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09/05/29 極私的ライヴ手記 (1)


 5月29日に大阪梅田のClub NOONで行われたVelvet Moonさんの15周年記念のイベントにご来場の皆様、本当にありがとうございました。 mixiの方にも書きましたが、沢山の方々に支えられて、Velvetさんは幸せだなあと・・・しみじみと思いましたね。

演奏曲は以下の通り。

01. Vehicle 「ヴィークル」
from the album "Eternal Spring"(2003)

02. Sweets From My Bittersweet 「スウィーツ・フロム・マイ・ビタースウィート」
from the album "Summerdew Avenue"(2006)

03. Trick Of the Light 「トリック・オブ・ザ・ライト」
from the compilation "Sweet Psychedelic Orange" (2008)

04. Midday Stars 「ミッデイ・スターズ」
from the album "Sternal Spring" (2003)

05. Evergreen 「エヴァーグリーン」
from the album "In A Big Golden Cage" (1993)

(ここからはmixiにも書いた「極私的手記」です)

 先日からの新型インフルエンザ騒ぎの影響で先週学校が一斉休校。中間テストが一週間ずれたせいで、家庭教師の仕事のスケジュールがおかしくなってしまい、ライブの前後にやたらと授業が入ってしまうという予期せぬ事態に。

 当日も、リハを終えてから小学生のところへ。しかもここ数日何人かの生徒で考えないといけない大変難しいことがあった。

 ある子はADHDではないかと親がやたらと心配していて、まだそんな判断をするのは時期尚早だから、まず前向きに勉強に取り組む習慣を付けさせましょうと親を説得しないといけなかった。

 また、境界性知能というある子は前回苦手な小数の割り算中にそのまま固まってしまって、授業が中断してしまい、次はわからせるために何とか別のやり方を考えないといけなくて、ず〜っとそれを考えていた。とにかくこういうタイプの子は、時間をかけて、粘り強く根気よくやって行かないといけないのが経験上わかっていたから。

 またある子は帰国子女の小学生で、国語を担当しているのだけれど、とにかく語句を知らない。これは、一番言葉を覚える時期に4年も日本を離れていたのが大きく、それでいて有名私立を目指しているものだから、母親が少々神経質になっていてまたしても親を安心させなければならず・・・。

 翌日もまたやたらプレッシャーの多い仕事(こちらも、北野高校へ入れたいと、親が過剰に神経質になっている。学校のテストが90台でも満足しない)で、全く音楽のことを考えるヒマがなかった。

 まぁ、そのせいで緊張しなくてすむのではありますが、音楽との切り替えが難しい。なかなかそういうモードというか、人を楽しませられるようなグルーヴ(?)に入れないというか。まぁ、自分で選んだ道なんだから泣き言ではないのですが、こういうところで日常が浸食して来て、音楽をあるレベルで保ち続けるのが難しくなってるんですよね。

 そんなこんなで、もの凄いテンションの高い会場に入った時に、自分の音楽の聴かせ所をほどほどに見失わずに、上手くとけ込めるかなあと思いましたが、自分自身では、比較的落ち着いて、自分の音楽の良いところを出せたんじゃないかとは思います。

 基本的には歌を真ん中に据えたポップで、ほどほどにソウルがかっていたり、フォークロックぽかったり、ジャングリーギターポップの部分も残していたりというのが、たぶんThe Penelopesの特徴なのですが、真ん中に昨年秋のコンピ"Sweet Psychedelic Orange"の一曲を挟む事で、キンクス〜XTCあたりのブリティッシュポップへの愛情も見せられたのではないかと思いますけれども・・・まあ、手前味噌ですね(笑)。

(続く)

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by penelox | 2009-05-31 20:21 | The Penelopes関連

イベントのお知らせ


 私共The Penelopesが出演する5/29のイベントのお知らせです。Velvetさんのところからの転載になりますが・・・

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Velvet Moon 15周年記念パーティー
2009年5月29日(金)
場所:CLUB NOON
大阪市北区中崎西3-3-8JR京都線高架下
TEL:06-6373-4919
時間:OPEN & START:8:00~ALL NIGHT
予約(前売):2500yen 当日:2800yen (共に1ドリンク付)

※前売り予約を頂きました皆様と、当日先着順となりますが合計100名様に、VELVET MOON記念ステッカーをプレゼント!ご予約はこちらから件名「VELVET15周年イベント予約」で、「お名前と人数など」をお知らせください。


《LIVE》サエキけんぞう&クラブ・ジュテーム(関西初ライヴです♪)、シモーヌ深雪、アリスセイラー&ダメージディストーション(アリスセイラーさん&ULTRA BIDEのHIDEさんと山崎春美さんとゲストドラマーのWATCHMANさん)、Les Cappuccino、The Penelopes 、boyfriend’s dead 、MINE、葡萄屋、ポニ×カル(ポニメリ+ロマカル÷2=ポニカル)、秋葉原紫音、微炭酸ガール、ザ・ラブ・スパイ、ど~るぱむふゅ~、天憑 
《DJ》zoe (sub-culture)、yohei (club noon)、bghs (boyfriend’s dead)、yamaten et chouchou (velvet moon)

《VJ》K2
《写真》U.Takeshi
《物販ブース》VELVET MOON、乙女屋、CANDY JANE、メルヘソ、melche shutilforc
《FOOD》チカフェ

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The Penelopesは9時台に登場、5曲やる予定です。
皆様のお越しをお待ちしております。


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by penelox | 2009-05-29 20:00 | The Penelopes関連

北の大地のポベラ

Watanabe's Pop Picks 110
"18 Carat Love Affair" - The Associates
from the compilation "Singles" (2004)



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 今どうなのかはよく知りませんが、少なくとも80'sスコットランドというと何よりスケールの大きなボーカルスタイル・・・という印象が個人的には強かったんです。エモーショナルにドラマチックに歌い上げる人が特に70年代末から80年代前半の彼の地に多かったからか、あるいはそういう歌手にばかり耳が行くからか。その辺りはわかりませんが、ともかく、リチャード・ジョブソン(スキッズ)、ジム・カー(シンプル・マインズ)、マイク・スコット(ウォーターボーイズ)は言うまでもなく、ミッジ・ユーロ(ウルトラヴォックス)も出身はそうですし、以前書いたポール・クインもやはりスケールがデカい。そういえばコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーも。毛色は違いますがエディー・リーダーだってサラッと聞き流せない。最近だとトラヴィスのフラン・ヒーリーだってある意味そう。要は、ブラックミュージックの素養云々という意味とは別に、本質において「ソウルフル」な「シンガー」という佇まいの人。盛り上がるところでは盛り上げ、決してクールに収まっていない。

 これをケルトの血のなせる技と捉えると、北アイルランドのフィアガル・シャーキー(アンダートーンズ)やアイルランドのボノ(U2)、キャーサル・コクラン(マイクロディズニー)、なにより大御所のヴァン・モリソン(北アイルランド出身)まで一本の線で繋がって来て、ともかくケルトの血を巡ってのソウルフルなシンガーの系譜を探る旅は尽きる事がありません。

b0022069_1032696.jpg 私は血湧き肉踊る音 - 雄大な大自然を感じさせるスペクタクルサウンドとかソウルフルなスケール感を感じさせる歌 - にはどうも無意識に惹かれて行くところがあります(作ってる音楽に微塵も感じられないかも知れませんケド!!)。そういう意味で、このバンドのトレードマークたるビリー・マッケンジーのハイトーンのオペラチックなボーカルスタイル(90年に出たベストアルバムのタイトルが"Popera"というのも、言い得て妙)もまた、ソウルを、そしてケルト魂をどこかその奥底に感じさせ、ジワジワ来るものでした。1982年に全英21位を記録した、個人的に彼らのベストトラックのひとつ。







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■"Party Fears Two"(全英9位/1982)




■"Club Country"(全英13位/1982)




 こちらは相棒アラン・ランキンが抜けてからの4thアルバム"Perhaps"(1985)の曲。良い曲なのですがレーベルの思惑ほどヒットせず、以後アソシエイツは低迷。アルバムがオクラ入りになったり、相当苦しんだようです。その後ソロ活動も続けましたが大変悲しい事に、マッケンジー氏は40歳になる寸前の97年1月、自ら命を断っています。母親の死など、色々な理由があったようなのですが、ともかく残念。もう彼の歌声が聴けないというのは実に残念。


■"Those First Impressions"(全英43位/1984)


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by penelox | 2009-05-21 10:37 | Pop Picks

新フリー音楽マガジンCheer Up! にコンピレビュー

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 mixiでのマイミクMさん主宰によるフリー音楽雑誌Cheer Up !がついに創刊です。全国約80箇所のレコードSHOP/雑貨SHOP/カフェ/バー/クラブなどに配布中。私も早速地元甲東園駅前、関学大近くのスタジオBass On Topに置いて参りました。

<創刊号内容>
★インタビュー企画
TETSUJINO(櫻井哲夫&日野"JINO"賢二)インタビュー
Roman Andrenインタビュー
Brent Cashインタビュー
★mixCD "Cheer Up!" Special
参加DJ:鈴木雅尭/三谷昌平/松田"chabe"岳二/BOOT BEAT
/Henry01/高橋雄太
★Disk Review with Selfnotes
★豪華執筆陣によるコラム/独自企画満載
★タイトルロゴ/イメージキャラクター:常盤響
★グラフィック連載:ten_do_ten(点)
★表紙イラスト:村上トモミ
★イラスト:min
★デザイン:巻く音(jujumo)/タニモトアスカ

詳細はこちらでどうぞ。

 実は私The Penelopesのwatanabeも、昨年秋にリリースしたコンピCD"Sweet Psychedelic Orange"のセルフノートで参加させていだたきました。同じくマイミクさんのSさんによるレビューと一緒に掲載されております(Mさん、Sさん、ありがとうございます)。

皆様、Cheer Up!をぜひ御覧下さい。
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by penelox | 2009-05-18 00:18 | Vostokコンピ関連

エジンバラに薫る欧州の風

Watanabe's Pop Picks 109
"Heaven Help You Now" - Paul Haig
from the album "The Warp Of Pure Fun" (1985)

"Heaven Help You Now" Extended Version


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 昨今「スコットランド」という言葉を口にすると、なかなか「グラスゴー」、「ギターバンド」以外の話にならないんですが、たとえばMySpaceで御覧になるとわかるように、実際は色んな街に色んなスタイルのバンドがいて、もっとカラフルなのです。で、そのカラフルさの土壌は、英国の地方の音楽シーンが活性化し、また大きく注目されるようになったPunk/New Waveの80年代に形成されたものでして。

  論より証拠。80年代スコティッシュNew Waveのカラフルさは、たとえば、ダンディー出身のアソシエイツとか、ジョセフK解散後大胆に転進したこのエジンバラのポール・ヘイグ氏を聴けばおわかりになるのではないでしょうか。

 エレポップと言っても、ひと味違うアーティスティックな感触。当時のベルギーのレーベル、クレプスキュールのスリーヴの素晴らしいセンスもあって、コスモポリタン的に開かれた風通しの良さを持ち、大都市の音楽に象徴される頽廃性や自己破滅的なそれとは違う、地方都市のヘルシーな美的感覚に基づいた音楽は、とても新鮮で、地方都市在住としては、大変共感+インスパイアされるものでした。セミ・スタイリッシュなダンスミュージックでありながら、澄んだ空気と気持ちのよい自然の眺めもまた似合う音だったんですよね。

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 ヨーロッパの心地よい風を思わせるエジンバラ発のエレクトロ・ポップ。これもまた、私にとっての良い音楽の基準のひとつになったなぁと今でも時折聴き返す音。









■Big Blue World"



■The Only Truth






■Running Away (1982)
スライ&ザ・ファミリー・ストーンのカヴァーであり、ソロ・ファースト・シングル。この時期にスライを持って来て、こんな風に料理したところがまさにNew Waveでした。






1stソロアルバム"Rhyhm Of Life"から2曲。

■Heaven Sent (1983)




■Party Party






3枚目"Chain"(1989)からの2曲。


■Something Good




■True Blue





 2000年代半ばになってヘイグ氏がジェレミー・トムズ(レヴィロズ、ジェシー・ガロン&ザ・デスペラードズ、ニュー・リーフ、スカイラインetc)やニール・ボルドウィン(ブルーベルズ、TV21))らと新たに始めたギターバンド、The Cathode Ray(キャソード・レイ)の曲をふたつ。Cathode Ray Tubeで「ブラウン管」という意味ですが、デジタル時代に敢えてこういう音楽・・・ということで付けたユーモアでしょうかね。

 彼がギター主体の音楽をやるというのは、たぶんジョセフK以来のことで、ずいぶん久しぶりではないでしょうか。どちらかというと、リラックスしながら、愉しみを全面に出してる感じはしますが、それでも漂って来るセンスには彼らしさも感じられます。

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The Cathode Ray MySpace page


■Mind - The Cathode Ray





■What's It All About? - The Cathode Ray


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by penelox | 2009-05-16 10:38 | Pop Picks

アンヌと宝楽と子供時代の宝塚と・・・


 「ウルトラセブン」のアンヌ隊員役で知られるひし美ゆり子(当時は菱見百合子)さんのブログを時折読んでいるのだけれど、最新の記事で、俳優の中丸忠雄氏逝去の報に触れて、共演したドラマについて語ってらっしゃる。

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 中丸忠雄氏については特別意識して作品を拝見したことがなかった。むしろ奥様(中丸薫氏)の著作活動が最近目立つ印象。中丸氏のご冥福をお祈りし、今後、過去の出演作品を注目してみようと思う次第。


 ひし美さんのブログに戻ると、その「37階の男」というドラマが「セブン」から程なくした1968年(秋頃?)に宝塚撮影所で撮影され、「宝楽」という旅館が常宿で・・・という箇所があり、思わず目が止まる。宝楽!  この名前をきくと、懐かしい幼少期が甦って来る。

 「宝楽」というのは、60年代末当時我が家のすぐそばにあった旅館で、宝塚撮影所というのは、家の前にあった撮影所(実際は対岸の当時のファミリーランド内にあるのがメインで、こちらには、倉庫と、一部のスタジオがあっただけのようだ)のことなのである。


 当時まだ温泉街の雰囲気もわずかに残っていた私の家の周辺には、同じ年頃の子が沢山いて、全く面識のない子でさえいつのまにやら友達になってしまう・・・そんな環境だった。ふたつ上の兄に金魚の糞のごとくくっついて遊び回ってるうちに、行動範囲がどんどん広がる、広がるといっても実際は大したことはないのだけれど(笑)。そんな遊び場のなかに宝楽もあり、そこで親が働いてる子もいたから、きっと私も出入りしてたのだろう。その賑やかさもまた子供心に覚えていたりする。旅館の玄関の中まで記憶にある。


b0022069_21544381.jpg あの頃私たちが駆け回っていた今はもう存在しない遊び場所を、当時夢の世界だった「ウルトラセブン」の出演者のブログで見つける。実に不思議な気分。

 大人になって、色んな街を訪れるようになってつくづく、当時の宝塚は、今となってはもう殆どその面影さえ見つけるのは難しいけれど、ずいぶん個性的な街だったのだなと思う。一方で宝塚歌劇やファミリーランド、それに映画の撮影所に温泉街という、夢や娯楽の世界と、工場や商店街、田んぼもあれば新旧の全く色彩の違う住宅街もあり・・・といったもう一方の現実の世界が、ずいぶんと狭いところにゴチャゴチャと入り混じっていたのだから。よくも悪くも、そんな街にあの時代に育ったことが、今の自分のメンタリティー形成の一助となっていることは、これはもう疑いようがない。それが良かったのか悪かったのか、これは正直わからないが、ともかく、あるひとつのことだけは言える。戻りたいとは思わないし、もちろん戻れる訳もないのだけれど、あの時代の宝塚に生まれ育って幸運でしたと。
 
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by penelox | 2009-05-10 21:59 | 阪神間随想

追憶の80'sグラスゴー

Watanabe's Pop Picks 108
"State Of Art" - Friends Again
from the album "Trapped & Unwrapped" (1984)




 5月に入ってから80年代前半のスコットランドを訪問中。少し留まってつらつらと当時を振り返っている次第です。

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 このフレンズ・アゲインも、前回のボージー・ボージー同様活動期間、我々の目に触れた作品もほんのわずかでしたが、同時期の彼の地のアーティストとはまた少し違う個性的な音楽が印象に残っている人達。のちリーダーであるクリス・トムソンのBathers(ベイザーズ)と、ジェームス・グラントのLove & Moneyに分裂してしまうのですが、ちょっと聴き中庸とも取れる音も後になってその両バンドの音に触れると、両者の個性の違い(前者がよりアート指向で、後者がより生真面目なルーツ/AOR指向というと乱暴かも知れませんが)を何とかひとつの音楽のなかに成り立たせた、意外に苦心の産物だったのかも知れないなと思えて来る・・・そんなデビューアルバムにしてラストアルバムの本作からの曲をいくつか。ここに挙げたのは一番良く知られているであろうシングル。おそらくデヴィッド・ボウイが下敷きにあると思われるトムソン独特のボーカリゼーションが、実にオーソドックスなポップロックの中に上手くまとめられている曲、という感じでしょうか。

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こらちはそのロングバージョン。

■State Of Art - 12inch remix version





 前にも挙げたことがありますが、珍しいデモバージョンらしいです。
 こうやって聴き比べると、原曲をずいぶん綺麗に、あの時代なりのニューウェイヴAORに仕上げたことがよくわかります。むしろここにある剥き出しの感じをもう少し出せていたら、もっと面白かったのかも知れません。

■State Of Art - demo version




 さらにアルバム冒頭の2曲を。ヘアカット100にも通ずる爽やかなアレンジをバックにしたこの独特の歌声は好き嫌いが分かれるでしょうけれど、なかなか個性的だと思うのですよ。如何でしょうか。「ネオアコースティック」と言っても、それぞれかなり違うのがよくわかるのでは。個人的にはシングルになった"Honey At the Core"なんかも聴きたいものです。

■Lucky Star





■Lullaby No.2


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by penelox | 2009-05-08 13:48 | Pop Picks

80'sスコットランドきってのコクまろシンガー

Watanabe's Pop Picks 107
"Careless" - Bourgie Bourgie
from the single "Careless" (1984)




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 エドウィン・コリンズのOrange Juiceを出しましたんで、その盟友、ポール・クインのBourgie Bourgie(ボージー・ボージー)。





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 前回の"Rip It Up"でもバッキングVoで参加しているクイン氏、そのボーカリストとしての力量と、リリースの恵まれなさや知名度における不遇のあまりのギャップ、近年伝わって来ていた病気療養の事(現在どうなっているのか?)を考えると、もっと知られて欲しいなと思う人です。個人的にちょっとクドめのシンガーが好みなんで(何しろ歌い手としてはフィアガル・シャーキー、リチャード・ジョブソン、キャーサル・コクランがフェイヴァリット・・・)、こういう歌い手のコクの話をし出したらおそらくず~っとやってると思います(苦笑)が、その一端をちょいと端折って書けば、こういうコクのありすぎるシチューみたいなボーカリストは、あっさりしたアレンジで行くか、逆に派手なアレンジで行くなら目一杯快活で明るいのが良いと思うのですが、そういう意味でこのセカンドシングルの明るさ、快活さは好み。このシングルがヒットしなかったのが原因か、録音中だったデビューアルバムはオクラ入り、このバンドとしてのリリースはこれで終わってしまうのです。実に残念な話。


 次に挙げるデビューシングルの"Breaking Point"はマイナー調なぶん、より重くてしつこい後味かも知れませんが、「うた」を全面に出した良心的なポップミュージックなのは間違いないと思います。プロデュースは、リヴァプール編であっちこっちに顔を見せたイアン・ブロウディー。

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■"Breaking Point" (1984)





 こちらはYazoo解散後、新しいシンガーを探していたヴィンス・クラークとのコラボ。このシングルの前のフィアガル・シャーキーとのThe Assemblyが大ヒットしたのを考えると、またしても残念な結果だったようですが、クイン氏の豊かな声質がスローなシンセポップのアレンジのなかに活きた良い曲です。

■"One Day" - Vince Clarke & Paul Quinn (1985)





 一方こちらは盟友エドウィンとのコラボ。もちろんヴェルベッツのカヴァー。もうひとつこのふたりで"Ain't That Always the Way"というシングル(こちらは確かエドウィンのオリジナル)を出していて、これが彼の声がまろやかに上手く収まった素晴らしい作品なのですが、何故かYouTubeで見つかりませんねぇ(一部ならビデオで持ってるんですけれど・・・)。


■"Pale Blue Eyes" - Edwyn Collins & Paul Quinn (1985)





 80年代スコットランドの、ソングライターという括りではなく、極上のシンガーのひとりとして忘れたくない人。


>こちらに、当時のボージー・ボージーのインタビューの和訳がありますので是非御覧下さい。
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by penelox | 2009-05-06 11:55 | Pop Picks

ギターを抱いた若きダダイストよ!

Watanabe's Pop Picks 106
"Rip It Up" - Orange Juice
from the album "Rip it Up" (1982)




b0022069_065082.jpg 80年代前半の英国シーンの台風の目のひとつとなったスコットランド勢。かの地の音楽を日本でいう「ネオアコースティック」という視点で括ったとき、前回のアズテック・カメラと並び立つのがこのオレンジ・ジュースなんでしょうね。しかしながらその実体は、「ネオアコ」からも「ギターポップ」からもはみ出して行く、時にジャングリー、時にファンキー、そして時にカントリーテイストで迫るポストパンク・ギターバンドでした。60's、ガレージパンクは言うまでもなく、グラム、ソウル/R&B、ファンク、ラテン、ロカビリー、カントリーetc・・・あっちこっちから引っ張って来た音楽的要素を音のそこかしこにちりばめ、憎たらしいまでの粋なセンスで料理する若きリーダー、エドウィン・コリンズ。フリッパーズ・ギターに紹介してもらうまでもなくリアルタイムで触れていた世代として率直に言えば、その反骨精神、時代に対するダダイズム的批評眼("Dada With Juice"!)は、時間が経てば経つほど意味深くなって来る類いのものでした。

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b0022069_085160.jpg この一筋縄で行かないヒネクレ知性派アート・ポップバンドの果敢な挑戦の軌跡から受けた精神的感化もまた、いまだに忘れられない。今日チートもキラメかなくても、考え一つで明日はキラメく、兎も角クリエイティヴに行けと背中を押された・・・同じ学校の兄貴分的存在の彼らの音楽の前では、心はいつも正座し直した17歳のガキンちょ、という次第。







 個人的には、後期の彼らのチャレンジぶりが今観ると特に新鮮。

■"Bridge"
from the single "Bridge" (1984)
90年代初めの日本のギターポップバンド、ブリッジは、この曲タイトルから取ったんでしたよね。





■"What Presence?!"
from the album "The Orange Juice" (1984)
渋い。デビュー3,4年でここまで行くとは・・・。





私のレビューサイト"Multicoloured Shades"での当アルバムのレビューです。
Orange Juice "Rip It Up" review
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by penelox | 2009-05-05 00:12 | Pop Picks

水面に映った自意識過剰な17歳

Watanabe's Pop Picks 105
"Oblivious" - Aztec Camera
from the album "High Land, Hard Rain" (1983)



 ここのところ子供時代の音楽にちょいと寄り道しましたが、また通常モードに戻ります。

 連休が有る無しに関係なく5月は大好きで、実際のところは朝晩が意外と冷えて昼間との寒暖の差が激しく、ゆえに体調維持が難しい、さほど過ごしやすい訳でもないこの季節。でも、こう色んなものが本格的に動き出し、生き生きし始める季節であるのは間違いない訳で。そのせいで、仕事で猛烈に腹立つことがたとえあっても(ええ、実はありまくりでして)、何とはなしに前を向かせてくれる。そういう、心をポジティヴにしてくれる季節でもあるのが好きな理由。

 そういう時期に合うと言ったら、やっぱり爽やかで瑞々しく、陽気で快活な音楽・・・となると、私なんかはネオアコースティックと括られるものを連想するのですが、如何でしょうか。特にスコットランドの80年代前半の音楽を聴くと、胸躍るというのが私のこの時期のおなじみパターン。


b0022069_1502065.jpg アズテック・カメラ。「ディス・イズ・ネオアコ」とでも言うべき、このジャンルの名詞代わりのような彼らの音楽。個人的には正直一年じゅう聴く訳ではない彼らの音楽、聴くアルバムもやっぱり圧倒的にファーストで・・・っていうのは、ロディー・フレイム本人には内緒だけれど(笑)、それぐらい、あの頃の青春の一枚として完結し過ぎている作品。









 君に捧げる青春の風景も、思い出のサニー・ビートも、結局全部嘘っぱちだとわかってたけれど、それでも良かったんだ。空しい嘘だからこそ青春であって・・・

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 1983年の自意識過剰な17歳が、彼らの音の水面に今でもゆらゆらと映っていて、あの頃の言葉がフト、口をついて出る (ここからThe Penelopesの"1983"が自動的に流れる)。

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 こういう音楽がまた流行れば良いのにな。


■"Walk Out To Winter"



■"Down the Dip" & "Oblivious"




■"Jump" (Van Halenカヴァー)
これは2ndアルバムのシングルのB面だったと記憶してますが、このバージョンは違ったかな?




こちらは私のレビューサイト"Multicoloured Shades"での当アルバムのレビューです。

Aztec Camera "High Land, Hard Rain" review"
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by penelox | 2009-05-04 15:05 | Pop Picks