<   2008年 01月 ( 21 )   > この月の画像一覧

"Sweet Psychedelic Orange"

 新レーベル'Vostok Sound Organization'(ヴォストーク・サウンド・オーガニゼイション)によるワールドワイド・コンピレーション"Sweet Psychedelic Orange"が、2008年夏/秋にリリースされます。

コンピレーション参加アーティスト:

The Ace(Leeds, UK)
Monsieur Mo Rio (Stuttgart, Germany)
Santa Dog(Bristol, UK)
Lumeny(Moscow, Russia)
Age Of Jets(Osaka, Japan)
The Music Lovers(San Francisco, USA)
Sloppy Joe(Tokyo, Japan)
The English Roundabout(Richmond, UK)
Paul Bevoir(London, UK)
Wing Disk(Osaka, Japan)
Fiel Garvie(Norwich, UK)
Mr.Wright(London, UK)
The Penelopes(Takarazuka, Japan)
Achordian(Malmo, Sweden)
Rinaldi Sings(London, UK)

情報は随時追加いたしますので、お楽しみに!
[PR]
by penelox | 2008-01-26 13:25 | Vostokコンピ関連

渡辺聡 "dim vistas"

今日は我が弟の作品展のお知らせをば。

渡辺聡 Satoshi Watanabe “dim vistas”
2008年1月29日(火)—2月16日(土)
火〜土 11:00-19:00 日月祝 休
Reception for the Artist:1月29日(火)18:00 - 20:00

TARO NASU (東京)
〒106-0032  東京都港区六本木6-8-14・2F
Tel. 03-5411-7510
Fax. 03-5411-2502
火〜土11:00〜19:00 日月祝 休
info@taronasugallery.com
Taro Nasu Gallery

交通アクセスはこちらです。

関東方面の皆様、ぜひおこし下さいませ。
大阪でもやるみたいです。また決まりましたらお知らせいたしますね。
[PR]
by penelox | 2008-01-24 17:05 | 渡辺 聡 

Def Dumb & Blonde - Deborah Harry (1989)

 89年に出たブロンディーのリードシンガーの3枚目となるソロアルバム。のっけから80年代エレポップとアメリカンポップの合わせ技のあの世界・・・つまりブロンディーと通ずる世界が展開して行く。89年というと、もはやポップシーンにおけるブロンドのセックスシンボルという座を、マドンナに譲っていたような・・・なんてセリフは禁句なのでしょうか。でも、ご自分でわざわざ"Def Dumb & Blonde"と付けてる訳で、自虐的になってたのかなとか・・・それでそう思った次第。いや、むしろそのぶんリラックスして取り組めていて、タイトルもきっと、ユーモアなのでしょうね。

 前にブロンディーのベストについて書いた時に、20何年かかって上手い歌手だとわかった、と書いたけれど、改めてこの方はホントに引き出しの多い、器用なシンガーなんだなぁと実感。唯一無二、存在感ありまくり、というタイプではなくて、カメレオン的に、あらゆるスタイルの音に順応して行くタイプ。様々なアレンジを施されたバックの演奏に楽器のように馴染んでしまうから、ある意味匿名ぽく聞こえてしまう・・・それゆえ、アレンジのポップさが大変印象に残る。ブロンディーほどバンドの制約がないぶん、ダンス系寄りな曲のアレンジがより自由になっていることが聴き進めると感じられる。高音シャウトも多い04や激しい13でかなり熟練した歌手であることを再確認。03でカルトのイアン・アストバリーとデュエットしてる、というのも何だか唐突だけれど面白い。また、トンプソン・ツインズが楽曲提供(01。03はデボラと彼等の共作)やプロデュースで参加しているのも特筆すべきですね。全体に80年代半ばのカラフルな匂いが強く感じられる作品。やっぱりブロンディーを彷佛とさせる01(全英13位まで上昇)、06、トロピカルな07、サヨナラ〜なんて歌う09、MTV全盛期の儚さが浮かんで来る10、エレポップのアレンジが気持ち良い14あたりが特に印象的。今考えると、彼女やブロンディーの音世界って、それこそ10代の頃から気付かないうちにあちこちで触れていたんたなぁと・・・それがのちのリズム・ファンタシーの制作に関わった際にかなり影響した気がしましたね、ポップ/ロック/ダンスの合わせ技、という意味で。手前味噌だけれど、また彼女達の作品も聞き返してみようと思う。
[PR]
by penelox | 2008-01-23 11:25 | CD備忘録

March - Michael Penn (1989)

 ショーン・ペンの兄、かのエイミー・マンの旦那さん、という芸能ネタよりも、80年代末に「ビートルズの流れを汲むアメリカのソングライター」、というような形容で登場して来た、という事で記憶している人。しかし私自身、恥ずかしながら彼の音楽は殆ど触れたことがなかった。PVを一度見た程度でしょうか。何故聴かないままだったのか思い出してみれば、当時そういう「ビートルズの流れを汲む」という言い方が音楽メディアでひとつの流行りになっていて、ルーツ寄り、リバイバル風な音をAOR的/その時代的に展開したものなら何でも「ビートルズの流れ」と括るような風潮がちょっと乱暴に思えて、反発していたのだと思う。だからと言って音楽そのものには何の責任もなかった訳だから、今は大いに反省して(?)聞き直しているのだけれど、89年ぐらいから93年ぐらいは、そうやって、リアルタイムの音楽を敢えて聴かなかったところがある。それについては、自分がThe Penelopesでデビューする時期でもあったので、それが大きく作用していた(人の音楽どころではなかった)のも事実だけれども、当時感じていたメディアへの不信感自体はあながち的外れでもなかったとも思う。と言うのも、マイケル・ペンを今聴いて感じるのが、伝統的なアメリカン・フォーク/ロックをしっかり吸収し知的に制御したソングライターで、特別にビートルズに代表されるような英国ポップをもっぱら愛聴していたようなタイプには思えない、という印象だから。もちろんビートルズも好きだっただろうとは思うけれど、徹底的に研究したとか、オマージュ大会とか、あるいはメロディーやアレンジに手癖の様に無意識に出てしまうとか-つまり避けられないものとしてにじみ出てる感じはしない。それに、彼の音楽からはよく引き合いに出されるようなスクイーズぽさも私はあまり思い浮かばなかった(90年代のスクイーズは多少、かも・・・むしろ、クラウディッド・ハウスを連想した)。だから、彼の少なくともこのアルバムの音に関してビートルズ云々というのは、ホントに商業的意図か、書き手の怠慢に思えてしまうんですよね・・・まぁ仕方ないのかな。で、彼の場合、だから興味深く聴けなかった、とかでは全然なくて、その逆なんですけどね。アメリカの知性派、日本にはその声がなかなか届いて来ないアメリカの左派というか、良心派に通ずる、良質のポップロックのラインと捉えた方が私は分かりやすかった。時折ジュールス・シアーなんかも彷佛とさせるけれど、そんなにひねりがある訳ではなく、ある種王道の(70年代に端を発する)アメリカン・シンガーソングライターのこの時代なりの佇まいという感じ。憂いを含んだ声で(大上段からではなく、さりげなく、だけれど)アメリカの夢と挫折、を誠実に、生真面目に紡いでいるように見えるところにも、そんな連想をした。永久革命の国、とも言えるアメリカ。そんな、世界的にも例外的なかの国で起こっていることは、正直日本とはあまりに事情が違うので、自分自身が歌に描かれる物語にちょい聴きしたぐらいで簡単にシンパシーを抱いたり、わかったつもりになるのは何か失礼にさえ思えるんですよね。ただ、日本という別の国に身を置くものとして、アメリカ人が作る音楽にはいつもある憧れと反発がないまぜになった複雑な心境に立たされつつも、彼の音楽の中で歌われる内容への好奇心もまた、尽きることがない・・・このことも正直忘れたくない気がする。
[PR]
by penelox | 2008-01-21 22:37 | CD備忘録

Get Happy!! - Elvis Costello & The Attractions (1980)

 個人的「刷り込み」アルバム、さらに。
 エルヴィス・コステロの4作目、もう何回目かわからないぐらいの聞き返し。今回気付いたこと。(1)カセットテープの時は気付かなかったが、結構コステロ、ギター弾いてるやないの。(2)しかしキーボードとベースがこんなに自己主張してると効果的なギターは難しいと思うけれど、隙間を縫って実にセンスあるプレイをしてる。凄い。彼の当時の特徴- 若いのに古い音楽をよく知っていて、フレッシュで、しかも小憎たらしい(笑)ぐらいスキが無い-を見事に備えた演奏。(3)大昔、アルバム全20曲を一気に聴くと、曲がなかなか覚えられなかった。多過ぎて消化し切れないのだ。今でも、よくこれだけの曲を一気に出して混乱しませんなと思う。しかも、メンバーも凄い集中力と記憶力。もちろん、技術もだけど。(4)さりげないアレンジ、小技が面白い。New Wave的なムードに溢れていた前作"Armed Forces"とくらべると若干地味なのかも知れないけれど、これは、60年代のモータウン、スタックスなどのソウル/R&Bへの愛情の表出なのだ。ここからインスパイアされることは色々あるけれど、結局彼が大変な"Music Lover"(音楽愛好家)である、ということ。これが一番重要なポイントかも。(5)しかし、60'sソウル好きと言っても、派手なホーンセクションが配されている訳では全然ないので、いかにもそれ風、にはなっていない。だから、それが(たとえばモッズ系の音楽とくらべると)伝わり難いというか、速効性があるものではないのかも知れない。むしろ、長い時の試練に耐えられるように作ったような気がしてならない。ひたすらバンドだけのサウンドで押しまくるところは潔くて、アルバム全体の清清しい雰囲気にもつながっている。(6)やっぱり改めてカヴァー曲も良い。"I Can't Stand Up For Fallong Down"(サム&デイヴ)、"I Stand Accused"(マージービーツ)、CDでは"Getting Mighty Crowded"(ベティー・エヴェレット)、"So Young"(ジョ・ジョ・ツェップ&ザ・ファルコンズ)・・・ああ、みんなセンス良いなぁ・・・というか、みんなこの人に教えてもらったのだった(笑)。(7)最後に、ダスティー・スプリングフィールドを意識したという"Just A Memory"は相変わらず染みる。実際のちにダスティーはこれをカヴァー、歌詞を少し付け加えて"Losing You"という曲になった模様。バート・バカラック風の名曲だなぁと思っていたので納得。
[PR]
by penelox | 2008-01-20 10:10 | CD備忘録

CD備忘録 2008年1月以降(10)

■East Side Story - Squeeze (1981)

 久々に聞き返し。XTCの"Black Sea"、"English Settlement"、Elvis Costelloの"Armed Forces"、"Get Happy!!"と並び、自分の中でのスタンダード、良い音楽とは何ぞや、を測る時の基準になってしまっている、いわば「ひなの刷り込み」レベルのアルバム。今回聴くと無駄なアレンジ、過剰な装飾がなくて、ホント風通しが良いのがよくわかった。必要最低限の音で、英国の翳り、捻りと伝統的なアメリカン・ポップ/ロックンロール/R&Bから由来する軽快さ、温かさの見事なバランスの上に乗ってることが浮き彫りになる。曲のバラエティー、構成も良い。01がロックパイルぽく(プロデュースがデイヴ・エドモンズなので、狙っているのかも)爽快に駆け抜けると、02は頼りな気なクリスのVoがせつない(彼の歌う曲は結構好きなのだが、このバンドの2枚看板、と言えるほど歌ってない気もする)。そこに03の当時新加入のポール・キャラックによるソウルフルなバラード、途中でコステロも入って来る。こういう本格的なソウル路線はこれまでのスクイーズにはなかったので、この曲こそが今回の(そしてスクイーズ自体の)新たな色が加わった瞬間だったのかなと思う。04の快活なグレン、05ではまるでサイケ期のビートルズ、レノンみたいに歌う。楽曲がミニマルで、実は結構不可思議だけれど、すごく表現力があるので飽きない。06はクリスのVoでまた浮遊感とせつなさが漂う。これもさりげないけれど微妙に普通ぽさからズラした面白い楽曲。そしてそして、LPで言うとA面の最後になる07がまた素晴らしい曲。これぞスクイーズのスタンダードと思う。08も彼等らしい捻った展開のポップソング。このバンド以外にこういう曲は作らないだろう、という個性がここまでずっとあるのはお見事。09もちょっとレノンぽいかも知れない。ここまでストリングスを多用しているのも、ここまで彼等がビートルズっぽさを感じさせたことも以前の作品ではなかったと思う。次の10とは一続きのミュージカルぽくなってるのだけれど、曲の内容もそうなってるのかは未確認。10もこれまでのスクイーズとは全く趣きを変えた、いわばロンドン下町風カントリーソング。これも最初に聴いた20数年前、ホントに感動したのを思い出した。まだ19、ハタチの頃っていうのは、自分が何が好きか、なんてのはまだまだわからないことも多い。聴いてはじめて、ああ、こういうのが俺は好きなんだとわかる・・・そんな吸収力のある年齢で彼等に出会えた僥倖。パンクから出発したNew Waveがカントリーと繋がり得る・・・これは実に価値観がひっくり返るような経験でして、こんな目を開かされる経験をしたという意味でも、スゴいアルバムだったと思う。でも当時グレン・ティルブルックでまだ23,4だったと思うのだが・・・う〜ん、早熟。11は割とストレートなR&B、当時はピンと来なかったけれど、ニック・ロウ、ブリンズリー・シュウォーツぽいのが今聴くとよくわかるから不思議。12は変拍子で始まってサビでいつものスクイーズに、また一転して・・・と目まぐるしく変化する実験的な曲。アクセントとしてかなり面白い曲。13はバンド編成から離れ、まるでミュージカルか、映画のサントラのよう。ビートルズっぽいとも言えるけれど、ここまでの高みに言ってしまうともう、ただただ参りましたとしか言えない。最後の曲では(ロンドン・イーストエンドの?)プレスリー風に迫る。これまでのスクイーズが割とひねりの効いたポップロックとすると、まさに万華鏡的な様々な顔を(時にバンドの枷を外してまで)見せていて、この後の展開が難しかったのもわかる気がする(次のよりソウル色/AOR色を強めた"Sweets From A Stranger"のあと、一旦解散する)、それぐらいの、一世一代の充実作だというのが、改めてわかった。

 XTC、コステロとくらべると、個人的思い入れという意味では、ちょっとあいだをあけて3位、という感じのスクイーズなんですが、楽曲のクリエイティヴィティーで、ポップミュージックの新しい扉を開いた、という意味では決してひけを取りません。さりげなく、聴き易く、しかし不思議な輝きの宝石を一杯隠してる、全14曲からなる1981年の名盤。
[PR]
by penelox | 2008-01-19 23:42 | CD備忘録

英国ヒットチャートで見るNew Wave (10) 1978年2月

 mixiにこの文章を上げてからずいぶん遅れてのPENELOG登場で申し訳ないです。このNew Waveの記事、しばらくは割とゆっくり進むとは思います(結構聞き返しもしたいもので)が、御容赦下さい。

 この月あたりから猛烈な数のNew Wave勢がチャートに登場して来ますので、フォローし切れるか自信がなくなって来ましたが・・・(笑)。

 シングルですと何と言ってもこの月はこの2アーティストでしょうか。

(シングル)
Denis - Blondie (2)

 New Yorkパンクシーンから登場、見事にポップバンドへと進化して行くブロンディー最初の全英トップ40入りシングルは、第二位まで上昇の大ヒット(オリジナルは1963年のRandy & The Rainbowsの"Denise")。PENELOGの方にもちょこっと書きましたが、当時の彼等はパンクの出自とオールディーズ感覚を匂わせた古くて新しいPower Pop路線で、そこから徐々にメインストリームで隆盛を極めていたディスコサウンドなどのコンテポラリーなダンスミュージックへと進んで行くと思うのですが、これは前者的楽曲(何しろホントにオールディーズ)に少し後者のアレンジがスパイス的に忍び寄って来てる感じでしょうか。実は彼等、この78年2月から3月にかけて大がかりな全英ツアーをしていまして、それと連動した大ヒットと言えるでしょうね。
 で、ここからは全くの余談なんですが、その前座に起用されたのが、EMIと秋に契約し11月にシングル"Lipstick"をリリースしていたバンドThe Advertising(未聴です・・・)。このツアーの盛り上がりの余勢を買ってアルバム"Jingles"をリリースすることとなるのですが、残念ながらチャートインはせず、79年には解散しています。このバンド、御存知の方もおられるかと思いますがトット・テイラーがいたことで知られていますね。他のメンバーも面白くて、Simon Boswell (vocals, guitar) はその後Livewireというポストパンク系のバンドで活躍。トット(vocals, keyboard)はいうまでもなくその後ソロアーティスト/ポップ職人として、またコンパクトオーガニゼイション主宰へと活動の場を移して行きますね。Paul Bultitude (drums) はその後一時ネオモッドバンド、Secret Affairのドラマーに在籍、後にDance Networkを主宰、The Jetsetを世に送り出すことになります。PaulのいとこであるDennis Smith (bass) もこの後Secret Affairで活躍しています。特筆すべき(?)はThe Jetsetのふたり、Paul BevoirとMelvin JがPaul Bultitudeにはじめて接触しているのはこのブロンディーの英国公演での楽屋だということ(笑: Jetsetのベストには79年と書いてありますが・・・)。その時にトットにも紹介されたんでしょうかね。何ともマニアック過ぎる話で恐縮ですが、英国ポップの新しい動きの胎動が、そこかしこにあったという一例ですね。

・・・長い余談で失礼。


Wuthering Heights - Kate Bush (1)

 そしてそして、この偉大なアーティストの鮮烈な登場もこの月でした。ケイト・ブッシュ。

 おそらくここをよく御覧下さる方に説明は不要だとは思いますが、洋楽に全く疎い方でもこの「嵐が丘」を知らない方はまた殆どいないと思います。土曜の夜やってるTV番組「恋のから騒ぎ」のオープニングの曲は御存知ですよね。

 ぜひフルでお聴き下さい。個人的には、この方の4枚目のアルバム"The Dreaming"にはひっくりかえる程の衝撃を受けたのも忘れられません。あのアルバムはぜひ若い方に聴いて欲しいですね、きっと人生変えられる方もおられるでしょうから。

 彼女をNew Waveという括りに入れるかどうかというと、異論はあるかとは思います。後から振り返って「ロック史」を書けば、もっと大きなところにいる人であることは間違い無いんですが、同時代での認識としてみると、New Waveの一つの道筋を切り開いて行った人として、違和感がない・・・そんな感じでしょうか。それを裏付けられるのは年齢です。このヒットの段階で彼女、わずか19才。まさに新世代を代表していたと。その事実は、当時New Waveかどうかの基準というのが、10代の聞き手にとっては、自分に同世代か、世代的に近いか否か、つまり自分の側にいるか・・・これがとっても重要だったことを思い出すんですよ。New Waveの主な聞き手の世代へのヴィヴィッドな影響力を考えると、彼女のフレッシュな登場は、象徴的にNew Waveの一部に思えますし、またその存在を無視しては成り立たないようにさえ思えます。客観的に見れば、New Waveムーブメント云々とは無関係に登場した、才能に溢れたアーティスト(彼女は、英国で全英1位を記録した最初の女性シンガーソングライターなのだそうです)な訳ですけれど、その音楽性の影響力の大きさは決してその後のNew Wave、特に女性アーティストの多くにとって無視出来ないと改めて思います。トラッド/フォーク、プログレ、文学的、不思議系・・・と、彼女の音楽はおおまかに纏められるけれど(実に乱暴な纏め方だという気もしつつ ^ ^;)、New Wave時代に新しい女性アーティスト像のひとつの基準をひとりで築き上げてしまったという、その強烈な存在感は忘れられないですね。

他にも色々と。


Don't Take No For An Answer - Tom Robinson Band (18)

大ヒットのデビューアルバムからのシングル。"2-4-6-8 Motorway"ほどのインパクトはないですが、良い曲です。


Five MInutes - The Stranglers (11)

 安定した人気を誇る彼等、元々はアルバム未収録のシングル。パンク勢のなかで、78年になっても勢いを下げないのは流石と言うべきか。個人的にはヒュー・コーンウェルが歌う方が好きなんですけどね。


■Nervous Wreck - Radio Stars (39)

 これは映像ないみたいですね。痛快なハードポップといった趣きの彼等、1977年のデビューアルバム"Songs For Swinging Lovers"より。中心人物アンディー・エリスンは元ジョンズ・チルドレン(マーク・ボランが在籍したことで知られる60年代のポップバンド)、マーティン・ゴードンは元ジェット、スパークスでもプレイしていたという、実は大ベテランであります。New Waveというのはこのように、60年代から活動してる人達、70'sグラム時代の残党、こういった新規巻き直し組の人達もいましたね。


No Time To Be 21 - The Adverts (34)

 デビューアルバム"Crossing the Red Sea With The Adverts"からのシングルカット。


そして、いよいよこの人達も登場します。マンチェスターの音楽シーンに燦然と輝く偉大なる2組。

What Do I Get - Buzzcocks (37)

 パンクロックというスタイルで十分なオリジナリティーを有していたというのは、実際にはなかなか無いこと(今でも沢山の「パンクバンド」がいることを考えれば・・・)。彼等は実にセンスがあったと思います。


Shot By Both Sides - Magazine (41)

 この2バンドが揃って同じ月に初の全英ヒットを放っているというのも面白いですね。言うまでもなくマガジンとは、バズコックスのオリジナルメンバー、ハワード・ディヴォートによる新バンド。ネオサイケのルーツとも称されますね。


Is This Love - Bob Marley (9)

 相変わらず根強い人気ですね。ジャマイカ移民の人達のみならず、英国全体にレゲエが受け入れられ、英国文化のひとつとして確立して行ったプロセスと言うべきでしょうか。


Just One More Night - Yellow Dog (8)

 一発屋として一般的に知られるこの人達は、私全くの未聴なのですが、アメリカ人ベテランソングライターKenny Youngを中心とするアメリカンロック的な音楽性を有したバンドで-ということは、ダイアー・ストレイツやスニッフ・アンド・ザ・ティアーズなんかと近い路線と言えるでしょうか。Virginから出てたので、気にはなっているのですが。

 Wikipediaでは、コステロに影響を与えたともあります。CD化はされてないのかも知れませんね。パブロックとニューウェーブの中間地帯には、こういうタイプの音楽をやっていた人達が実際とても沢山いて、そういう層の厚さがNew Waveシーンを支えていた-これも忘れちゃいけないなと思うのです。


 また、この月にSqueezeのA&Mからのデビューシングル"Take Me I'm Yours"がリリースされています(4月にチャートイン・・・ずいぶん時間がかかってますよねぇ)。


(アルバム)
・White Music - XTC (38)

 このアルバムの登場も、この月の特筆すべき話題でしょう。今の感覚からすると、結構オーソドックスというか、楽曲がよく出来ていて、それをねじれたVoスタイルで聴かせる、実はとっても聴き易いpower popかも知れませんね。特にパートリッジの曲は、意外に伝統的なポップロックのソングライティング、それこそR&B、モータウンにも通じさえする温かみのある感覚(たぶんこれはグラムロック時代から引き継いだものでしょう)さえ漂わせていて、ぶっ飛んだ部分はむしろムールディングの方があったりします。このなかではやっぱり"Statue Of Liberty"、"This Is Pop"は個人的にはクラシック。あと、アルバムラストを飾る"Neon Shuffle"も良いですね。ともかく、たくさん音楽を聴いてるのがわかる、アイデアの豊富さを感じます。彼等は私にとっては、Music Lover(=音楽愛好家)の良き見本的存在とも言えます。

Neon Shuffle - XTC

 しかし何と言っても、ムールディングの"Cross Wires"のジャズパンクな感覚が今となってはとても好きな私。彼の曲では特にオルガンとギターが火花を散らしてる気がするんですよね(笑)。


・Drastic Plastic - Be Bop Deluxe (22)

 彼等のラストアルバム。Punk/New Waveに触発されまくったビル・ネルソンは、この後新たなバンド"Red Noise"でテクノ路線で再び登場します。このアルバムでも、テクノ感覚の萌芽が見られ、その音楽の(タイトル通りドラスティックな)変化が見られ面白いです。早過ぎたNew Waveバンドが、今度は若いバンド達に触発されて行くんですよね。

前にも紹介したと思いますがこのアルバムからの曲。

Panic In the World


・Talking Heads '77 - Talking Heads (60)

 前年にリリースされたアルバムですが、ここに来てチャートイン。NYパンクの根強い人気を感じますね。彼等の1stと言ったらやっぱりこれでしょうか。OGWTより。

Psycho Killer


Blondie アルバム "Plastic Letters"
b0022069_22473663.jpg

Kate Bush アルバム "The Kick Inside"
b0022069_2248322.jpg

XTC アルバム "White Music"
b0022069_22491037.jpg

Radio Stars アルバム "Songs For Swinging Lovers"
b0022069_22494029.jpg

Be Bop Deluxe アルバム "Drastic Plastic"
b0022069_2250833.jpg

Talking Heads アルバム "Talking Heads :77"
b0022069_22503765.jpg

[PR]
by penelox | 2008-01-18 22:32 | New Wave

CD備忘録 2008年1月以降(9)

■Alternative Commercial Crossover - The Times (1993)

 80年代末、マッドチェスター期に復活したタイムズ(=エドワード・ボール)の作品。ポップなメロディーに乗せて、コンセプチュアルに時代を批評、編集して行く、いわば彼の頭脳の産物であるユニット、タイムズは、こないだ書いた"This Is London"の頃のモッド/ビートポップ路線を第一期とすれば、これは第二期にあたると言える。当時のクリエイションの隆盛と、その重役であるという恵まれた立場によって、グランジ、ダンス、アンビエントテクノ、ワールド・・・etc当時流行った音楽的要素をリアルタイムで料理しており、ここではまさに雑誌感覚のヘッド・ダンスミュージックを展開、いわばプライマル・スクリームの兄貴分風・・・冒頭はそんな印象だったのだけれど、アルバム中盤からは甘く切ないアコースティック感覚のバラードの印象も強くなる。このあたりは後のソロでの世界に繋がりそう。あのマンチェ期特有のマシン・ビートにはあまりに時代の感触が染み付いているので、今となっては全曲が時代を越えたフレッシュさを保っているとは思えないけれど、当時ハタチぐらいでマンチェに一番思い入れがある世代の方(たぶん今30半ば前後かな)なら、このNew Orderのカヴァーも含むアルバムが特に懐かしく聴けるのでは。"Finnegans Break"や"Ballad Of George Best"なんてタイトルは気が効いているし、"All I Want Is You To Care"なんてタイトルは、U2の曲を茶化してるようにも思える。"Corporate Rock Mix"(産業ロックミックス?!)なんてのも、実に批評的。"A Place In the Sun"という私のアルバムと同名曲(たぶんあの映画から来てると思うのだが)なのも嬉しい。あと、ゲストプレイヤーにNick Haywardとあるが、もしかしてあのNick Heyward?(綴りが違う)
[PR]
by penelox | 2008-01-16 12:33 | CD備忘録

CD備忘録 2008年1月以降(8)

■Maria McKee - Maria McKee (1989)

 元Lone Justiceのマリア・マッキーのデビューアルバム。ローン・ジャスティスは、80年代半ばぐらいにNew Wave/カレッジ系の流れともリンクする、本格的な(古くて新しい)アメリカン・ロックバンドとして、鳴りもの入りで出て来たから、結構覚えている。また、大好きな元アンダートーンズのシンガー、フィアガル・シャーキーの大ヒット"A Good Heart"(「夢の恋人」)は彼女のペンによる作品。そういう、馴染みになりやすそうな人なのに、ソロになってからは、聴きたいと思いつつなかなか巡りあえず。こういうアーティストというのが、私の場合必ずいる。買いたい時に見つからず、見つけた時には金がなかったり、興味がちょっとヨソに行ってたりという、そういうタイミングがなかなか自分と合わない人。でも結局20年近く経ってるなんて、信じられない。冒頭ではパッツィ・クラインに通ずる、カントリーなソウルを凄く感じるけれど、曲ごとにスケールの大きさが感じられて、時にアレサ・フランクリンぽいなと思う瞬間さえある。また、王道のアメリカン・ロックなんだけれど、アイリッシュ魂みたいなものも底に流れている気がして、これはヴァン・モリソンにも通ずるなぁと思っていたら、一緒に買った2ndアルバムでは何と御大の"The Way Young Lovers Do"(68年の"Astral Weeks"に収録。生きてる間に絶対一度は聴くべきアルバム)をカヴァーしているのを発見! 2ndのライナーには面白いエピソードが色々書いてある。彼女のお兄さんって、元Loveのメンバーなんですって。あと、アイルランドに渡って、その時に一緒に音楽を作っていたのはギャヴィン・フライデー(元ヴァージン・プルーンズ)! 他にもユースと一緒に・・・って、ユースって、あの元キリング・ジョークの人かいな。う〜ん、どこでどう繋がったのかわからないけれど、目眩を起こしそうな人脈。ロビー・ロバートソンとの共作や、リチャード・トンプソンのカヴァーも含む濃い作品。
[PR]
by penelox | 2008-01-14 23:35 | CD備忘録

CD備忘録 2008年1月以降(7)

■The Age Of Plastic - Buggles (1979)

 もちろんあの「ラジオスターの悲劇」("Video Killed The Radio Star")を収録したアルバム、これもCDで初聴き。今となっては最初の数曲で、当時のもう少し若い世代のミュージシャンとくらべての妙なぐらいの明るさが目立つ。今でもレトロ・フューチャーなものとして(エモ系バンドにさえ軽くスポーツ感覚で)消費されている要素がそのあたりに集中しているからなのかも知れない。当時の最新テクノロジーを手にしてのオジサン達の興奮、というニュアンスにさえ感じられたりして、場違いな眩しさに少しばかり反発を覚えたりもする。たとえば(比較対象としてふさわしいかは別として)ジョン・フォックス時代のウルトラヴォックスにくらべると特に、余裕の為せる技であろうユーモラスさが対照的に響くのである。私としては世代的には近かった分後者の悲痛さや怒りの方が何となくシンパシーを抱ける気はする。まあ結局のところどちらもずいぶん昔の作品だし、その後の両者の変遷もある程度知っているから、その道程の中で、今の私に触れあう部分がどちらが多いか、単にその比較問題に過ぎないけれど。

 むしろ未来派なテーマ性が全面に出たものより、アナログだとB面にあたる、ちょいとSailorを彷佛とさせる哀愁と小粋な曲展開が秀逸な"Elstree"が良い。あるいはエレクトロ10ccとでも言いたくなる浮遊感を持つ"Astroboy"とか。アルバム後半の方が実は彼等の本質というか、手癖が出ている気がする。
[PR]
by penelox | 2008-01-13 23:21 | CD備忘録