<   2009年 12月 ( 24 )   > この月の画像一覧

皆様よいお年を


 年始のご挨拶もまたいたしますので、ここは短めに。
 今年はコンピレーションを出した昨年とは違って、リリースもなく、ライブは5月にやっただけですし、どちらかというと地味な一年だったと思います。mixiやこのPENELOGでは相変わらず好きな音楽のことが中心で、自分の音楽のことと言っても過去の作品の話ばかりでした。

 実際のところ、地下でコツコツとデモを溜めつつ、そういう話でいわば場繋ぎをしてるような有様でしたが、そんななかでも温かく見守り、応援して下さる皆様がまだまだいて下さるのは本当に嬉しい事です。そんな情熱にぜひとも応えるためにも、来年は作品完成→リリースへと漕ぎ着けられる年にすべく、邁進して参りたいと思います。

この一年、本当に有り難うございました。
皆様、よいお年を。
[PR]
by penelox | 2009-12-31 10:25 | 日々雑感

絵本の日々から 05

「ゆきのひ」
作・絵: 加古 里子 / 福音館書店 (1967)


b0022069_16241751.jpg


 もうすぐ一年が終わりますね。月末はいつも仕事関係でバタバタするのに加えて、年末は特に色々小さな事が増えてしまいますが、大晦日の晩はせめて穏やかにしたいものです。

 大晦日と言うと、NHKの「紅白」はもう既に我が家では定番ではなくなって久しいですが、その後の「いく年くる年」は必ず観るんですよね。騒がしいカウントダウン番組よりはやっぱり静かに除夜の鐘が聞きたい。遠いどこかにあるお寺の、大晦日の寂寞。穏やかに深い余韻をもってじんわりと鳴る鐘。そこで雪が降ってたら最高です。
そうやって日本でしか味わえない季節感、というのは確かにあって、年々それをより深く味わいたくなって来ています(ある意味オヤジ系雑誌の絶好のカモかな/笑)。

日本人の暮らしにとって雪は特別な存在・・・そういうことを感じ始めたきっかけが、この絵本だったのかも知れません。

 兵庫県南部に生まれ育ち、雪にそんなに馴染みがなかった子供からすると、この本の「かまくら」なんかは大変なあこがれでした。作者の加古里子(かこ・さとし)さんという方は工学博士という側面もあるからでしょう、理科的アプローチの教育絵本をたくさん出されていて、いずれにも子供の頃ずいぶんお世話になりましたね。

 それにしてもやはり思うのは、色使いの良さ。この絵本を今見てももやっぱり派手さはなくて、控えめでテカテカしてない色調が素晴らしいです。思うに、日本人の色彩感覚って、特にこの20数年で極端に変わった(悪く言うと劣化した)ような気がしてならないんですよね。それはおそらく色が持つ繊細なメッセージ - それこそ温かみも悲しみも含んだ、くすんだ色合い - の喪失と関係があったのでしょうね。たとえばお寺や城に行っても感じられるような、また着物にある感覚にしても、またあるいは映画を観ても、たとえば昔の大映作品のような色調は、日本人ならではの良さが出ている気がするのですが、生活のなかから、そんなくすんだ色合いの味わい深さの多くが、今現在どこかに行ってしまったままになってる気がしてならないですね。
[PR]
by penelox | 2009-12-29 16:25 |

絵本の日々から 04

「ぶたぶたくんのおかいもの」
作・絵: 土方 久功 / 福音館書店 (1970)


b0022069_0541310.jpg


 アナグマ、犬と来ると次は豚・・・なんてつもりはないのですが(笑)、絵本で動物と乗り物は避けて通れませんよね!

 しかし、私が5歳だった1970年に発売されたこの絵本の魅力を語るのはなかなかに困難な作業です。物語自体はシンプルで、お母さんに頼まれて、買い物に町を回るだけなんです。最後のページで回ったコースが俯瞰されていて、それが幼児にとって楽しい、というのは確かにあります。でも、この本の魅力はどうもそれだけではないように思うんですよね。

 そもそも主人公の「ぶたぶたくん」が決して世間的に見て可愛いらしいとみられる動物ではない・・・これも奇妙なんですが、絵もまたどこか変なのです(笑)。いや、くすんだ色調も子供向けとしたらあまり普通ではないし、出て来る人物も売られてる商品も愛らしくない(顔つきパン!)。けったいなお店のけったいな人物達。出会う友達も特に仲がいいようにも思えない。何より、ぶたぶたくんが本名ではなくて、お母さんもホントの名前を忘れてしまったという・・・そんな、あちこちのねじが何本かずつ外れていることに、大人になって見ると不気味な感じがするのだけれど、子供の頃を思い出すと、十分現実的で、共感出来てたんですよね。その証拠に、この絵本を見ると幼少時、母に連れられて逆瀬川の商店街を回ったときのことを思い出すんです。当時の逆瀬川というのは、いくつかの商店街が無秩序に並んでいて、今から考えたらよくもまああんなところに・・・と思うような奥まった場所に奇妙な店があり、不思議なおばはんがいて、変なものが売られていたのですから。そしてそんな空間で、偶然特別仲良くない友達と会ったりして、それで何だか流れで同行してみたりして、また探検が続く・・・。80年代に入ってすっかり姿を消してしまうそういう商店街での、不思議な、だけど今となっては貴重な日々が浮かんで来ます。洗練とはほど遠く、どこでどう繋がってるのか訳がわからないような無秩序さなんだけれど、エネルギーのなかに温かみも冷たさも内包した迷路・・・そんな商店街が、子供の目には、遊び場として面白くて仕方なかった。

 今絵で生計を立てている弟が一番入れあげていたこの絵本に対してオフクロは、よく読まされたけど気持ち悪かった、あんたら何であんな本が好きだったんかねぇとか言うのですが(笑)、作者のベストセラーで、福音館の売り上げベスト100でも上位にランクしているらしい。子供の視点(の、言葉を介さないがゆえの自由さ)を思い出すのに良いのかも知れない、これもまた別の意味での古典なのかも知れません。
[PR]
by penelox | 2009-12-28 00:55 |

絵本の日々から 03

「どろんこハリー」("Harry the Dirty Dog")
ジーン・ジオン(Gene Zion)・作 / 絵: マーガレット・ブロイ・グレアム(Margaret Bloy Graham) / 訳: わたなべ しげお / 福音館書店 (1967)


b0022069_013314.jpg


 犬のお話を少ししたので、こちらも挙げたいですね。この1956年刊行のアメリカの絵本(日本では1967年、まさに私の子供時代)も古典と言って良い、いまだ根強い人気を誇る名作。

 で、私が良いなと思う絵本は、たいてい色調が派手じゃないんです。むしろ今の子供向けの感覚からすると渋いぐらい。でも、子供の頃にあんまり原色のテカテカしたものばかりに馴染ませるより、味わいというか、深く心に染み込んでくるような色合いの絵本の方が良いと思うんですけどね。

 この本の色調、ぜひこちらで御覧下さい。

 色調のことばかり書きましたが、物語も、とってもわかりやすい。心配させて最後に解決する、そのカタルシスが子供にとって良いのでしょう。

「ハリーは黒いぶちのある白い犬です。ハリーはおふろが大嫌い。おふろから逃げ出してあちこちで遊び、どろだらけになってしまいます。あんまり汚れて、白いぶちのある黒い犬になってしまいました。おうちに帰ってきたけれど、自分がハリーだとわかってもらえません。途方にくれるハリーでしたが、ふとひらめきました。そうだ!おふろできれいにしてもらおう!...
きれいになったハリーのしあわせそうなこと。ああ、おうちっていいなあ...」

YouTubeにアニメがありました。


 正直絵本の方が想像力を刺激するとは思いますが、原画を大事にしてますので、これはこれでありかも。
[PR]
by penelox | 2009-12-27 00:02 |

絵本の日々から 02

「おやすみなさいフランシス」("Bedtime For Frances")
ラッセル・ホーバン(Russell Hoban)・作 / ガース・ウィリアム
ズ(Garth Williams)・著 / 松岡享子・訳 / 福音館書店  (1966)


b0022069_0131373.jpg


 この本も、特にクリスマスや新年の頃に合うという訳でもないのですが、何故か冬のある時期のメンタリティーになると思い出す気がします。小さいお子さんへのこの時期のプレゼントなどに良いのかも知れませんね。特に、なかなか寝付けない子供にはぜひ寝る前に読んであげて欲しい本。

 こちらをぜひごらん頂きたいのですが、絵は実に繊細なタッチの鉛筆画。色も殆ど白黒で、カラフルさとはほど遠い。でも、だからこそ良い様に思うんですよね。華やかさがない分、却ってイマジネーションが広がる。それに、夜という暗闇のなかで心細くなる子供の気持ちが実に上手く汲み取られているように思いませんか。

 子供時代に馴染んでいたこのアメリカの絵本をいま見ますと、何故か昔飼っていた犬に時折やっていたことを思い出します。夜中に何が原因か知らないが外でわんわん吠えている。行ってみると特に理由はなくて、何か風で揺れた草木だとか、動いた虫だとか、その程度のことで神経質になって寝付けなくなったらしく、ただぐずってるだけなのでした。で、横に行くとおすわりして何やら不満そうに鼻を鳴らす。おおそうかそうかと、身体を優しく抱いてやり、なでながら話しかける。静かにしないとみんなが迷惑するでぇ~とか、意味などもちろんわかる訳がないのだけれど、穏やかに諭していると、耳はこちらに向けていて、そのムードに影響されるのかだんだんと落ち着いて来る。そして、子守唄を歌ってやる(ホントに、ね~んね~んころりよ・・・とやるんです/笑)と、しばらくすると眠くなって来たのか犬小屋に自分から入って行き、寝てしまったのでした。寝付けない時にスキンシップでほっとしたいというのは、甥っ子や自分の子供の頃がそうだったように、犬も、はたまたこの本のアナグマも一緒なんでしょうね。

 大袈裟な展開がある訳ではないですが、さりげない親子のスキンシップの大切さを思い出させる一冊。
[PR]
by penelox | 2009-12-26 00:14 |

絵本の日々から 01


「チムとゆうかんなせんちょうさん」("Little Tim and the Brave Sea Captain")
エドワード アーディゾーニ(Edward Ardizzone)・著 / せた ていじ・訳 / 福音館書店


b0022069_23524255.jpg


 クリスマスですね。
 クリスマスと言うと、正直言って大人の事情なんかよりも子供のことを考えたいと思うんです。子供が幸せな思い出を作ってくれたら良いなと。というのも、子供がケーキを食べたり、プレゼントを開けて楽しそうにしていること自体はやっぱり見てて良いなと思うからなんです。幸せそうで良いじゃないですか。私の家、育った時代のせいなのか、個人的には子供の頃クリスマスが特に楽しかったという経験はないんだけれど(なぜなら、毎日がクリスマスみたいなもので・・・ちょっと大袈裟ですがね!)、子供というのは大したもので、たとえば絵本なんかで疑似体験したことで、それなりに楽しい思いをしていたりするのです。

絵本による疑似体験。

 子供時代に絵本で想像力を広げて、行けない場所や世界に思いを馳せたりするのは悪くない・・・どころか、とっても良いことなんじゃないかと思います。私自身、この時期に思い出すカラフルな記憶は絵本の世界のなかにあったんだなぁと、そのことを実感する今日この頃なのです。


 子供の頃大好きだった「チムとゆうかんなせんちょうさん」。最近偶然みつけて思い出した名作のこの部分。今にも沈もうとする船の上で、船長がチムにこう話しかける。

「…なくんじゃない。いさましくしろよ。わしたちは うみの もくずと きえるんじゃ。なみだなんかは やくにたたんぞ」

 荒れ狂う海の上でチムは覚悟を決めて、船長と手を握る。ここで幼い心がグッと来たのを今でも覚えているんですよ。何度も何度も、絵を見て、その部分を読んでは生まれたてのある感情を反芻していたんですよね。英語のサイトを見ると、原文では船長はこう言っていた。

"Come, stop crying and be a brave boy. We are bound for Davy Jones's locker and tears won't help us now."

子供向けの絵本で、子供に対してこんな言い方をしてたんだなぁ・・・。子供に厳しく、大人になれと促す、いかにも英国らしい本だったんですねえ。わかる。また、瀬田貞二氏の翻訳も素晴らしかったんだなぁ。

 そして、最後に救助されたあと、チムが飲む熱いココア! これが本当に味わってみたかったことも思い出します。

 こういう疑似体験を子供にぜひして欲しいものです。そこでの感動はたぶん一生忘れないんじゃないかな。
[PR]
by penelox | 2009-12-24 23:54 |

Revolverの映像から(3)

Watanabe's Pop Picks 230
"David Watts" - The Jam

 このキンクスの名曲のカヴァー、クック氏は原曲はご存知だったのでしょうか(そう願いたい)。"I'm a dull and simple lad..."から始まる、実に英国らしい世界を描いた歌詞が、ケンブリッジ出で、時代が時代なら外交官になっていた(本人曰く「大英帝国が植民地に不足しだしたのでなれなかった」)という人物にどう聴こえていたのか、それも興味深いところ。

b0022069_0495480.jpg





 今となってはポール・ウェラーよりブルース・フォクストンに目が行く。良い声してる。もっともっと彼にリードVoを取ってもらいたかった。彼の"Smithers-Jones"は名曲なんですよ・・・。
これはRevolverとは関係ないんですが、特に好きなストリングス・バージョンを。

■"Smithers-Jones"



b0022069_050756.jpg



 いちびって(=調子に乗って、というニュアンスの関西弁です)人気ブログランキングなるものに登録してみました。もしよろしければクリックして下さいませ。
人気ブログランキングへ
[PR]
by penelox | 2009-12-24 00:51 | Pop Picks

Revolverの映像から(2)

Watanabe's Pop Picks 229
"Ghosts Of Princes In Towers" - Rich Kids (1978)

表情ひとつ変えず、しかし妙に激しく紹介するクック氏。実はお気に入りだったのか? それとも体調が良かったのか?

しかし、この曲も物凄いエナジー!

b0022069_9395576.jpg




 元ピストルズのグレン・マトロックの・・・という言い方が世間的に一番通りが良いけれど、私的には(おそらくは)ミッジ・ユーロのポップセンスが流石のパワーポップ! と言いたいリッチ・キッズの大好きな曲でした。

このバンド、アルバム一枚で終わったというのは信じられないですね。

b0022069_940949.jpg




 いちびって(=調子に乗って、というニュアンスの関西弁です)人気ブログランキングなるものに登録してみました。もしよろしければクリックして下さいませ。
人気ブログランキングへ
[PR]
by penelox | 2009-12-23 09:41 | Pop Picks

Revolverの映像から(1)

Watanabe's Pop Picks 228
"This Is Pop" - XTC

 前回挙げたファビュラス・プードルズが出演していた番組は、1978年にイギリスで放送されていた"Revolver"という番組。

b0022069_10491928.jpg 私も詳しくは知らないので勉強中ですが、出演アーティストは基本的にひとクセもふたクセもあるPunk/New Wave系で固めていて、しかも司会はPeter Cook(ピーター・クック)というお人。この奇妙な存在感を放つ方は実は音楽関係の人ではなく、当時英国喜劇界ではよく知られた人物。ケンブリッジ時代はあのモンティ・パイソンを後に結成するメンバー達の先輩にあたり、60年代前半にダドリー・ムーア(左写真はそのコンビ時代のもの)とともに"Satire Boom"(風刺的な作風のコメディーの動き)を先導、そのアンチ・エスタブリッシュメントな活動ぶりで大変にリスペクトされていた人なのでした。詳しくはwikiこちらのページ- 特に「ピーター・クックの功績」-をご参考頂きたいですが、こういう人がこの時期に若いミュージシャン達を世に出す手伝いをしたと言うのはしかし興味深い。しかも、番組の作りを見ていると、「若きポップスター達を内心妬む40男の元喜劇スター」というような設定/演出になっているらしいところがいかにも英国らしいヒネクレぶりで、趣味が良い(笑)。

 ちょいとこの番組の映像をいくつか拾ってみますね。まずは私の好みから(笑)、XTC。
 もちろんXTCの若さには驚きますが、クック氏の人を食った(笑)司会ぶりに注目するのも面白いかも。



b0022069_1050592.jpg




 いちびって(=調子に乗って、というニュアンスの関西弁です)人気ブログランキングなるものに登録してみました。もしよろしければクリックして下さいませ。
人気ブログランキングへ
[PR]
by penelox | 2009-12-22 10:52 | Pop Picks

明日への(よれよれ)ステップ

Watanabe's Pop Picks 227
"Mirror Star" - The Fabulous Poodles
from the compilation "Mirror Stars"" (1978)

 今日も寒かったけれど、身体が慣れたのか、少しだけ緩んだような気もしましたね。
 何とはなしにパブロック流れの音の温かみに触れてみましたが、これは温かみというよりは、ロンドン裏通りのうらぶれ感と疲労感が年季の入ったおっさん達の皮肉混じりの音楽の中に溶けていて、キンクスが大不況下の75年のロンドンで結成されてたらこんな風になっちゃってたかなという、そういう、英国下町の匂いが染み付いた音だと思います(わかりにくいですね・・・)。こういう音楽もまた私にとっては、明日への元気の活力。活力と言っても、「さあ、頑張るぞ!」というような若々しく爽やかなものじゃなくて、腰痛に気をつけながらよろよろと、「まあ、やらなしゃあないのお・・・」と起き上がる・・・という感じなんですけどね(笑)。




 そういう、中年の、身体の芯から出て来たに違いない音は、やっぱり聴く者の身体の芯に来る音であった。
 
 ヴァイオリンを痙攣させてるヒゲのおっちゃんは、ブルーベルズからしっかり金をせしめたアノ人。

 この、彼らの1stと2ndを元にしたアメリカ編集盤のタイトルが私達の曲のタイトル"Midday Stars"に影響を与えた・・・というのは、実は誰にも知られていない。

b0022069_23381456.jpg


 いちびって(=調子に乗って、というニュアンスの関西弁です)人気ブログランキングなるものに登録してみました。もしよろしければクリックして下さいませ。
人気ブログランキングへ
[PR]
by penelox | 2009-12-20 23:39 | Pop Picks