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The Millionaire's Holiday / Combustible Edison

from album "I, Swinger"(1994)

進まないで唸ってる曲、歌詞がもうひとつしっくり来ないのですぐ他の音楽に逃げてしまう。いかんなぁ...。

そんな風に逃げるのに最適な音楽、コンバスティブル・エディソン。

...いや〜これ、気持ち良いですわ。

b0022069_234483.gifラウンジ系と言ったらそうなのかも知れないけれど、古き良きアメリカン・ミュージック、カクテル・ミュージック、映画音楽、ニセジャズ、こういう要素が混じり合うノスタルジックな音楽...こんな言葉の方がふさわしいかな。「ニセジャズ」、というのは、80's半ばぐらいのイギリスNew Waveの中にあったジャズ的要素のあるポップですね。確か当時音楽ライターだった(のちクルーエルを始めた)某氏がよく使ってた言い回し。当時は(そのあまりの軽佻浮薄さゆえ)嫌いな言葉でしたが、今となってはこれでも良いかも知れない。

途中で訳のわからないインストが出て来たりするのもなんかNew Wave的というか、たとえばSound Barrierが90's半ばに突然甦ったかのような感じもあるから。Mike Alway氏が今やろうとしている世界と通ずる部分もあるし、以前紹介したThe Music Loversに通ずる要素もありますね。

考えたらサブポップも渋いことやってたんだなぁ。グランジの仕掛人かと思ったら次はこういう良質ポップ路線だったんですからね。

こういう音楽に関して、あんまり記号的なことは言いたくないんですよね、それやると日本だとすぐ消費主義に堕落してしまいますし。それにこういう音楽聴く前に身構えてしまうのはあんまり健全とは思えない...まるでそれじゃ、リラックスとか言ってる割にちっともリラックスさせてくれない「スタイリッシュ」なクラブ・ミュージックではないか!

だから、元ネタがどうとか、お洒落とか、ナニ系とか、そういうのは極力やめときたいんです。純粋に気楽に、ボ〜ッと聴ける音楽です。別にドレスアップしてクラブに行かなくても十分楽しめますよ。


...やってる曲、今週中にとにかく形にしよう。
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by penelox | 2005-08-30 23:18 | 90年代

Nest / Santa Dog

from "The Chemical EP"


どこでウチのサイトを見つけるのかわかりませんが、世界中から色んな現在進行形のバンドがCDを送って下さる。で、良い音楽が本当に多い(お世辞抜きで)。

まあ私自身色んな音楽が好きだから、というのもあるけれど、良い音楽がなかなか届きにくい状況、というのを身を持って痛感(まさに身を持って!)しているだけに、特に80's的ニュアンスの21世紀型良質ポップ、となると放ってはおけません。熱烈に応援したい、こういう音楽たちも。


b0022069_0542896.gif今回紹介するSanta Dog(サンタ・ドッグ)は、英国ブリストルのバンド。女性Voロウィーナ・ダグデイルを擁する4人組。彼等の音楽の比較に出されるのはスローイング・ミュージズ、サンデイズ...と書くとわかるでしょうか。80年代後半の、やや落ち着いた、しかしじわじわ染みて来るギターポップです。b0022069_23471339.gif彼等の"The Chemical EP"で聴ける音楽は、はじけた感じよりも、あくまで穏やかな英国の風景。あの曇り空、雲間から俄に顔を出す陽の光...そんなイメージのギターサウンドに、優しくささやくボーカル。こちらが彼等のオフィシャル・サイト

こちらのmusicのコーナーで曲が聴けます。

今流行りのNew Wave、のニュアンスとはまた違いますが、こういう音楽も共存していた、その幅広さが80's New Waveだったとも言えますし。何より、こんなバンドが今ちゃんと地道に活動出来ている(大変だろうなとは思うけれど)英国の音楽文化の豊かさをうらやましく思います。

前回書いたmixi(ミクシィ)でも日記を始めました。たぶん同時にふたつも書くのは無理なのでいずれ共倒れすると思います(苦笑)が、それまでは頑張りますので、(登録が必要ですけれど)よろしければのぞいてやって下さい。
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by penelox | 2005-08-29 23:52 | 2000年代

Inspiration / Easterhouse

from album "Contenders"

8/25

最近出た「政治と情念 権力・カネ・女」(立花隆・著)をここのところずっと読んでいる。なんだかわかりにくいタイトルだが、もともとは2002年に出した『「田中真紀子」研究』なる本を改題したもので、ぶっちゃけて言えば田中角栄、真紀子親娘の違いを分析している本です。で、実際のところは日本を覆い続けた金権政治(マネークラシー)の完成者としての田中角栄を解剖するところに力点が置かれている。

ひらたく言うと自民党政権による政治というのは常に特定団体/業界への利益分配を主眼とした金権政治であって、現在のような形態は別に角栄から始まったのではなく、明治に議会制民主主義が導入されて以降ずっとはびこり続け(人間が存在して以来、政治という利益調整の場が存在して以来、小さな買収や賄賂はいつもつきものだけれど)、それを極端な形で突出させ完成させたのが、学閥も門閥もない中でのし上がるしかなかった貧しい出の角栄であった、という主旨。それゆえ、そのバラまき方には非常に卓越した人心掌握術があり、だからこそ巨悪でありながら昔の日本人を思わせる角栄がいまだにノスタルジーをもって愛されているという皮肉...その他にも色々興味深いことが書かれています。

まあ読んでいてその実態のあまりのすさまじさ(札束飛び交う自民党総裁選挙とか、自民党、社会党の裏での談合体制とか)に苦笑するしかないが、こんなもんだったんだろうな、という気もする。その後の日本の政治家は多かれ少なかれミニ角栄だったという指摘もうなづける。公設秘書に規制が出来ると今度は私設秘書を使って口利きを...あの手この手を使っていまだに金権腐敗は根絶されない。バブル以降の日本の諸問題は実は角栄問題であったというのもうなづけるし、その問題の根深さゆえ、角栄そのものを避けては通れない、という訳だ。

そして、その娘たる真紀子がそういった父の人心掌握術、政治的したたかさを全く受け継いでいないこと(これは良い面悪い面の両方があるけれど)、そして今のままでは真の改革者にはなれない、ということもあわせてはっきり示されている。

ここで立花氏は今の小泉政権が、そういう金権腐敗の旧来の自民党政治を終わらせる改革者になり得るのではないか、という評価をしているようにも見える(もともとは真紀子が外務大臣を更迭された3年ぐらい前の本、という事もあってか)。しかし、地方バラまき型の政治家と(一見)一線を画しているかのように見える都市型政治家的イメージで売る小泉総理。しかし実態としては、彼も所詮は族議員(旧大蔵族)で、郵政での利権が銀行などの金融業界に移されるだけ、という指摘もあるから、このへんはどうなんだろうと思ってしまう。それに旧来の金権政治家を「刺客」を送って落選させたとして、その後のビジョンが見えないんですよね。ただただTV向きの客寄せパンダばっかり掻き集めただけにも見えるし(ホリエモン...)。そもそも他の争点がまるでないかのような戦術は非常に危険ですよね。結局イメージだけ、ムードだけのバーチャルな改革ごっこで終わる可能性もないとは言えない。


8/26

昨日の政治関係の話の続き。
彼のTV向き、ワイドショー的「ひと言で言い切る政治」「わかりやすい政治」は危ないものをたくさん孕んでる、と思う。「わかりにくい」といっても、ごまかしがあるがゆえにわかりにくいのか、国民の勉強不足ゆえにわかりにくいのか...そのへんも考えないといけない。だいたい何でもそうだけど、一見わかりやすいものってのはうさん臭いものが多い、という気がするから。

政治の事は確かに難しい。しかし、小泉さん、景気をどうにかしてくれ...なんて言うだけでは民主主義社会に住む人間のやり方としては十分じゃないんでしょうね。たとえばどんな社会になって欲しいのか、国民ひとりひとりにビジョンがなかったらどうにもなりませんよね。自分が儲けること、楽すること、遊ぶことばっかり考えてる人間だらけじゃ、国が良くなる訳がないし....。

やっぱり私は、小泉流の中で(数少ない)はっきり見えている路線、すなわち対米軍事協力路線が良いとも思わないし、アメリカ流の福祉軽視路線も良いと思わない。それだけははっきりと思います。

で、数少ない良質発言を常に発信されている(と個人的に思う)山口二郎・北大教授のサイトにこんな発言があります。こちらはまだ解散前の日本海新聞でのインタビュー。興味深いのでぜひ御覧下さい。


民主党は自衛隊のサマワ早期撤退を打ち出しているけれど、これも選挙結果次第でどうなるのかわかったもんじゃないですよね。ヘタすると自民党よりも外交的に問題アリ、な人が多々いるから....。しかし政権交代がないのもシャクだし。このへんがいつも板挟みと言おうか、悩むところです。地方への利益配分型自民党(郵政民営化に反対した人達)か、一見都市型改革型自民党(郵政民営化賛成派)か、はたまた反小泉の民主党(郵政民営化反対・ただし外交的に強硬派も多い)か...他にも党はあるけれど、おおむねこの3つがどう票を奪い合うかに焦点は絞られるんでしょうね。で、どれも私がこうあって欲しいと思うようなビジョンはあんまり持って無い気が...。
でもとりあえずは政権が変わって欲しい...。


とまあ、あんまりまとまらないが政治のことを色々考えたりします。なんでインディーバンド風情でこういうことをたびたび書くかというと、やっぱり英国Punk/New Waveの強風をそれなりにかぶった..その事へのお返しのつもりもある。80's当時のこのあたりの人達は、当時の日本とくらべたら遥かに政治的に意識が高かったし覚醒していたから。色んな事を教えてもらったという思いがあるのですよ。で、日本を振り返って、アート全般がいまだにこういう社会のことに殆ど絡まない事に、物凄く情けない思いで一杯になるから。表現の仕方は色々あると思うのだけども...。だって、自分と無関係な事じゃないのだし。海外のアーティストと接すると、もちろんみんながみんな、とは言わないけれど、日本のそういうアートに関わる人達はたとえば政治という一点で考えるとかなり気になってしまう。それはアタマが悪い、とかではなくて、どういう方面に配慮してるのか知らないけれど、なんか問題から必死に、何が何でも目をそらしてるというか、一生懸命無思考になろうとしているというか...そんな風に見えるんですよね。それがたまらなく悲しい。

自分の住んでる場所がもうちょっと良くなって欲しいと素直に思い、発言する事は、何もかっこ悪い事でも異常な事でもないと思うんだけれど。

前にも書いたけれど、民主主義社会は、個々が意見を発信しないと成り立たないのだ。とりあえず意見を持つのが当たり前で、出し続けなければ表現の自由は守られないのだ。そういうことが日本にいると、まるっきり痴呆症のように、すっぽり抜け落ちて行く感じがあります。

でもその抜け落ちた部分を、自分でホントは見たくない部分を、しっかり自分で直視しないとアートに、表現に強度が生まれないのだと、そう思う。これはいつも自分に言い聞かせてることです。誰かを責めてるんじゃないので、念のため。


8/27
友人の皆さんからの誘いを受け、mixi(ミクシィ)というサイトに登録。まだあまりシステムがよくわからないけれど。向こうでも日記が書ける。しかし、そうなるとこっちはどうなるのだろう。もし両方で日記を書いたら書くことがなくなる気がする...。

でも音楽以外のことを書くのも良いかも知れない。たとえば、阪神鳥谷と安田団長が妙に似ていることについての考察とか(笑)。



今回みたいな日記にふさわしい曲というのは何なんだろうか...。
今パッと思い付くのはイングランド北部、スコットランド、北アイルランドのバンド。
政治的ステイトメントが明瞭に曲やスリーヴ、あるいはタイトルに示されたギターを中心としたポップロック。こういうのが意外と86,7年頃は多かった。昨日上げたレッドスキンズもそうでしたが。おそらく、Punk/New Waveの自然な流れだったのだと思う、そういう括りで特集されることはまずないのだけれど。
なので、思いついたバンドをちょっと紹介。

b0022069_23385561.gifEasterhouse "Contenders"(1986)
イースターハウスはイングランド北部マンチェスター出身、ペリー兄弟を擁するギターバンドでした。1stアルバムからの上の曲が本当に好きだった。今となってはあまり知られていないけれど、スミスなんかと時代的には共振しているムードがあった。





b0022069_23391987.gifThat Petrol Emotion "Manic Pop Thrill"(1986)
北アイルランド・デリー出身、元アンダートーンズのオニール兄弟を中心としたザット・ペトロール・イモーション。この1stアルバムはかなり愛聴しました。非常に政治的な曲が多くて、勉強したくなったものでした(それが英国に留学した遠因でもあった。しかし実際行くと、こんな北アイルランド紛争問題以前に基本的な勉強で精一杯でしたが)。



b0022069_23394688.gifThe Silencers "A Letter From St.Paul"(1987)
スコットランド出身、現在も活動中(フランスを拠点にしてるのかな?)らしい、元フィンガープリンツのジミー・オニールを中心とするサイレンサーズ
デビューアルバムからのシングル"Painted Moon"、これも政治的な歌で(...何だったかパッと浮かばないけど。調べてまたここに書きますね)好きな曲だった。
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by penelox | 2005-08-28 00:07 | New Wave

Weapons Of Angel Delight / Carbon/Silicon

from "The Grand Delusion"

親しくさせていただいているかねぼんさんから、元クラッシュのミック・ジョーンズの最新情報をいただきましたので、こちらにご紹介。

Mick Jones(Ex-The Clash)とTony James(Ex-Generation X、Ex-Sigue Sigue Sputnik)が2004年5月、新バンドCarbon/Siliconを結成、活動中です。まだ1stアルバムのリリースには至っていませんが、いくつかの曲が彼等のオフィシャルサイト、また日本ではかねぼんさんのCarboon/Siliconのページで聴けます。日本語による最新情報もこちらでぜひチェックしてみて下さい。

個人的には彼等のサイトのdiscographyにあるフリーCD"The Grand Delusion"からの曲"Weapons Of Angel Delight"が凄く良かった。
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アーシーなロックン・ロール(言うまでもないけれどブラック・リズム&ブルーズが下敷きとしてある、ローリング・ストーンズにも通ずるもの)にあのクラッシュ時代から変わらない独特の柔らかい声とポップなVoスタイル、メロディーライン、これでああ、ミック・ジョーンズだなとすぐわかる。そこにジグ・ジグ・スパトニックにあった近未来SF風(当時は早過ぎたのか?)ガジェット・ロッンクンロール的アレンジ。これはトニー・ジェイムスの味なのかな?考えてみればふたりの要素がそのまま出てると言えばそうなのかも、なんですが、それが今のNew Waveリバイバルな時代に実に自然に馴染んでいるのが良い感じです。

まあそれより何より、社会性あふれる歌詞...こればっかりは昨今の若手バンドにはなかなか出せない部分。かつてジョーンズ氏はみずからクラッシュの音楽を"reportive"(報告的)と語っていた(高校の頃、ミュージックライフに載ったんですよね、確か。あの来日インタビューは今となっては凄くベーシックな内容だったけれどとても印象に残ってます)。世界情勢に向ける鋭い視線が20数年前と全く変わってないところが新鮮な驚き。非常に励まされる思いです。
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by penelox | 2005-08-27 12:39 | 2000年代

Hold On / Rinaldi Sings

タンジェリン・レコード/リナルディー・シングスからの最新ニュースが入りましたのでここにアップ。

b0022069_19515972.gifRed Star Recordsingsから今月、80'sに活躍した英国のバンドThe Redskins(ザ・レッドスキンズ)へのトリビュート・コンピレーションCD"Reds Strike The Blues: A Tribute To The Redskins"が発売されました。






レッドスキンズは、86年にアルバム"Neither Washington Nor Moscow"(右下)をリリース。ソウル、ファンク、パンクなどを下敷きにした80's英国的な演奏とアジテーション的色彩の濃いボーカリゼイション、政治的に左翼的立場を鮮明にした歌詞、クラッシュ、スタイル・カウンシル、ビリー・ブラッグといった人達を連想させるバンド。
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Rinaldi Singsは彼等の曲"Hold On"をカヴァー。Red Star Recordingsのサイト、あるいはRinaldi Singsのウェブサイトで購入出来ます。
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by penelox | 2005-08-26 20:01 | Tangerine Records

Riot Radio / The Dead 60s

先日のHal、Magic Numbersのようなメロディアス・ポップロックから一転、ファンキーNew Waveもリヴァイバル中なので気になっている。と言うか、別物、という意識もホントはないのだけど。

リヴァプールの若手The Dead 60sの"Riot Radio"、これも良いですねー。b0022069_23543031.gif
しかし、自分が良いなぁーと思うのには、たぶんノスタルジーも入ってるから、というのもわかっている...だって出してる音が、ホントに70's末から80's初めの、ファンキーなNew Waveと言うか、連想するバンドがクラッシュ、ギャング・オブ・フォー、ポップグループ、スペシャルズとかの2トーンのバンドそのままなんですよ。どうしたって高校の頃の兄貴のテープコレクションをいじくり倒していた(兄ちゃん、すまん)、その頃の気分がフラッシュバックして来るのだ。当時と違うのは、そのミックス具合の、若さに似合わぬ器用さだけだったりして...。

で、タイトルが"Riot Radio"ですよ。はぁ〜、とため息をつくしかない。

"White Riot"(Clash)+ "Radio Radio"(Costello)、あるいは"On Your Radio"(Joe Jackson)、あるいは"Radios In Motion"(XTC)。あるいは"White Riot"のかわりに"Riot Act"(Costello)でも良い。なんかその頃のバンドの使ってる言葉、タイトルを
シャッフルして組み合わせ直したようにさえ思えてしまう。iTunesで曲タイトルまでシャッフルしたのだろうか。

でもCookie Sceneの最新号でインタビューを読むと、そうではなさそうだ。たまたまみたいなのだ。

おまけにこのジャケはギャング・オブ・フォーの"Solid Gold"そのままじゃないですか。しかしこれもなんかたまたまそうなった風にも見えるし。わざとなのか、レコード会社の意向もあったのか...わからないけれど。まあ注目を集めるのは事実ですけど。

(左)The Dead 60s "Riot Radio"、(右)Gang Of Four "Solid Gold"

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だから、じゃあうさん臭いのか...というとその逆で、結果的にあざとい感じがしないのだ。だから不思議なのですよ。何故なんでしょうかね...わからん...最近こういう若手バンドがどうしてこんなに屈託なく80's初期のホワイト・ダブ/ファンク/レゲエ/ディスコなどを取り入れたNWサウンドをやってるのでしょうか?

もちろんこういう状況は面白いし、音楽そのものも楽しんでいるけれど、何かが明かされるだろう、という意味で、やっぱり数枚先の方が気になりますね、根っこに何があるのか、楽しみでもあります。

当時のNew Waveは、さらに新しい世界を切り開いたり、あるいは行き詰まったり、そういう事がそれぞれあって拡散して行った訳ですが、今は当時よりは何でもフラットに見渡せ、取捨選択して何でも手に入れられる時代。だから当時ほど近視眼的にはならない気もするし、突然ありゃ?ってな感じて訳のわからない方向(たとえば逆に凄い整理された良質ポップになったり)に行ったりして、それが妙にこなれている、ってな事になるかも知れないし、それはそれで興味深い。
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by penelox | 2005-08-24 23:57 | 2000年代

Play the Hits / Hal

8/18

朝の仕事から帰って来ると、姪っ子が久々に来てて「最初のウルトラマン」を見せろとせがむ。仕事がまた夕方からあるので1本しか見せられないよ、と言って、考える。何が一番良いかなと。で、ピグモンが出て来る「怪獣無法地帯」を。本当は終わりの方の「小さな英雄」の方が子供には感動的だとも思ったが、まあピグモンをはじめて観るみたいだったから。

ウルトラマンというのは、前にも書いたけれど、私ぐらいの年代(昭和30年代前半から40年代前半生まれ)の男の子は必ず通るものだった。40年代半ば以降生まれの方だと微妙かも知れませんね。全て再放送だったでしょうし、アニメの方が特撮よりリアルタイムのものとして、より引き付ける力があったでしょうしね。それにたぶん、自分(昭和40年生まれ)より少し下だといわゆる「ガンダム世代」になるんじゃないのかな?
ちなみに私は一番最初のガンダムが始まった時は既に中2でしたので、全く分からないんですよね。今でも、私よりちょっと下ぐらいの人がそのあたりのガンダム話をしていても全くついて行けない。

でもその代わり、昭和40年代の半ばまでの特撮だったら一応ついて行ける。というか、身を乗り出してしゃべりますね。でも、全部観てたかというと、そういう訳でもないんですけどね、飢えてたぶん熱いんですよ、きっと。たぶん兄貴の周辺、近所の年上の人達からのインプットもいっぱいあったから。

ウルトラマンは、今でも新作が放送されている、今や日本の伝統文化と言っても良いものだと思うけれど、個人的にどれが一番素晴らしいと思うかと言ったら、「ウルトラマンタロウ」以降はほとんど観てないので、どうしても「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」、この3つにどうしても思い入れが集中する。その次の「ウルトラマンA」もすごく好きだが、途中路線変更があった時の無念さが子供心に残ってるんですよね。ですので、「意欲作」、しかしその3つには完成度で負けるという印象。

このうち「ウルトラマン」(昭和41年)は、確かに怪獣番組、と言えばそうなんだけど、今観ても実に興味深いんです。何が良いかって、やはりそれはバランスの良さかな。色んな作家、監督が作るがゆえの作風の違い、メッセージ。一話完結ゆえのシンプルでわかりやすい作り。SF、怪奇、ファンタジー、ユーモア、社会派...そういうののバランスの良さもあります。

それに対して「ウルトラセブン」(昭和42年)はもっとシリアスになっていて(実は「ウルトラマン」とは全く続き物ではない、別の番組なんです。兄弟とかってのも後付けです)、そのぶんもっと深い話もありますし、逆に子供には退屈なのもあるかも。そういう意味でのバランスは「ウルトラマン」には負けますけど、でも「ダーク・ゾーン」「狙われた街」「超兵器R1号」「ノンマルトの使者」「第四惑星の悪夢」それに最終回なんかは名作といって良いと思う。

また、「帰ってきたウルトラマン」(昭和46年)は、SF色はやや後退しますが、メッセージ性は一番あると思いますね。「二大怪獣東京を襲撃」「決戦!怪獣対マット」呪いの骨神オクスター」「悪魔と天使の間に・・・」「怪獣使いと少年」は特にオススメですね。「ウルトラマン夕陽に死す」のシヨッキングさは子供の頃は長い事ちょっとした話題でした。

「ウルトラマン」に話を戻すと、子供の時は、低学年までなら「バラージの青い石」「怪獣無法地帯」「恐怖の宇宙線」「怪獣殿下」「空の贈り物」「怪獣墓場」「小さな英雄」あたりが良いんじゃないかと思う。で、もう少し大きくなったら「故郷は地球」の意味もわかって来ると思います。

ちなみに私は今でも「侵略者を撃て」「人間標本5・6」「来たのは誰だ」の3本がオールタイム・フェイヴァリットです。全部侵略者話。SF的なのが好きなんですよね。だから、その後「謎の円盤UFO」とか海外の侵略ものが好きになったのかも知れないです。

あと、なんと言っても最終回!「さらばウルトラマン」は、男の子なら必ず最後に観て欲しいですね...とまあ、このへんは書いてるとキリがないので、また改めて。

姪っ子に話を戻すと、スフランという植物に襲われるシーンで逃げ出しましたが、結局戻って来て、こわいこわい、ピグモン可哀想と言いながらも最後まで観てました。偉い!

8/20

Halの"Play the HIts"、こりゃ良い曲ですね。
アイルランド出身なんだそうですが、The Thrillsの"Big Sur"と並んで久々の個人的キラー・チューンとなりました。b0022069_2095911.gif私にとってのキラー・チューンというのは、ついつい曲構造やアレンジを分析したくなるような曲である。魔法の正体をつきとめたい...つまり魔法が振りかけられた曲、ということ。あくまで個人レベルですが。

こういうのが最近なかなかなかった。
聴いた瞬間から、(プロモを)観た瞬間から良い、という奴だ。
また、これとは別に、何回か聴いてるうちによくなって行く、というのもありますけどね。

The Magic Numbersの"Morning Eleven"、これもなかなか。もう少しひねりがあっても良いとは思うけれど(ひねり、というのはひねくれて欲しい、b0022069_20104569.gifとか、変テコというか、訳わからない感じにして欲しい、という意味ではないですよ。もうワンランク、曲の凝集力を上げて欲しい、というか。でも1stだから良いでしょうね)。

にしても、ちょっと優しい曲をやってると「ソフトロック」なんて括りにするのはどうにかならないもんだろうか。イージー過ぎません?


8/21

気がつくともう8月も一週間ほど。あれほどうるさかったクマゼミもずいぶん減った。
この宇宙が始まって以来、時間というのは立ち止まったことはないのだ(たぶん)。

色んな方が会いたいです、会いましょう、会えませんかね、と言って下さる(一部には出会い系の迷惑メールも...)。これだけネットで便利になると簡単にちょっとした知り合いになれる。だけど....

そのせいでそれぞれの人とのコミニケーションが通り一遍のものというか、非常に薄いものになっているのが嫌だ。それだったら知り合わなかった方が良かった、と思うことも...いや、そうじゃない。もちろん知り合いになれる、お会いできるのはホントに嬉しいのだ。だけど...何か会えるタイミングや話したいこと...色んなところで出会いのチャンスが自分の能力の範囲を越えてしまっている。

あんまり便利なのも考えもの。手紙の方がやっぱり良い気がします。
と、言う訳で、メールを下さった皆様、もう少しお待ち下さい。

8/22

結局一ヶ月近くずっと左あごが痛いのでもう一度歯科へ。最初は全体が痛かったのだが落ち着いて来ると上じゃなく下が痛いのがわかって来た。下には親知らずがある。で、これが奥歯に向かって伸びているという無茶なもの。今通ってる歯医者では無理ということで、紹介状を書いてもらって某大学病院へ。この大学、実は教えてる子が目指してる学校。

なんか横にいて手伝う学生さんが頼り無くて不安で仕方ない。ミスばっかりして先生に怒られている。それに技工士の卵?かわからないけれど、若い学生ふうの男の子、女の子がまわりにたくさんいて、落ち着かないことこの上ない。なんか大学の教室にいるみたいだった。

親知らず、なかなか抜けずで1時間半ほどああでもないこうでもないと引っこ抜き作業。トンカチみたいのでガンガンやられてアゴが割れそう。おまけに麻酔がすぐ切れるので次から次へと打っていくため、白日夢状態。骨まで削ってなんとか抜けたが、大変だった。いや〜、ヘトヘト。

帰る途中で、鬼のように痛くなって来る。

8/23

今日も阿呆ほど痛い。痛いのに麻酔は抜け切って無い。ゆえに自分で何書いてるかもようわかりまへん。

それにしても去年にくらべると、秋めいて来るのが若干早いですね。
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by penelox | 2005-08-23 20:26 | 2000年代

CHRIS HUNT (Tangerine Records) INTERVIEW ( part 2)

タンジェリン・レコードのクリス・ハント氏へのインタビューのpart 2です。


-As a music fan

「音楽ファンとして」

Tang CD9 The Magic Attic / Direct Hitsb0022069_1761210.gif

8.あなたの音楽との最初の印象的な遭遇は何だったのでしょうか。

子供の頃は実際のところあんまり音楽にのめりこんではいなかった。70年代初めの音楽は僕を興奮させるものじゃなかったからね。パンクこそがまさに僕を音楽にのめり込ませたものだった、セックス・ピストルズ、バズコックス、ダムド、それにレックレス・エリックが凄く好きだった。彼等はみんな偉大なる「ポップ・フック」を理解してる連中だったよ。しかし、自分は服や映画、アート、音楽...これらでは60年代からの影響を受けてたから、パンクファッションは好きじゃなかった。そしてモッド・リヴァイバルがやって来て、突然、ひとつの名前で僕の関心のすべてを集約した、若者の熱狂的支持を持つバンドを発見した(注・シークレット・アフェアーの事)。

b0022069_1765934.gifTang CD10 Mod Gods! The Best Of The Moment / The Moment


9.お気に入りの5曲(またはアルバム)を挙げていただけますか?

僕のトップ5となると100ぐらい候補があるな...それに曲だといつも気分によって変わるしね。でもシークレット・アフェアーの"My World"はいつもそのリストのてっぺんにあるね。それにビートルズは自分のチャートには決して加えないんだ、だって彼等は良過ぎてね、別の惑星に存在してるようなもんなんだ。今日トップ5を挙げろ、となるとこうなるかな。

My World / Secret Affair(シークレット・アフェアー)
Mr Rainbow / Steve Flynn(スティーブ・フリン)
You're Alive / Rinaldi Sings(リナルディー・シングス)
White Horses / Jacky(ジャッキー)
Tellin' Stories / The Charlatans(ザ・シャーラタンズ)


Tang CD11 Come On Peel The Noise / Various Artistsb0022069_1774412.gif


10.あなたが音楽業界に関わるきっかけとなるような、音楽からの何か強烈な体験があったのですか?

音楽への関心を形成して行くものってのはたくさんあるんだけど、僕の場合2,3重要な出来事があったんだ。僕のシークレット・アフェアーへの情熱は僕に音楽ジャーナリストになろう、そう決心させることとなった。NMEに彼等のサード・アルバムの本当にひどいレビューが載ってね、その手のジャーナリズムに対抗する唯一の方法は自分で音楽について書く事だと、そう思った訳だ。

それと、15歳の時に初めてテレビで「ラットルズ」(英国の人気コメディー集団「モンティーパイソン」のエリック・アイドルがボンゾ・ドッグ・バンドのニール・イネスらと組んで作り上げた、ビートルズの足跡をパロディーにした架空のバンド・ラットルズのドキュメンタリーフィルム。もともとは76年のBBC制作の"Rutland Weekend"の1コーナーから始まったが人気を呼び、78年に米NBC"SaturdayNight Live"でこのドキュメンタリーが放映されるに至った)を初めて観たんだけど、それがビートルズの大ファンになるきっかけとなったんだね。で、過去4年間でビートルズに関して5つの雑誌と1つのCDで仕事をするに至った。

b0022069_1784079.gifTang CD12 Beat Crazy! The Best Of The VIP's / The VIP's


11.最近の音楽シーンをどう見ていますか?

かなり健全だね。以前と比べると今年はだいぶ新しい音楽を買ってる。カイザー・チーフスのアルバムは凄く気に入ってるし、フューチャーヘッズ、マジック・ナンバーズ、スリルズ、それにベイビーシャンブルズなんかも気に入っている。最近はケリーズ・ヒールズのレコードもよくかけてるな。


Tang CD14 Back From The Cleaners / The Cleaners From Venusb0022069_1794220.gif

12.あなたはモッドですか? あるいは「モッド・シーン」かブリティッシュ・ポップと呼ばれるようなものに所属しているという意識がありますか?もしそうなら、それらの最近の状況をどう見ていますか?

僕は長年英国モッドシーンに関わって来た。80年代にはモーメントやジェットセット、メイキン・タイム、タイムスやダイレクト・ヒッツといったバンドと深く関わり、現在はシークレット・アフェアーやリナルディー・シングス、それにコーズのクリス・ポープがやってるニューバンドであるポープとね。でも90年代はあまり関わらなかったね...いまでも自分のことをモッドだと考えてるし、ガレージには3台のランブレッタがある。だけどモッド・シーンの当時の有り様が好きじゃなかったんだな。新しいモッドは60年代からの影響を取り入れつつ新しい何か、クリエイティブな何かを作って行くものだと、僕はいつもそう思ってたよ。けど90年代はモッド・シーンてのはレトロ的になってしまい、何も新しい要素を取り入れないで60年代を焼き直すことになってしまった。ちょっと停滞してると思ったのさ。

13.90年代の「ブリット・ポップ」に関してはどう見ていました?

80年代の終わり、モッドはアンダーグラウンドに潜り、モーメントやジェットセットは解散、僕はしばらく新しい音楽への興味を失ってた。その時はもう音楽ジャーナリストだったから、好きじゃないバンドについて何か書くのにうんざりしてた。聴いてワクワクするようなものが何も見つけられず、だからサッカー雑誌に活動の場を移して、代わりにサッカーについて書いてた。

そこに突然、強烈で新鮮なそよ風のようにオアシスが登場した。彼等の登場は僕にとって、あるバンドについて本当に熱狂的な思いを持つことであり、B面目当てにレコードを買いたい、と思わせることであり、飛行機に乗って別の国まで行って彼等のライブを観たい、と思わせるようなことだった。まさに音楽への興味をもう一度かき立ててくれることだったんだ! 他にも好きなブリット・ポップバンドはいたよ、ドッジーやスーパーグラス...シャーラタンズとはとても仲良くしてるしね。しかしブラーは気に入らなかったし他の多くのバンドは好きじゃなかったね。僕にとってはブリット・ポップとはまさしくオアシスのことで、彼等こそがかつてのビートルズがやったのと同じやり方である世代を定義づけたんだ。


- Your work

「関わっている仕事」

14. あなたは音楽ライター/編集者としても働いているときいています。どういったものを普段書いているんですか?またそれは、どの雑誌ですか?

僕はフリーランスの雑誌編集者だ。UNCUT、MOJO、NME、それにQといった英国の大手音楽誌の多くのスペシャル・エディションを編集してる。MOJOでは3つビートルズ特集の編集をやったんだけどね、それが凄い反響で日本でも「Nowhere」という雑誌で日本語にさえなった(しかし奇妙なことにその日本版では僕の名前が削除されていたんだけどね)。またその3つはひとつの本にまとめられて英語とドイツ語版でも出た。Qでのオアシス特集やパンク特集で僕は編集者だったし、UNCUT誌ではカート・コバーン(ニルヴァーナ)、ブルース・スプリングスティーン、U2に関してのもやったよ。幸運なことにNMEではモッドの歴史に関してやビートルズのソロ時代についての特集も編集したんだ。他にも過去数年にわたってたくさんのCDのライナーノーツを書いてる、コーデュロイ、パープル・ハーツ、シークレット・アフェアー、コーズ、メイキン・タイム、それに一番最近じゃシャーラタンズのライブDVDのライナーを書いたね。

いまでもサッカーについても書いてるし日本のサッカー誌に書いたこともある。2002年には幸運なことにワールドカップのために6週間日本に滞在したんだ。で、サッカーファンとして日本国内を回ってビデオで旅行記を撮影したんだ。これがBBCでのTV番組"Beckham For Breakfast"の重要な部分となった。東京の中野にアパートを借りて、楽しい時を過ごし、たくさんの友達を作った。実際のところリナルディー・シングスのジャケットのデザインをした僕の友人は、東京にいた時に奥さんとなるマユミと出会ったんだよ。


15.レーベルに関しての将来のプランを教えて下さい。

スティーブ・リナルディーはもうすぐ2ndアルバムの録音を開始するよ。出したいなと思ってるものとしてはモーメントの未発表のライブアルバムがある。これは1988年のドイツでのツアーで録音されたもの。ミックスも終わってジャケットも出来上がったところだ。それと、リナルディー・シングスみたいな、時間と手間をかけられる別のバンドも探している。タンジェリン・レコードにピタッと合う音楽をゃってる人達じゃないといけないんだけどね。


Tangerine Records discography

(album/compilation)
Tang CD1 The Best Of The Jetset / The Jetset
Tang CD2 The Happiest Days Of Your LIfe / Paul Bevoir
Tang CD3 Golden Cleaners / The Cleaners From Venus
Tang CD4 Big Smashes / Squire
Tang CD5 The Best Of The Jetset Too / The Jetset
Tang CD6 Jump Back! / Dee Walker
Tang CD7 Get Ready To Go! / Squire
Tang CD8 Dumb Angel / Paul Bevoir
Tang CD9 The Magic Attic / Direct Hits
Tang CD10 Mod Gods! The Best Of The Moment / The Moment
Tang CD11 Come On Peel The Noise / Various Artists
Tang CD12 Beat Crazy! The Best Of The VIP's / The VIP's
Tang CD13 -
Tang CD14 Back From The Cleaners / The Cleaners From Venus

Tang CD016 What's It All About? / Rinaldi Sings

(single)
Tang CDS015 Avenues & Alleyways / Rinaldi Sings
Tang CDS016 Come Fly With Me / Rinaldi Sings

以上がスティーブ・リナルディー、クリス・ハント両氏へのインタビューでした。楽しんでいただけましたでしょうか。

お知らせ

Rinaldi Singsの1stアルバム"What's It All About?"を当方サイトを通じて特別に販売中です。b0022069_17104265.gif
バッジ、ポストカード付きです。詳細のお問い合わせ、注文は当方ウェブサイトからメールにてお願いいたします。数に大変限りがありますので、お早めにどうぞ。


Special thanks to Steve Rinaldi and Chris Hunt
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by penelox | 2005-08-21 17:27 | Tangerine Records

CHRIS HUNT (Tangerine Records) INTERVIEW ( part 1)



先日数回に渡ってお送りしたリナルディー・シングス(スティーブ・リナルディー)へのインタビューに続き、今回から彼が所属するタンジェリン・レコードのクリス・ハント氏へのインタビューを掲載します。

Tang CD1 The Best Of The Jetset / The Jetsetb0022069_2339346.gif

タンジェリンというと、言うまでもなくジェットセットもしくはポール・ベヴォワーのイメージが強い訳ですが、90年代におけるその歩みを振り返ってみれば、いわゆる英国ネオモッドへの理解の裾野をひろげるのに貢献した良質レーベルのひとつとも言えると思います。つまり、このレーベルがモッドのみならず60年代音楽や良質なブリティッシュポップへの愛に溢れた80年代のアーティストを深い目配りで紹介したことによって、80年代の英国ネオモッドに、たとえば(XTCらに代表される牧歌的な)英国サイケデリックリバイバルや、(90'sに再評価が進んだ)英米パワーポップ、そしていわゆる80年代の英国ギターポップetc...これら80年代の同時代の音楽とつながりがあった事、共鳴していた事がわかりやすく示されたと思うのです。個人的には、80年代はそういった動向がなかなか日本には伝わって来なかったので、このレーベルの80年代の「ミッシング・リンク」を埋めるかのような活動は非常に興味深く、私がpenelopesで2ndアルバムを出した時には(その感謝の気持ちも込めて)思わずCDを送ったものでした(ベヴォワー氏からおほめの言葉をいただいた時は嬉しかった。その後は時折やり取りをするようになりましたしね。96年秋に始めた私自身のレーベル、ボードヴィルパークがジェットセットのアルバムタイトルから来ている事の意味も、わかっていただけるかと)。

まあそのあたりのリリースのセレクトはもちろん、ベヴォワー氏の好みも大いに反映されていたとは思いますので、ここではあまり突っ込んだ質問はしませんでしたが、このレーベルの「モッド」サイドを最も握っていたと見られるハント氏、色々と興味深い話がきけました。

では、どうぞ御覧下さい。


About Tangerine Records
「タンジェリン・レコードについて」

b0022069_2343517.gifTang CD2 The Happiest Days Of Your LIfe / Paul Bevoir


1.タンジェリン・レコードは、いつ、どのようにして設立されたんですか?

タンジェリン・レコードは1992年にジョン・アシュワース、ポール・ベヴォワー、そして僕(クリス・ハント)によって設立された。ジェットセットのファンとして、ジョン・アシュワースが彼等の作品をはじめてCDで出すことに夢中でね、コンピレーションを出すことを提案して来たんだ。僕はジェットセットの右腕であり、バイオグラファーでありそして宣伝担当だったから、ポールが僕に、スリーブノートで関わり、アルバムをレビューしてもらう手助けをすることを依頼して来た。その1年かそれぐらい前にスモールタウン・パレード(ポールの新バンド)の3枚目のシングルのキャンペーンをしていて、それがすごくうまく行ってたから、ジェットセットのコンピでいくつか良いレビューをもらえるんじゃないかと期待が持てたんだね。レーベルはまあそのリリースから大きくなって行った訳だけど、本質的には最初の年はジョン・アシュワースのレーベルで、ポールと僕が濃密に関わる、という感じだった。その後準備を整え、我々3人がパートナーとなったんだ。


2.最初、何かコンセプトとか理想のようなものはありましたか?

とにかく僕らがCDになって欲しいと思うレコードを求めていた、そうすれば自分たちだけで聴けるからね。思い出して欲しいんだけど、当時はまだインディーシーンにはCDというものが大きく広まってはいなかった。そして他の誰も昔のモッドやサイケデリック、それにパワーポップの音源を再発していなかった。だから我々自身にとってのマーケットというものがしばらくはあったんだ。僕ら他のレーベルよりもそれぞれのCDに、より自分達の努力を注ぎ込むことに誇りを持ってたよ。他のレーベルがくよくよ悩んでるあいだに、僕らはたくさんの時間をデザインに費やし、たくさんの情報が詰まったスリーブノートの収まったブックレットをCDにセットしていった。

Tang CD3 Golden Cleaners / The Cleaners From Venusb0022069_2347782.gif


3.リリースされたもののほとんどが70年代終わりから80年代前半〜半ばのネオ・モッドあるいはブリティッシュ・ポップですよね。こういうセレクションは誰の手によるものだったのですか?

それは主にポールと僕によるものだった。僕らふたりとも80年代のモッドシーンには深く関わってた訳だからね。ポールは言うまでもなくジェットセット、そして僕はと言えば当時もっとも大きなファンジンのひとつであった"Shadows & Reflections"を運営していただけでなく、人気モッドバンドのひとつであるザ・モーメントのマネージャーだった。それにポール・ベヴォワーやポール・バルティテュード(アドバタイジング、後期シークレット・アフェアーの元ドラマーでのちジェットセットの作品のリリースでお馴染みのダンス・ネットワークを主宰)とはダンス・ネットワークの最初期から関わりがあった。1983年にジェットセットのクリスマス・フレキシディスクをリリースしたのはウチのファンジンなんだ、当時僕はまだカレッジにいたんだけどね。

その当時の他のバンドもみんな友達だった。だから僕らは一枚ずつCDを出そうとした。スクワイア、ダイレクトヒッツ、という具合に。言うまでもなくカタログのいくつかはポールか僕自身の管理下にあった、ジェッセット、ディー・ウォーカー、モーメントとね。しかし他の作品が連絡を取るのが大変でね、何年もかけて権利所有者にたどりつき許可をもらわなければならなかった。VIPsは集めるのがホント大変だったよ。


4.個人的に印象に残る(あるいはお気に入りの)リリース作品はありますか? もしあれば教えて下さい。

個人的に好きなアルバムといったら簡単だよ。リナルディー・シングスの"What's It All About?"だ。でも"The Best Of The Jetset"やダイレクト・ヒッツの"The Magic Attic"、ザ・モーメントの"Mod Gods"、VIPsの"Beat Crazy"も今だにとても好きだよ。実際のところ、リリースするまでそんなにすごいファンでもなかった唯一のものってのはクリーナーズ・フロム・ヴィーナスのCDだけだったんだ、けれどそれは彼等のことをきいたことがなかったからでね。彼等はポールの友人だった。

Tang CD4 Big Smashes / Squireb0022069_01334.gif


5.ポール・ベヴォワーはレーベルにスタッフとして参加していましたよね。日本ではタンジェリンを彼の個人レーベルとみている人達もいました(たとえばトット・テイラーのコンパクト・オーガニゼイションみたいな)。実際のところ、彼の役割はどういったものだったのでしょうか。

ポールはレーベルに深く関わりアルバムスリーブの殆どをデザインし、全てのアートワークにたずさわった。僕はスリーブノートを書き、宣伝やマーケティングを担当。そしてジョン・アシュワースがディストリビューションに関わり、メイル・オーダーでの販売や広告を切り盛りしていた。たった3人の友達が楽しみでレコードレーベルを運営していた訳だけど、不幸な事にそれがビジネスへと変わり始めて、楽しくなくなって行った。僕らは小さなレーベルで、1年に2,3枚のリリースしか余裕がなくてね。もっと大きなレーベルが僕らのマーケットに入って来ると競争できなくなった。

6,7年ぐらい前にポールが、もうこれ以上関わりたくないと決心してレーベルを辞めた。彼はニューアルバムを録音していて、それを別のレーベルで出すという考えを持ってた。ジェットセットの音源をタンジェリンでなくサンクチュアリーから再発するということを計画してたんだ。ジョンと僕はさらに数年レーベルを続けたよ、バックカタログを売り、新しいものは出さない、という方針でね。で、2003年に僕がタンジェリンレコードの名前を管理する権利を手に入れたんで、リナルディー・シングスのようなバンドによる新しい音源を出す場として再びレーベルを始めることにした訳。ジョンも今でも持ってる昔の音源を売り続けてはいるんだけど、現在タンジェリン・レコードというのは僕が運営しているんだ。

b0022069_055145.gifTang CD5 The Best Of The Jetset Too / The Jetset
Tang CD6 Jump Back! / Dee Walkerb0022069_062162.gif








-About the latest release "What's It All About?" by Rinaldi Sings
「最新作"What's It All About?"について」

6.このアルバムをあなた自身の言葉で紹介してもらえますか?

ある日"Mr.Rainbow"を歌うスティーブ・フリン(実際は"マーク・ワーツが変名で歌っていて、Teenage Opera"-注・"Grocer Jack, Grocer Jack"と子どものコーラスが眩いサイケ期の名表題曲で知られる-に収録される予定だった)を聴きながら、スティーブ・リナルディーと僕は、何故いまや誰もこういう音楽を作りたくなくなったのかと思ったんだ、響き渡るバイオリンにキャッチーなフックのある、っていう音楽をね。で、ラブ・アフェアーやファウンデーションズ、キース、ジョン・フレッド・アンド・ヒズ・プレイボーイバンドのレコードをたくさん聴いて、スタジオに入り、1968年のカーナビー・ストリートの最新バージョンみたいに聴こえるレコードを作ろうぜ...となった訳だ。今年の3月についにアルバムはリリースされ、その後は非常に順調に進み、いくつかの素晴らしいレビューももらった。

b0022069_0182919.gifTang CD016 What's It All About? / Rinaldi Sings


7.あなたはこのアルバムに"Tuned Percussion"で録音に参加していますね。具体的には何をされたんですか?レコーディングで何か面白いエピソードはありましたか。また、たいていあなたは人の録音に加わったりするのですか?

"Tune percussion"とは鉄琴や木琴のことだよ。それらが僕がプレイした楽器。"On A Magic Carpet Ride"で僕のプレイが聴けるんだ!それにアルバム中の"A Matter Of LIfe And Death"でも僕がその役割を果たしてるのが聴けるよ!

僕はいままで自分の好きなレコードの多くの録音に立ち会って来てて、時にはその録音に加われるという幸運にも恵まれて来た。ジェットセットのアルバムの殆ど全ての録音、ポール・ベヴォワーの最初のソロアルバム..."Do You Wanna Be In the Show"ではコーラスの群集の中て離れたところで声を出してるしね。ザ・モーメントのアルバムでも群集コーラスと一緒に加わってるし、最近レコーディングされたシークレット・アフェアーの"Time For Action"のニュー・ヴァージョンでも加わってる。

最近のMod Aid 20のシングル(注・リナルディーのインタビューも参照下さい。モッズ40周年を記念してスモール・フェイセズの"Whatcha Gonna Do About It"をカヴァーしたシングル。オリジナル・キーボードプレイヤーのジミー・ウィンストンが参加した他、B面ではスティーブ・マリオットの娘であるモリー・マリオットも加わった模様)でも録音に立ち会ってたけど、コーラスで一緒に歌うのは断ったんだよ。だってそうすれば、P・P・アーノルドとコントロールブースでふたりっきりになれるんだから。彼女は最も興味深く、美しい女性だったよ。

(part 2に続く))

b0022069_0232825.gifTang CD7 Get Ready To Go! / Squire
Tang CD8 Dumb Angel / Paul Bevoirb0022069_0241110.gif
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by penelox | 2005-08-17 23:59 | Tangerine Records

History Revised / The Penelopes

from album "Kiss Of Life"

平和のためには勉強しないと。日々、まやかしや捏造、粗暴な論理で真実が覆い隠されるのに気付くには勉強、これしかない。

日本の敗戦(終戦じゃない。負けたのである。で、勝った方も正義ではない。これ常識)から60年のこの日。「憲法9条」に関してのブックレット「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言」(岩波書店)を興味深く読んでいる。現実に戦争を体験した世代であるがゆえにやや感情に流れ過ぎた印象で響くかも知れない意見の方もいないとは言えないけれど、もっとこのあたりの事がしっかり自分の中でも認識されてないと曲が書けない...というのは、今度コンピに入れる曲はこのへんに少し踏み込みたいからだ。憲法9条、99条、そして意見を音楽で表現できるのは21条があるからで...それで歌詞で数カ月、ずっとうなっているのだ(そういう意味で、スティーブ・リナルディー氏のインタビューでの歌詞のくだりはよくわかる)。

最近はむやみやたらと勇ましい国家論や、対中国強硬派的な文面があちこちにやたらと踊るようになっていて、本屋なんか行くとそういう書籍がデカデカと宣伝されてるし、教科書もあの扶桑社のものを平気で採用するような流れになっているのが恐い。今日はTVで靖国問題ばかり言ってる。しかし改憲に及び腰なのは腰抜け、思考停止、とか、朝日の洗脳、みたいな言い回しを見るに至っては?、という感じ。話をあまりに端折った、乱暴な展開が、ホント嫌な時代になったという意を強くします。

確かにロマンチックに非武装中立を語るのも問題はあるけれど。しかし自分よりひと回りもふた回りも若い連中が、自分より遥かに日本の真の姿を勉強してるフシも全くない茶髪の兄ちゃんが、妙にウヨクチックなことを語るのを見るに至っては、オイオイちょっと待てよ、と言いたくもなる。

だいたい「国の誇り」なんて勇ましい論調の裏で、その全く逆のことが進んでると思いません?アメリカの現体制側による遠隔操作というか。一見国を守るための再軍備、みたいなことを言っているが、要はアメリカの都合であって、多くの政治家や評論家の物言いも、基本的にそれに準じたものですよ。その流れに乗っかって、たとえ日本という国の存在が事実上なくなっても(もうなくなってる?)その時は自分は甘い汁を吸えるところにいよう...そういう利権に基づく戦略にしか見えないのだけど。

アメリカからしたら、日本と中国、朝鮮半島に仲良くされ、(将来的に)組まれたら困るのだ。だから日本を引き離しておきたい。EUみたいにアジアが連帯されたら、常によその国に介入して利益追求するアメリカの外交戦略が狂う訳ですよ。だからケンカさせておきたい。で、そのためなら何でもする。そう見えるんですけどね。

だから、対中国に関して強硬な発言をする人々って、じゃあアメリカがおかしい時にちゃんと言えるのかというと相当怪しい。アメリカ追従の日本外交になんだかんだ言って同意してるじゃないですか。日本は外交的には何だってアメリカなしには動けないという事は十分わかっていて、結局アメリカの属国で、今に飲み込まれるのも(既に飲み込まれてる?)わかってて、それでいて「日本の誇りを...」なんぞと叫んでいる...そんな滑稽さを感じてしまう。

もし本当に日本の誇りとか言うんであれば、アジア各国とうまくやる方が賢明だ(誇りというのを一国で勝手にナルシスティックに持つのはメチャダサい。相手との相対的な関係の中でお互いにリスペクトすれば自然と生まれるものだろう)し、戦争のない、平和な世界にしようと思うんであれば、まずは必要以上に(今のような)アメリカみたいな戦争したい国にくっついて行かないことでしょ? それは9.11以降の事を考えると特にそう思うんですが。それともナンですか、今のアメリカにくっついて行った方が日本は戦争やテロに巻き込まれない、平和な国になるんでしょうか? そんなことあり得ない! ! アメリカは今世界中で嫌われ始めてるんだもの(もちろん個々のアメリカ人やアメリカ文化を指すところまでは行ってないですよ、今のところは)。

もちろん中国や北朝鮮の要求を必要以上に受け入れる必要はないけれど、もし日本の外交方針がアメリカ追従から少し距離を置けば、彼等も日本からの違うサインに気付いてこれまでの外交戦略を少しは改めるはずだと思うんですけどね。だから結局、9条改正(改悪)は、「押し付け憲法」から日本の誇りを取り戻す行為というよりも、要はアメリカの都合で日本を戦争に巻き込みやすくするための目的であって、アメリカの意向じゃないのかな(それをTVを観ても全然どこでもわかりやすく言わない!)それを声高に唱える政治家は「愛国者」というよりも、アメリカの体制側の操り人形、回し者と考えた方が良いと思う...つまり国を売り渡そうとしている...私はそう思うんですけどね。

リナルディー氏のインタビューもそうでしたがイギリスのモッドの人なんかを見ていると、EUの流れと多文化的な現代の英国文化を含みつつ愛国的要素をまた持つ、というその60'sからはまた少し進んだ現在の構図が、あまりに日本と違い過ぎて、何とも言えない気持ちになる。

もしあなたが、なんで日本はアメリカに文句が言えないんだ、っていう思いがあって、で、もっと日本に誇りを、と考えて、そのために日本は軍隊を持つべきで、だから「アメリカからの押し付け憲法」たる憲法の9条を改正すべきだ、って思うのなら、ちょっと待ってと言いたいですね。それこそが、アメリカの思うツボなんですから。中国と感情的なやり取りをしているのもアメリカの思うツボで、本来はもっと仲良くする方法を模索すべきなんですよ。そう思いませんか。

私は、母が戦時中の中国育ちで、戦争が終わってからも(日本人は皆殺しにあってもおかしくない状況で)殺されないで無事に日本に帰れたからこそここに存在している。日本が中国でやった事を考えたら、ありがとうという気持ちがどこかにあります。だから今の、単純でひとりよがりで、裏に何かを隠したまま進む日本の「誇り」は、全くうさんくさく響くんです。


上の曲は95年に書き97年にリリースした曲。b0022069_0262954.gif歴史の捏造についての歌でした。まあまだまだ未熟でしたけれど、最初の一歩です。将来的には、このあたりももっと歌にしたいんですけどね。




今日は妙に熱く語ってしまいましたが、まあ8月15 日ですしお許し下さいね。
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by penelox | 2005-08-15 23:59 | The Penelopes関連