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ノスタルジックで新鮮なビートレスク・ポップ・・・・The Red Button

Watanabe's Pop Picks 173
"She's About To Cross My Mind" - The Red Button
from the album "She's About To Cross My Mind"(2007)

 ビートルズのリマスター盤が大いに話題になっていますが、彼らに影響を受けた人達による大ジャンル - パワーポップを皆様お忘れなき様。ビートルズの偉大さというのは、本家だけ聴いてわかるものではないのです。それはたとえば、英国においてよりも、アメリカでの影響力の大きさ - どれだけ沢山のビートレスク・パワーポップを輩出して来たかを考えてみた方がある意味よくわかる・・・という風に。


 ロサンゼルスというと、私などは70年代後半以降パワーポップのメッカのように捉えているところがあって、こういう人達がいると、またニタ~っとしてしまうのである。Seth SwirskyとMike Ruekbergのふたりのベテランシンガーソングライターが2005年に結成したThe Red Button。

 特にSethの方は曲を提供したリストを見ても、ルーファス・ウェインライトやアル・グリーン、ジェーン・ウィードリン、ティナ・ターナー、テイラー・デイン・・・職業ソングライターとしてのキャリアはたっぷりで、実際年齢ももう50に手が届く。こういう人たち、ビートルズが出て来た時に子供だった世代が今こういう、マージービートを甦らせたサウンドをやっているというのも、よくわかります。日本にも沢山いますもんね、オジサンのビートルズ・トリビュート的な音楽。それを単なる年寄りのノスタルジーと退けるのは簡単だけれど、一番吸収力のある時代に入ったものは永遠の煌めきがありますからね。離れられないんだと思います。それに、こういうフォーマットがある程度固まった音楽だけに、どんな味付けがされているかが面白い訳で。私などはそういう、古さ(懐かしさ)と新しさ(フレッシュさ)のブレンド具合の絶妙さを音楽に求めているので、こういうタイプの音楽でフレッシュな出来になってると、ホント嬉しくなります。

 そういう私の個人的あれこれを抜きにしても、アメリカ人らしいその半端じゃない情熱、何より、ビートルズなどの60年代音楽の中にあるアメリカ音楽への憧憬もまた匂わせていて、ここでもまた何往復目かのトランスアトランティック・ピンポン(大西洋を挟んだ卓球・・・)の深さに感じ入らせてくれる・・・それだけでも十分楽しませてくれます。楽曲のそこはかとない捻りに、むしろステイミー/ホルスアップル(The dB's)のチームを連想したのですが、彼らのページにもそう書いてあった・・・こういうところでもニタ~っとしてしまう次第。

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 上の曲のPVはありませんでしたので、ぜひ彼らのページでチェックしてみて下さい。

The Red Button MySpace page


PVはこちらがありました。

■Cruel Girl




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by penelox | 2009-09-30 23:59 | Pop Picks

さあ行こう1985年の時空へ・・・The Mary Onettes

Watanabe's Pop Picks 172
"God Knows I Had Plans" - The Mary Onettes
from the single "Dare"(2009)

 後ろ向きというよりも、原点、足場の見直し。これによっていつも心が甦る。
 私にとって原点と言うと、やはり1982年から1986年頃の主に英国音楽ということになる。その頃の音が鳴ると、色んな思いが駆け巡って来ていけない。もうさんざん聴いているものは、まぁ免疫が出来ているから良いけれど、その時代を思い出させるような音が突然聴こえて来ると・・・。しかし、それで心がまた呼吸し始めているのが確かにわかるのである。

 ここまで徹底して80年代半ばのネオサイケデリック/ギターポップしてると、もう、参ったとしか言いようがない。スウェーデンはLabrador所属の4人組、The Mary Onettes(ザ・マリー・オネッツ/メアリー・オネッツと書こうかと思ったが、マリオネッツ/操り人形に掛けてることにいま、気づいた!)の曲、"God Knows I Had Plans"。

 ぜひこちらでチェックいただきたい。

The Mary Onettes MySpace page

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 まるで英国中北部のバンドが人知れずリリースしたかのような、かつてのCherry Redのコンピ"Seeds"シリーズの"Pop"に入っててもおかしくないような楽曲(出来ればThe Wildflowersの"Things Have Changed"と並べて聴きたい)、アレンジ、音質。シンセ音が胸を掻きむしり、ギターのリフが心拍数を上げ、爽やかなサビのメロディーが心に翼を授けてくれる。私のなかでは最近聴いたなかでも即座に「永遠の、完璧な一曲」になってしまった。まるで、心を1985年の時空へ戻そうと手招きしているような曲ではないか。実に困る。

 ・・・とまぁ、ついでですので、ここはひとつ皆様もご一緒に戻って下さい(笑)。


PVはYouTubeに色々ありましたが、胸を掻きむしられた上の曲のビデオがないのがただただ残念。


 そのシングルのタイトル曲。まるでエコバニがモダーン・イングリッシュの曲をやっているかのような(逆でも可)・・・。

■Dare




こちらは1stアルバム"The Mary Onettes"(2007)の曲。

■Explosions





2ndアルバム"Islands"がもうすぐ、しかも日本盤がAvexから出るらしいですよ。

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by penelox | 2009-09-29 10:22 | Pop Picks

マドリードの温暖ポップ前線・・・Navy Blue

Watanabe's Pop Picks 171
"Ships In the Dark" - Navy Blue
from the album "At Home"(2009)

 以前、MySpaceを覗いてると世界じゅうからセンスの良いポップバンドが沢山出て来てる印象がある・・・と書きました。これはもう少し丁寧な言い方をしますと、英米ポップに馴染んでる者からして聞きやすい、英語で歌われる良質ポップロックが増えて来てる、となるでしょうか。その国の言葉で歌った方が自然なその土地らしさや深みが出る一方、英語という共通の枠組みのなかにあればこそ必ずにじみ出て来る国民性とか、地域的な個性の違いの面白さというのもあって、そういう共通の基盤/土俵/流れのなかにある(あろう)と自覚してチャレンジして来た者としては、大変な感慨があるんです。例えば、こういうタイプの音楽。ビートルズやビーチボーイズの、明快で楽天的なポップセンスとソフトでセンシティヴな側面のバランスの妙は、いまや非英語圏のアーティストの方がよほど見抜いてるんじゃないかと、スペイン出身の彼らNavy Blue(ネイヴィー・ブルー)をみていても強く思います。

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 マドリードを拠点とする彼ら、10ccやXTC、トッド・ラングレンと同時にスーパートランプやアメリカ、シカゴまで影響を受けた音楽に挙げてるのが、80年代育ちとしては妙に嬉しかったりする・・・そういう温かみと優しさが感じられるポップ。


Navy Blue MySpace page

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by penelox | 2009-09-28 10:02 | Pop Picks

愛情に任せた音楽道中・・・Brinsley Schwarz

Watanabe's Pop Picks 170
"Peace Love and Understanding" - Brinsley Schwarz
from the album "The New Favourites Of Brinsley Schwarz"(1974)

 スクイーズのニック・ロウ・カヴァーが出ましたので少し寄り道。
 ニックが70年代に率いたバンド、ブリンズリー・シュワルツ(シュウォーツ)の曲をいくつか紹介しつつ、つらつらと彼らのお話を。

 様々な音楽スタイルを持ちながら、底にはアメリカン・(ルーツ)ミュージック全体への愛情が常に一本通っている・・・パブロックの代表格として、そこが一番の特徴だと思いますが、映像を観ますと若い割にずいぶんと渋い音楽にチャレンジしてる感じもあって、本格的にひたすらルーツミュージックに邁進するという生真面目な姿勢よりも、愛情に任せて様々なスタイルを自分たちの感覚/技術を使って気軽に取り入れて行く、という、良い意味でのアマチュアリズムのリラックス感の方が強く前に出ていて、それが彼らの足跡をより個性的にしていたようにも思います。そういう意味では、精神的にインディーバンドなんですよね。こういう音楽をやっていたニック・ロウがのちスティッフでPunk/New Waveのアーティストに手を貸し、みずからもソロデビューして行くというのが納得できるというのも、そのあたりが大きいんですよね。

 有名なコステロの青筋立てた猛烈なカヴァーバージョンとはまた違い、彼ら独特のヨレヨレ感(やるせなさ感)、自然なアマチュアリズムの風通しの良さが乙な、一世一代の名曲のオリジナルからどうぞ!

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(What's So Funny 'bout) Peace, Love and Understanding

■The Ugly Things
 これもこの(ラストとなった6th)アルバムのなかのひとつ。繊細なメロディーが好きでした。




■The Look That's In Your Eyes Tonight

これも美しい曲でした。ある部分で自分の曲がモロに影響されてしまってるので今聴くと恥ずかしい(苦笑)




■Country Girl

 70年の2nd"Despite It All"から。みんな若い!
 それもそのはず、ニック・ロウ氏、この時まだ21かそこらなんですよ。ハタチそこそこでこの音楽は渋過ぎ! 大学生のカントリーロック研究会みたいな感じですね。




■Nightingale
 これは71年のサードアルバム、"Silver Pistol"から。高校時代、兄貴がアナログで持っていて、なんとも独特の美しいジャケットだったのを覚えています。何と言っても冒頭の"Dry Land"が最高なんですが、この曲も好きでした。

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■Surrender to the Rhythm
こちらは72年の4枚目"Nervous On the Road"から。




■Please Don't Ever Change
 73年の5枚目となる同名アルバムから。もちろんゴーフィン/キングのあの曲です。良い曲ですね。




 もちろん彼らなりに本気、真剣にルーツ音楽に取り組んでいたんでしょうけれど、アメリカ人でないからか、同時にどこか、本格派には成り切れないと悟っている感じもありますよね(時にニック氏の場合)。

 ですから、彼らの作品というのは、一本道を行く求道者の旅というよりも、色んな音楽が好きだという愛情に任せた気楽な音楽道中に思えます。愛する対象への独特の距離感、広い嗜好を支える知性から来るユーモアが全体を覆っていて、たぶん現役当時あまり評価が高くなかったらしいのはそのあたりが原因なんでしょうけれど、非アメリカ人によるアメリカン・ルーツミュージックへのアプローチとしたら、今からみるととても共感出来るものです。そういう意味では、ある意味早過ぎた人達なのかも知れませんね。

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by penelox | 2009-09-25 23:11 | Pop Picks

遂に遂に!・・・Squeeze

Watanabe's Pop Picks 169
"Too Many Teardrops" - Squeeze


 MySpaceで発見したアーティスト中心が続いております。まだまだ色々と紹介したい方が控えています(笑)が、今回は一休みして、懐かしい音楽に少し寄り道。今回はわが愛しのスクイーズ。

 ついについに、高校時代に聴いてハマるきっかけとなった、ニック・ロウ/カーリーン・カーターによる"Too Many Teardrops"の、スクイーズによるカヴァーのライヴ音源を発見! 





 81年頃だと書いてありましたから、たぶん聴いたのはこれではないかと思います。日本のFMでオンエアされたぐらいですから、BBCラジオでの放送のために収録され、ブートレッグにでもなっていたのかも知れません。ともかく、20年以上この音源を探していたので、上げて下さったどなたかに大感謝!


 XTC、Elvis Costello、それにSqueezeが個人的思い入れ三大アーティスト(四大となるとそこにThe Jamが入り、あとはThe Smiths、REM、The Icicle Works・・・といつものパターン)で、この曲が事実上Squeezeに出会った最初だったと記憶しています。


 彼らの印象は、何とも不思議なものでした。独特の展開をする楽曲は、XTCとはまた別の意味で個性的で、敢えて共通するところを探せば、一度目よりも二度目、二度目よりも三度目という風に、聴く度に新たな発見があり、より印象的になって行くところ・・・そうやって、何度も何度も聴ける、使い捨てとは違うポップミュージックが、実はさほど多くないということは、後でわかるのだけれど、ともかくいたいけな(イタイ気な?/笑)高校生にとっては、価値観の一端を形成してしまう程の影響力があったのである。

 彼らの音楽に出会い、その良さがわかったというのは、あくまで個人的なことだけれど、人生のなかでのとても大きな収穫のひとつだった。要するに、この新しい扉に気づき、開けることがなかったら、音楽をやることもなかった、という訳です。


こちらがニック・ロウのバージョン。彼のバージョンはもちろん味わいがあって良いのですが、正直スクイーズの方が勢いがあって好きでしたね。

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by penelox | 2009-09-24 15:45 | Pop Picks

ホームメイドAORの宝石箱・・・Scott Brookman

Watanabe's Pop Picks 168
"Seabird" - Scott Brookman
from the album "A Song For Me, A Song For You"(2009)

 AORって言っても、何のことか、今となってはわからない方も多いと思いますので一応書いておきますと、アダルト・オリエンティッド・ロック(Adult oriented Rock)、つまり大人向けロック・・・ということになるのですが、これは日本独特の言い方で、欧米だと、MORと呼ばれるものがそれに対応してたと思います。Middile Of the Road。余計分かりにくいかも知れませんが、つまりは、70年代半ばから後半ぐらいに成立し、80年代半ばまで圧倒的だった、全米ヒットチャートの王道 - 極めて聴き心地の良いコード進行、メロディー、丹念なアレンジで構成された大人向けの(主に)アメリカ産のポップロック全般と言いましょうか。

 私自身は、主にシンガーソングライター系が洗練されてそうなって行ったという印象が強いですが、もちろん実態はもっと幅広く、当時のアメリカンロックのバンドでキャリアがそれなりにあればたいていそういう要素は持ってましたし、当時のアメリカのヒットチャートに登場した白人音楽のうち、エッジの比較的少ないもの、ビートの柔らかなもの・・・それこそフォーク寄りからソウル/R&B/ブラコン寄り、ジャズ寄り、カントリー寄りと、色々ありましたが、そのあたり全般にそういうムードがあったと考えるとわかりやすいのでは。

 まぁ、個人的に高校生の頃がこういうAORの全盛期でもあり、私はそういった流れと一線を画す(?/笑)Punk/New Wave派でしたから、このあたりは横目で見ながら、影響されるのを警戒しつつ(笑)、しかし音には惹かれ、後にかなり聴き直した・・・そういう複雑な思い入れがあったりして、このあたりを書き出すとキリがないのですが、要は、ここに挙げたヴァージニア州リッチモンドのシンガーソングライターであるScott Brookman(スコット・ブルックマン)氏のこの楽曲が、そういうAOR的な要素を非常に持ってるのが気になると、まぁ、そういうお話。

Scott Brookman MySpace page

 
 もちろん、そういう方向性の人はいつの時代もいるので、それ自体は不思議でも何でもないのですが、新鮮なのは、それを非常にハンドメイドな手法で展開させているところ。楽曲はAOR的なんですが、演奏はインディーギターポップ的な温かみに溢れている・・・こういうのって、私などには実はとっても貴重なタイプの音楽に思えるんです。まぁもちろん、たとえば(今やそういうタイプの音楽の模範とさえなった)ブライアン・ウィルソンの多角的な再評価が進んだ90年代以降の感覚でみれば、彼の音楽は自然に思えるかも知れませんが、それ以前はそう簡単に結びつくものではなかったんですよね。ですから、個人的には80年代後半の英国を席巻したポスト・ネオアコな、スティーリー・ダン・シンドロームなんかを思い出したりして(Punk/New WaveがAORと繋がった、非常に面白い瞬間!)、何だか他人事には思えない感慨があります。ポップミュージックがそうやって、時代を超えて繋がったりするのを実際に音楽で体験する、これもまたスリリングなところです。
 
 四の五の書き過ぎましたね。ともあれ、まずは御一聴下さい。



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 この曲を収録したアルバム"A Song For Me, A Song For You"の楽曲はここでも試聴出来ます。


 一方こちらは98年のデビューCDからの同名曲。近年よりさらにワサワサと忍び寄るストレンジ・ポップな感覚を忍ばせていて、実に同世代だなぁと思ってしまいます。

■The Man From Operations



 ホームメイドAORの宝石箱。開けてみると中にはしかし、時々不思議な光を放つ石も混じってて・・・そんな、実はとても個性的なシンガー・ソングライター。

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by penelox | 2009-09-23 20:00 | Pop Picks

ここにもいた英国エキセントリック風味・・・Penguin Party

Watanabe's Pop Picks 167
"Someone Else's Turn T o Be Me" - Penguin Party
from the album "See Thru Songs" (2009)

 全く光の当たらないところにこそ、素晴らしい音楽は埋もれている・・・判官贔屓な私のメンタリティーを差し引いても、こういうある種の法則もまだ生きてるなと思うのは、こういうアーティストを見つけた時。英国ロンドンのPenguin Party(ペンギン・パーティー)。

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Penguin Party MySpace page

 元Reno & Rome (Animals That Swimから発展したバンドらしい)、現在Arcoというバンドに在籍するDave Milliganという人によるユニットなのだそうですが、上に挙げた曲"Some Else's Turn To Be Me"は、エドヴィン・コリンズがフィクスをバックにしてるかのようなクールなファンクポップぶりで、実に痺れました。また、"Beaten, Black and Blue"のような、スクイーズ/グレン・ティルブルック・マナーのビートルズ的展開もあったり、楽曲ごとのヒネリの効いたメロディーやアレンジはなかなかのもの。表れる年輪は、知性や引き出しの多さが象徴するある種の豊かさであり、音楽を聴く豊かな時間の大切さを思い出させてくれるものです。

こちらでも聴けます。


 こちらが彼の在籍するArco。たぶん中心なのはふたりのHealeyという人達(兄弟でしょうか?)なのですが、これまた良い音楽。

Arco MySpace page

 日本語にすると可愛らしい名前ではありますが、ペンギンを燕尾服、そして燕尾服パーティーを業界のヤラセ授賞式の胡散臭さの象徴と捉えれば、このベテランアーティストのナイーヴじゃない味わいもまた見えて来るのでは。

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by penelox | 2009-09-22 15:58 | Pop Picks

ロンドンサイケデリックの霧の向こうに・・・The Chemistry Set

Watanabe's Pop Picks 166
"Seeing Upside Down" - The Chemistry Set
from the album "Alchemy #101" (2009)

 ずいぶん昔から名前は聞いていたけれど、マイスベースで再発見するまで殆ど実像が掴めなかった、ロンドンサイケデリックの雄、ザ・ケミストリー・セット(アメリカにも同名のバンドがいるらしいので後ろにUKと付ける場合もある模様)。最初のリリースとなる88年のデモカセット以後、ジョン・ピールの寵愛を受け、以来90年代の始めまで沢山の音源がファンジンなどを通じて発表されたというのですから、個人的には何だか他人事とは思えない同世代的な意識を勝手に持ってしまいます。彼らの場合、作品をLPなどの纏まった形で出すよりも、ひたすらツアーと、インターネットが登場する前は特に大きな力を持っていたファンジンを媒体として、英米欧のアンダーグラウンドのサイケデリックシーンにその名を広めて行ったようです。その後長く沈黙したのですが、近年、Paul Lake(Vo/主にG)とDavid Mclean(Vo/主にDr)のマルチプレイヤーの二人組として復活。今年リリースしたミニアルバムの一曲が上に挙げた楽曲です。彼らのMySpaceページで聴けますので、ぜひどうぞ。

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The Chemistry Set MySpace page


 トップにあるDJリミックスの"She's Taking Me Down"はクラブ的に受けそうな曲で、これももちろん良いのですが、個人的には、本質に潜んでいるのであろう、上に挙げたシド・バレット/アーサー・リーなサイケデリック・フォークロックに惹かれます。どの曲を聴いても感じるのは、やはり年輪。色んな音楽の流行を横目で見て来たはずで、そしてそうしつつ、上手く活かして来た・・・つまり自分たちの出来ること、やりたいことを却ってしっかり把握して来たというのが感じられるんですよね。ですから若さ故の不安定さが生み出す爆発力とは違いますが、ポイントを外さない地道なサイケデリック・ポップ・サウンドには、その奥に揺るぎない音楽への愛情がメッセージとしてあることを確認出来るはずです。

 彼らの影響を受けた音楽のリストにはこうあります。

Arthur Lee & Love (never forgetting Bryan Maclean's contribution!), Syd Barrett, Tamla Motown, Brian Wilson, Ennio Morricone, John Coltrane, New Order, Van Dyke Parks, David Axelrod, The Smiths, The Byrds, The Beatles, Buffalo Springfield, Echo & The Bunnymen, Jack Nitzsche, Factory, Moby Grape, "The Further Adventures of Charles Westover" by Del Shannon, The Rain Parade, Robyn Hitchcock, plus a healthy dash of Power-Pop/New Wave, Surrealism, La Movida, Borges, Eduardo Mendoza, Raul Nunez and Spain!

 ご興味を持たれましたでしょうか?

 こちらは89年に制作されながら、未発表に終わったらしいアルバム"Sounds Like Painting"からの一曲。当時はマンチェの流行もありましたから、上手く行けばそちらの系統で名を残せたのかも知れません。そのあたりの事情はわからないので、チャンスがあったら本人達に一度訊いてみたいものです。

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■The Look Inside




 ロンドンの霧の現状がどうなのかわかりませんが、音の霧の向こうには、同じ時代を行きて来た生身の人間がいた・・・あくまで個人的なことですが、そういう感慨深いバンド。

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by penelox | 2009-09-21 10:57 | Pop Picks

ザ・グッド・ウィル・アウト(The Good Will Out)・・・The Humbugs

Watanabe's Pop Picks 165
"One More Day" - The Humbugs
from the album "On the Up Side" (2009)

 引き続き、MySpaceで見つけたお気に入りアーティストを。

 Adam(Vo/G)とKristin(Vo/Kb)のMarshall夫妻を核とするミネアポリスの五人組バワーポップバンド、The Humbugs(ザ・ハンバグス)。今時音楽スタイルに堂々とElvis Costello、The Pretenders、Blondieと書く・・・これだけで私なんかは個人的に注目してしまいます。つまりは、なんだよ古いな、とか言われてしまうことも承知で、音楽の質にすべてを賭けたことがわかるという意味で。向こうがどう思おうと、心の同志と呼びたくなる訳で。

 1999年にデビューEP"Hey, That's My Bike"、2002年に1stアルバム"Stereo Types"、2006年に2nd"Twist the Truth"を発表して来た模様。もちろん、物凄く新しいことをしてる、という訳ではないのですが、瑞々しいアレンジのコンパクトな楽曲はアメリカンポップロックのツボを実に上手く押さえていて、歌、演奏もフックが豊富で飽きさせない。エネルギーも程よい。何とはなしにThe dB'sなんかも連想しました。

 パワーポップと言っても実際は色々ある訳ですが、客観的にみれば、彼らの場合は70年代後半型のそれを現代に、フレッシュな感覚で甦らせた・・・という感じでしょうか。もちろん、そんなことを考えなくても、良質のポップロックだと思います。上に挙げた楽曲、彼らのMySpace pageでぜひチェックしてみて欲しいです。奥方KristinがVoを取る"Fireflies"、"The Bleak End"もアメリカンロックの良質エッセンスが凝縮されていてお薦めです。

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The Humbugs myspace page

■Employee Of the Month

こちらはライヴ。弾き語りだけに、楽曲の良さがよくわかります。




 日本にはこのバンドの作品が全く入って来てないようでとっても残念なのですが、"The Good Will Out"(良いモノはいずれ知れ渡る)・・・そう信じて、ここに書き残しておきます。


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by penelox | 2009-09-19 22:16 | Pop Picks

追憶の70年代陽だまり感・・・Fugu

Watanabe's Pop Picks 164
"Blackwall" - Fugu

 温かく柔らかなアレンジに包まれた甘くほのかに切ないメロディー。寸止めの美学というか、程よく抑制が効いているので何度も聴きたくなり、聴く度にじわじわ来る・・・そういうポップソングというのが、洋邦問わず70年代の半ばぐらいは多い気がする。1965年生まれの私の場合当時は子供ですから、多くは無意識なままほんの一部触れていた程度で、たいていは後追いなのですが、子供時代に流れていたそういう音楽への郷愁もあって、時折、猛烈に触れたくなるんです・・・。 

 洋楽に限って話を進めますと、そういうタイプの音楽はともかく、大変良質のシンガーソングライターを擁する音楽・・・という風に括れるものがまた多い気がしますね。あんまり拡げ過ぎるとまた際限がなくなるのですが、ウィングス、10cc、ELO、バッドフィンガーといったビートルズの流れを汲む人達、エルトン・ジョンやアル・スチュアート、ビリージョエル、アンドリュー・ゴールド、ルパート・ホームズといったシンガー・ソングライター(あんまりマニアックな名前が浮かばなくてすみません!)、挙げるとキリがなくなるアメリカンロック、70年代の大御所カーペンターズやアバといったポップスから、果てはAOR、ソウル/R&Bに至るまで、歌ものに関しては、温かみや柔らかみのあるアレンジで歌の良さを引き立てる・・・そんなところに共通点があったんじゃないでしようか。

 で、要はその頃の音楽に集約される陽だまり感あるメロディーを、このMehdi Zannad(メディー・ザナードと発音するのでしょうか?)ことFuguのここに挙げた音楽が想い出させるんですよね。
  93年に英New Castleで建築を学んでいた後(ちなみにこないだ挙げたOrwellと同じフランスはナンシーを拠点としているらしいが、北アフリカ系の人だとか)、Liverpoolのレーベル、Sugarfrostから7インチをリリースしたとのこと・・・Sugarfrost!

 このSugarfrostを主宰されてる方って、もともとは奈良でぼうしレーベルというインディーをやってたらしたんです。The Penelopesはこのレーベルに90年にデモテープを送ったのがこの世界に関わるきっかけでして、のちSugarfrostさんは私らが世に出るきっかけになったコンピ"The Birth Of The True"(92年)のアナログ盤もリリースされているので、Fuguがそのレーベルから出してたとは、何とも不思議な縁というか、感慨があります。私らが一時間借りした(実際はしてないですね/笑)部屋に、後に彼が住んでたこともあった・・・みたいな感じでしょうか(笑)。

 その後、High LlamasやStereo Labとの交流もありつつ、活動を続けて来たらしいのですが。その当時のことは全然知りません。もっと実験的だったらしいですね。

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 ともあれ、タヒチ80も参加しているという2006年のアルバム"As Found"からの数曲です。これはかなり気に入りました。

 特にこの曲は、まさしく直球の70年代ポップス風で、参ります。




■Here Today

 声の質やファルセット、コーラスなど何とはなしにキリンジを連想するのは私だけでしょうか。私自身は、キリンジというと中学時代に流行ったオフコースを思い出すので(歌詞から受ける印象は全然違いますが)、何だか胸がザワザワして来る感じです。




 時折見せる不思議な楽曲展開、これは過去の片鱗なのか知れませんね。
 
 ともあれ、日本人好みな、70's半ばっぽい陽だまり感のあるポップス・・・フランスの人がこういう音を作り出すというのがまた、興味深いですね。

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Fugu myspace page


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by penelox | 2009-09-18 23:03 | Pop Picks