも知れないが、どこかトロいというか、成長のテンポが遅い感じがあって、ファンのイライラの元である、松坂世代。新人の頃なんて、食が細い、プロ意識が低いんじゃないのか、とか、言われていたものだ。まぁ、色々言いたくなる頼り無さも、ある意味阪神の選手らしいのかも知れない。今度こそ、本当に右の柱になって欲しい。







■上園啓史 4勝2敗/防御率2.66

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06年のドラフト3巡目。無名だったが、気合いの投球で予想外の活躍。慣れられてからどうなるか、というのはあるけれど、実に清清しいピッチングが今後楽しみな投手。タイガースの未来は君のものだ!











■江草仁貴 3勝0敗/防御率2.43

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今は中継ぎに回っているが、本当は先発に回ってバンバンやって欲しい、またそれができるはずの投手。特に彼は江夏、江本以来、久々の「江」のつく投手なので、個人的にかなり期待している。江夏、山本和、仲田、湯舟、井川...この次の時代を作る左投手が、能見、江草、岩田、小嶋、中村泰の中からあらわれるのか...阪神のサウスポーというものは昔からファンの大きな夢のひとつなのである。











■渡辺亮 1勝0敗/防御率2.43

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若いのに妙に昭和臭さ(?)があり、中継ぎ一筋で行きそうな渋いところがまた職人的で良い、個人的に非常に期待している投手。ナックルは今年は投げないのだろうか。いずれにせよ、橋本と並ぶ中継ぎの柱になって欲しい。
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by penelox | 2007-08-19 12:00 | 野球のことしか語らない場所

桑田パイレーツ退団に思う

【ピッツバーグ(米ペンシルベニア州)】パイレーツの桑田真澄投手(39)が14日、パ軍退団を決意した。
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この日、パ軍は桑田に対して戦力外を通告。桑田には、残るシーズンをマイナーでプレーする選択も残っているが、「もう今年は十分です」と球団側に伝えた。今後については「まだ決められない。まずは右足首の治療に専念したい」と限界に近い体のケアを最優先し、現役続行も選択肢のひとつにしながら、誰よりも早いオフに入る。












とうとうそんな時が来てしまったのか。つくづく時間の流れの早さを思う。
大阪人でありながら巨人入りし、エースとして活躍した桑田。
阪神ファンの私にとって、全盛期の桑田というのはもう、憎たらしいといったらなかった。

彼の入団の経緯を思い出していただければわかるが、桑田真澄とは、江川の系譜を継ぐ、「ダーティー・ヒーロー」「ヒール」の選手であったのだ、あくまで阪神ファンにとっては、だが。今でも、彼の入団を巡るバッシングが巻き起こった85年秋を思い出してしまう。


掛布、バースが抜けて急速に弱くなって行く80年代後半の阪神を、以後10数年に渡って巨人はこれ以上ないほどにコテンパンに叩きのめした。伝統の一戦なんて言葉が色褪せるほどに。この時期、どう頑張っても阪神が勝てなかった理由は、巨人には何と言っても先発3本柱がいて、全くもって打ち崩すことが出来なかったからだ。

これを見ていただきたい。

桑田173勝(1986-2006)104勝(1987-1994/8年)
斎藤180勝(1983-2001)125勝(1989-1996/8年)
槙原159勝(1982-2001)107勝(1986-1995/10年)

何と通算150勝以上の投手が3人もいたのである。特に右側の数字を見ていただくとわかるが、この80年代後半から90年代半ばに勝ち星が集中している。何回あたっても斎藤を打てないふがいない阪神打線に、どれだけ怒ったことか。ちなみにこの間、阪神には100勝した投手さえいなかった。一応エースと目された仲田でさえ50何勝しかしていない。弱いはずである。
順位の違いを見ていだたくともっとわかる。

順位比較
1986 阪神3 巨人2
1987 阪神6 巨人1
1988 阪神6 巨人2
1989 阪神5 巨人1
1990 阪神6 巨人1
1991 阪神6 巨人4
1992 阪神2 巨人2
1993 阪神4 巨人3
1994 阪神4 巨人1
1995 阪神6 巨人3
1996 阪神6 巨人1

万年Bクラスの阪神と常に優勝争いをしていた巨人。その差は歴然で、ファンがどう悔しがってもどうにもならない時代であった。それにしても11年で最下位6回って、悪夢のような時代でしたな、改めて!

で、桑田は、言ってみればその時代のある種の象徴であって、何の思い入れもない訳だ。まして上のようなイメージである、憎たらしい裏切り者(笑)...のはずであったのだが。

やっばり、その後の苦悩の数々も見ているからかも知れない。
彼のインタビューを不思議なぐらい、そうだろうなという気持ちで見てる自分がいた。
プロ野球で一時代を築いた選手のああいう心境というのは、自分ごときにはわかる訳がないのに、何となくわかるような気がしてしまう。なんとはなしに、同世代の共感、なんてこそばい言葉が浮かぶ。

今となっては、味のあるええ選手やったと、認めざるを得ないですな。
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by penelox | 2007-08-18 00:06 | 野球のことしか語らない場所

2006年現在の猛虎に思う

5/24

 チラシ到着。自分のバンドの事、ニューアルバムの事、近々ブログにアップ予定のThe Music Loversインタビュ-も含めたコンピの事...やるべきことに加え、たくさんのメール。いつも不思議に思うのだが、皆さん私の事を同じ時期に思い出すのか、同じ日に示し合わせたように色んな知人、友人、関係者からメールが来る。何か理由があるんだろうか。


 全く音楽とは関係ない、プロ野球の話。

2006年 セ・りーグ勝敗表(5月24日現在)
順位 チーム 試合 勝敗分 勝率 差
1   巨 人 44 27 15 2 .643   
2   阪 神 42 26 15 1 .634 0.5
3   中 日 41 22 18 1 .550 3.5
4   ヤクル 42 21 21 0 .500 2.0
5   広 島 43 19 22 2 .463 1.5
6   横 浜 44 14 28 2 .333 5.5

 昨年の覇者阪神、村上ファンド問題に揺れること無く、交流戦に入ってから俄然エンジンがかかって来た感じ。ここに来て5連勝、首位巨人に0.5ゲーム差に猛追。逆に中日はまたモタモタし始めている。

 巨人が今年首位にいるのは、特に驚くにあたらないと思う。もともと主軸の実績だけ見れば怖いチームで、投手陣がさらに整備されたこと、そして何より監督が変わったことでの戦術面、それ以上に心理面がかなり強化されたのだろうと思う。去年が実力に比しておかし過ぎたのだ(阪神ファンとしては今年もあの方の「悪太郎采配」による弱体化を少し期待していたのだが)。

 しかしそれでも、今の巨人に圧倒的な強さというのは感じないし、何よりマスコミへの露出という意味では、少しも巨人復活の気運が盛り上がって来ない。ゆえにプロ野球離れが進んでいる、と巷間囁かれている訳だけれど、実際は巨人人気、ブランドが下降しているのであって、全体の人気の問題ではないように思うのだ。

 つまり、ファン層の変化-Jリーグ型の地方ごとのプロ野球人気へと移行し、一方では「巨人ファン」と言われる層の空洞化がここ数年急速に進んでいた事-が、巨人首位で明らかになった、ということではないだろうか。これもまあ、あちこちで指摘されていることだけれど。

 考えてみれば90年代以降の10数年は、巨人人気がゆるやかな凋落へと向かった時代だったと思う。長島人気とFA補強、ドラフト改悪による場当たり的、不均衡な戦力補強に依存し、一時的にファンを惹き付けることが出来たものの、松井を流出し、せっかく前回の原監督で見えた希望、往年の巨人野球(=スモール・べースボール)の伝統を堀内政権がガタガタにしてしまった。

 それを今季、原監督の「ジャイアンツ愛」で復活させて来た訳だが、もはやそれだけでは新たなファンを発掘するには十分ではない、という所まで来てしまった、ということなのでは。

 最近の巨人の強さと反比例した巨人ファンの盛り上がりのなさを見るにつけ、特に90年代に入っての巨人の横暴(ドラフト、FA、1リーグ制、ミスターを操り人形化)の突出が、ついには巨人ファンさえも大いにしらけさせ、巨人離れを加速させたこと、そして、もはやジャイアンツイコール全国区の日本代表チーム、という時代は終わったのだ、ということを強く感じさせる。

 たぶん、東京という地域代表の一チームとしてやり直さなければ、もはや読売ジャイアンツのさらなる人気低下は避けられないんじゃないかなと思う。

 たとえば、ヤクルトが下町で巨人が山の手、とか住み分けして、地域ナショナリズムを喚起させるベクトルで行く、とか。

 一方の阪神の場合、やはりファンが何よりプロ野球全体をよく知っているし、深い愛情を持っている。多くのベテラン阪神ファンは、実に細かく自チーム、そして他チームの事を知っている。それは、ヨソのチームに行った元阪神の選手が気になるとかもあるのだろうが、戦力分析やドラマを発見することで、相手がいて成り立つプロ野球そのものの愉悦に浸る術を覚えたからだ。チームとしての優勝を期待出来なかったぶん、勝ち負けだけではない各方面に楽しみを見出せたのだ、ある意味悲しい話ではあるが(笑)。

 そして、80年代以降の長期低迷の原因として、阪神タイガース(球団そのもの、そしてタイガースとマスコミの関係、親会社の問題)の構造的問題を、イヤというほど見て来てた。それゆえ、常に親会社とチームを用心深く、鋭く監視し続けて来た歴史がある。それによって球団側も、ファンの厳しい視線に応えるべく、時間とお金をかけ、二軍からその育成環境を整備し、指導者育成にしても長期的に行なって来た。濱中や関本、今岡、井川は岡田監督が二軍監督を長く務めた時期に手塩にかけて育て、よき相談相手として支えて来た選手なのだ。ファンの厳しい(しかしそれは愛情ゆえの)視線がチームを強くして来たのである。

 だから、昔からのファンは今でも慎重に見ている。10年以上Aクラス、優勝数回を繰り返さなければ、真に強くなったとは認めないと思う。いつあの時代に逆戻りするかと、気が気でないのだ。江夏や田淵、掛布、バースといったスーパースターをあっけなく見捨てたこの冷酷な球団の側面を、過去の悲劇を忘れていないのである。

 そういった意味では、阪神には語れるドラマが多いのだろう。巨人ファンの多くが、辞めていった選手、移籍していった選手に関心を失うのと対照的に、いつまでも元・阪神はファンの間では語り種になる。共有する文化が豊かなのだ。これは、日本のプロ野球ファンの文化としては、今後を考えれば先取りしている要素だし、たとえば世界におけるサッカー文化と比べても、全く遜色ないものなんじゃないかな。
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by penelox | 2006-05-24 23:59 | 野球のことしか語らない場所

阪神タイガースの歌(通称・六甲颪)

11/18

神戸のUHF局であるサンTVで放映されている「虎辞書なる!!」という番組がある。

同局所蔵の映像で往年の阪神の選手の活躍、試合を振り返る、というものだが、人気番組なのか、CSのスポーツチャンネルでも放映されている。大半は昭和50年代後半から60年代に集中していて、かなり見覚えがあるので、古いとは言え、そんなになつかしい感じはしない。

しかし、どうしてもビデオで永久保存版にしたいものがあった。
昭和50年代初めのスラッガー、田淵幸一の活躍と、不世出の大投手、江夏豊のノーヒットノーラン試合の映像である。それをこないだようやく録画出来たのでじっくり観た。

田淵というと、最近の阪神ファンからするとあの星野阪神での18年ぶりのセ・リーグ制覇時の打撃コーチ、浜中に「うねり打法」を伝授した師匠、という印象だろうか。また、少し前だと、主に西武ライオンズ時代を茶化したいしいひさいち氏による漫画「がんばれタブチ君」のイメージかな。いずれにせよ、選手としての凄さが今ではあまり伝えられてないのがもどかしいところ。

b0022069_1526524.gif私にとっては、50年に王(巨人)からホームラン王を奪った天性の長距離砲、「史上最も美しいホームランを打った男」である。51年に本格的な阪神ファンとなった私にとっては、彼の放つ打球の美しい放物線は永遠の憧れであり、夢であった。この番組では、これでもかというぐらいその、美しい放物線が描かれる。今観ると、ホント力が入ってる感じがしないのに、綺麗にボールが飛んで行く。この人しか真似の出来ない打ち方、まさに天才肌だったというのがよくわかる(そういう意味では浜中よりも今岡に似てる。フォームの美しい今岡、と言えばわかっていただけるか?あるいは力の入って無い、身体をデカくした中村紀洋か)。とにかく、ゆったり構えてスーッとバットが出る。ボールが衝突するのではなく、まるでバットに吸い込まれるような美しさ。そしてさほど激しい衝突も感じられないまま、打球は高々と夜空に舞い上がり、長い長い滞空時間の後、静かにスタンドに弾む...この時間を楽しむ事こそが田淵のホームランの醍醐味だった事を思い出した。彼の打席はまさに超人による、贅沢な異空間だったのだなぁ。当時みんなが真似したのも無理もない(笑)。同時に、当時のなつかしい選手も出て来る。藤田平のこれまた美しいバッティング、若虎掛布のがむしゃらさ、ラインバック、ブリーデンの外人選手...最近落涙してばかりである。

番組後半では、江夏豊の昭和48年の夏、甲子園での対中日戦、b0022069_15273370.gif延長11回をノーヒットノーランで投げ抜き、最後に自分のホームランでサヨナラ勝ちしたという、とんでもない試合。

私が阪神ファンしていて何が悔しいかというと、ひとつは掛布の引退試合を観れなかった事、もうひとつは江夏在籍時にまだ野球をさほど知らなかった事である。彼の強烈な印象はなんと言っても昭和54年の日本シリーズでのあの広島時代の「江夏の21球」であり、それによって阪神時代の「江夏伝説」の凄さを逆に思い知ったのだ。だから、阪神のユニフォームを着て快速球を投げ込む江夏が動いているのを観るのは、まさに個人的には歴史的価値がある訳で。伝説が目の前でプレーしているのだから。

何故かどちらもビジター用になってしまったが(笑)、ここにある画像は往年の彼等の勇姿。あっちこっちから引っ張って参りました。参考図書として、これらもぜひ。

b0022069_15283347.gif「左腕の誇り 江夏豊自伝」(江夏豊・著/波多野勝・構成)
「元・阪神 そしてミスタータイガースは去った」(中田潤他・著)
「新猛虎伝説」(田淵幸一・著)b0022069_15291364.gif

ふたりのスーパースターが、どうスーパースターだったか、読めばわかります。
ふたつめは特に、バッテリーをよく組んだダンプ・辻こと辻恭彦氏の発言が興味深かった。歳もだいぶ上なのに「江夏投手は・・・・でした」と、先輩面を一切せず、冷静な語り口ながらひたすら天才と一緒に仕事出来たことを誇りに思っているのがよくわかるスタンスなのが面白い。b0022069_15295444.gif三つめの本は阪神コーチとしての田淵氏なので、直接現役時代の事ばかり語る訳ではないが、理不尽な放出、四半世紀を経て復帰、優勝へと至ったその中で、彼の消える事のなかった阪神への思いがここで実を結んだ...その複雑な思いの軌跡が滲んでいていやが上にも熱くなる。今後の浜中の復活、成長を、外から見つめ続ける彼の視線も今なお興味深いだけに、阪神ファンは必読でしょう。

考えてみれば、阪神本、というのもたくさん出ている。いつかそれらも特集してみたいもの。


今回挙げた曲は、言うまでもなく、六甲颪(おろし)として知られる、正式名称「阪神タイガースの歌」。1936年(昭和11年)に作られ、今尚世代を超えて歌われ、愛される歌。こんな歌、なかなかありませんよね。

この歌についてはこちらも参考にどうぞ。
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by penelox | 2005-11-18 05:15 | 野球のことしか語らない場所