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時代劇と特撮と昭和の残光と・・・

 いつか、昭和の時代劇と特撮をリンクさせて気ままに書いてみたいんですよね。

 そんな妄想(?)のなか、今朝時代劇専門チャンネルをつけたら、偶然やってたのは「赤西蠣太」(あかにしかきた)!

 99年の市川崑・監督によるTV版、主演してる北大路欣也が主役の赤西と、原田甲斐の二役をやってるのは、1936年の伊丹万作・監督、片岡千恵蔵・主演のバージョン(詳細がこちらのページにありました)と同じ。作りにも色々オマージュがあったみたいで、映画の技術的なことに関しては何一つ語彙がないのですが、最近のドラマではあんまりない感じがあって良かった。エエもん見させてもらいました。

 ちなみに北大路の父は市川右太衛門で、片岡千恵蔵がライバルだったというのも不思議な因縁。親父のライバルの作品を、全く同じ設定でやるなんて面白い。

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こちらが1936年版。


 で、監督の伊丹万作と言えばあの伊丹十三の父ですよ。伊丹万作というと私的にはこれ(「戦争責任者の問題」)ですね。色んな人が絡んでいて面白いなぁ。ちなみにwikiを見ると61年のTBS版は、演出が飯島敏宏、プロデューサーが石井ふく子なんだそうで、これもまたすごい。飯島敏宏というと、個人的には何と言っても「ウルトラマン」ですからね(あのスペシウム光線のポーズ考案および命名者でもある!)。で、石井ふく子っていうと「渡る世間は・・・」で有名な大プロデューサーですし。

 原作が志賀直哉だったのはそうだったっけ・・・って感じ。中学ぐらいの時に読みまくったはずなんですが覚えていない。また読んでみよっと。

 ・・・とまぁ、色んなこと、人によっては全くどうでも良いようなことを考えて、ちょっと疲れが取れました(笑)。

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で、こちらが1999年版。

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by penelox | 2010-02-27 22:34 | 日々雑感

ソウル・ディーヴァあれこれ その14

Watanabe's Pop Picks 261
"I Never Loved a Man (The Way I Love You)" - Aretha Franklin (1967)

 ソウル・ディーヴァをあれこれ語るなどという、分不相応なことを図々しくも続けて来ましたが、締めとなると個人的にはやっぱりこのあいだのティナ・ターナーと並ぶ歌姫(私的にはメイヴィス・ステイプルズがさらにその上の別格)をどうしても抜かす訳には行きません。"Queen Of Soul"、"Lady Soul"などの称号を持つこの方、アレサ・フランクリンですね。

 彼女の音楽を語る際には、有名な教会牧師であり公民権運動の活動家でもあったC.L.フランクリン(彼の説教や歌はレコードになっている程です。たとえば、これ。)の娘であること、それまでコロンビアで何枚か吹き込んでいたところを、アトランティックレコードのA&Rであったジェリー・ウェクスラー(ウェクスラー氏については、こちらのサイトが大変参考になると思います。ちなみに、氏の姪にあたるエリカ・ウェクスラーは、XTCのアンディー・パートリッジの現在のパートナーですね)が引き抜き、南部に連れて行きサザンソウルの音でレコードを作る、時代はちょうど60年代後半、アメリカ社会全体が公民権運動に代表される変革の機運に満ちていて、特にブラックミュージックを巡ってとてつもない熱気が溢れていた・・・見て来たように語ってしまいましたが(苦笑)、それぞれがある種伝説と化しているこれらのエピソードは、やはり改めてとっても重要に思えます。つまり、もちろん彼女は実力派であり、なるべくしてなったとも言えますが、今挙げたどの条件が欠けても彼女はここまでの存在にはならなかったようにも思えるんですよね。そういう意味では、時代に選ばれた人・・・とも言えるでしょうか。




 全米9位まで上昇。改めて、無駄のないアレンジかつスローな曲でこんなにスリリングで緊張感がある歌/演奏というのもなかなかないと思いませんか。サザンソウルの好きなのはそういうところ。引きの美学と言いますかね、ギリギリに抑えたところで溜めて溜めて・・・爆発! という感じ。

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 全米2位まで上昇した、良い曲だらけの67年のアルバム、アトランティックからのデビューとなる作品"I Never Loved A Man The Way I Love You"から、私のお気に入りをいくつか。バッキングVoを務めるのはThe Sweet Inspirations、以前挙げたCissy Houstonもそのひとりでした。

■"Soul Serenade"




■"Don't Let Me Lose This Dream"
ボサノヴァ的というか、ラウンジ的なのですが、サラッと聞き流せないスリリングさがあります。



■"Baby, Baby, Baby"




■"Do Right Woman, Do Right Man"

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 私が最初に彼女の歌に出会ったのは、やっぱり80年代でした。84年はティナ・ターナーの復活でしたが、それに刺激を受けたのか、85年はアレサ復活の年でもあったのかも知れません。
出会ったのはこの曲。

"Freeway Of Love" (1985)

 この曲、当時はいかにもアメリカのビルボードヒットチャート音楽的な作りという印象で、正直凄く良い、とは思わなかったんですよね。それは、アレサの声というのは、たとえばティナ・ターナーに比べると下世話(決して悪い意味ではないです)じゃないというか、ある種の端正さ、気高さがある分、いかにも80年代アメリカ的な俗っぽいダンスミユージックのアレンジとはさほど溶け合わないからなのかも知れません。
 あと、こちらのユーリズミックスの曲にゲスト参加というのもありました。

"Sisters Are Doin' It For Themselves" - Eurythmics (1985)
from the album "Be Yourself Tonight"

 まあこの頃の曲を聴いて、却って25、6歳の頃の作品の完成度の高さ、端正さと気高さが半端じゃないのがわかるのかも知れません。以下の曲がその証拠。

 1967年に戻って。その年の8月、上の"I Never Loved..."からわずか5ヶ月後に出たアルバム"Aretha Arrives" (1967)から。

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■"Baby I Love You"




■"(I Can't Get No) Satisfaction"
こんな曲もやってます。



翌68年の名作"Lady Soul"から。

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■"Chain OF Fools"




■"(You Make Me Feel Like) A Natural Woman"



アルバム"Aretha Now"(1968)から。

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■"Think"




■"I Say A Little Prayer"
ディオンヌ・ワーウィックのバージョンと聴き比べてみるのも一興かと。



アルバム"Spirit In the Dark"(1970)から。

■"Don't Play That Song For Me"




 最後に、冒頭のアルバム"I Never..."のトップを飾る、オーティス・レディングのガウァーであるシングルをライブで。全米1位に輝いた曲です。67、8年頃の彼女がどれだけ凄かったかわかるのではないかと。

■"Respect"


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by penelox | 2010-02-26 00:15 | Pop Picks

ThisTime Recordsにてオンライン販売開始!

 お知らせです!
 The Penelopesの2006年のアルバム"Summerdew Avenue"と、2008年に発売したワールドコンピCD"Sweet Psychedelic Orange"がこの度、東京のThisTime Recordsのオンラインショップにて取り扱い開始となりました!

この機会に是非どうぞ! !

"Summerdew Avenue"

"Sweet Psychedelic Orange"


■"1983" - The Penelopes


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by penelox | 2010-02-24 00:50 | The Penelopes関連

ソウル・ディーヴァあれこれ その13

Watanabe's Pop Picks 260
"Rescue Me" - Fontella Bass (1965)

 フォンテラ・バス、この方もかなりの実力派のソウル・シンガーだと思うのですが、何故かあまり紹介されませんね。とは言え、私も恥ずかしながら知ったのは割と近年でして、やっぱりこの代表曲からでした。1965年に全米4位まで上昇。

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 もともとは南部はSt. ルイス出身で、北部のシカゴに移りChessと契約、そこで上のヒットを掴んだ・・・という経緯があるので、この頃の楽曲のアレンジ自体はノーザン・ソウルの洒落た感じが目立つのですが、結構歌い方には粘りがあって、色々聴いてみますとサザン・ソウル的なシンプルなアレンジのゆったりとした曲になればなるほど、自然なコクと味わいが出て来るという印象になります。


■"Oh No! Not My Baby" (1966)
ゴフィン/キングによる佳曲。



■"You'll Never Know" (1966)
味わい深いです。




■"I Can't Rest" (1966)




■"Lucky In Love" (1967)
洒落たアレンジがいかにもシカゴ・ソウルという感じ。



■The Soul Of the(a) Man (1965)
 これまた味わい深い逸品。上のヒットのB面のようですが、本領はこういうタイプにあるような気がして来ます。




 良い楽曲に良い歌唱ばかりなのですが、大ヒットとなった"Rescue Me"での印税の取り分のあまりの少なさ(共作にもかかわらずクレジットされなかった)に失望し、長い法廷闘争のせいもあってか後の音楽活動はポップ/R&Bの世界から離れて行ったようです。夫のトランペッター、レスター・ボウイとともにパリに居を移しアート・アンサンブル・オブ・シカゴの録音に参加。

 こちらはそのひとつ、1970年のアルバム"Les Stances A Sophie"から。フランス映画"Yo-Yo"のために作った楽曲です。

■"Theme de Yoyo"
from the album "Les Stances A Sophie" by Art Ensemble Of Chicago (1970)



 ジャズだとかソウルだとか、そういう括りに関係なく、この60年代終わりから70年代初めの空気、特にアフリカ系アメリカ人のアイデンティティーへの目覚めの表明・・・そういうニュアンスを音に感じずにはいられないです。


 その後ソロアルバムも出したのですが、子育てもあって音楽活動自体から一時期引退していたとのこと。彼女の活動の全貌、ちゃんと追いかけてみたい思いに駆られます。

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by penelox | 2010-02-23 13:57 | Pop Picks

ソウル・ディーヴァあれこれ その12

Watanabe's Pop Picks 259
"River Deep Mountain High" - Ike & Tuna Turner (1966)

 60年代半ばから70年代初めの一番ソウルが熱い時期に一番ソウル・ディーヴァらしかったといったら、私的にはやっぱりこの人とアレサ・フランクリンが真打ちかなと、そう思っているのです。その歌の迫力、佇まいを前にするともはや何も形容する言葉が浮かばず、ただただ凄いなという、そういう人。特にティナ・ターナーの声が持つ野性味と言ったら、ともかく過剰過ぎ。ただ呆然と見とれているだけで、あとはただ笑みしか出て来ないんですよ。歌うために生まれて来た人だけが持つ凄みとでも言いましょうか・・・何なんでしょうなぁ、この人は(笑)。

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 まずはアイク&ティナ・ターナー時代から迫力のある映像を。三人娘のThe Ikettes(アイケッツ)のひとりはおそらく、前に紹介したP.P.アーノルドですね。フィル・スペクターの音の作りも良いです。



 まずは60'sのレコードから。熱いですが、レコードでは彼女のエネルギーを収めきれなかったのかも知れない・・・そんな印象もあります。

■"So Fine" (1968)




■"A Love Like Yours" (1966)



■"Save The Last Dance For Me" (1966)
The Driftersのカヴァー。




■"I'm Thuru With Love" (1966)
シングル"Tell Her I'm Not Home"のB面。




続いて70年代。ああ、挙げ出したらキリがないですね。濃過ぎます・・・。

■"Come Together" (1970)
 もちろんビートルズの曲ですが、ソウルフルな人が歌うと曲のなかのソウルとしての魅力が引っぱり出される気がします。




■"Proud Mary" (1971)
もちろんCCRで有名な曲すが、彼らの最大のヒット曲でもあります。全米4位。




■"Respect" (1971)
 アレサ・フランクリンのが何より有名なオーティスのカヴァーですが、こちらも熱過ぎます。




■"I Love Baby" (1971)
う~ん、カッコいい。最高レベルのソウルミュージックの前では、言葉というものの無力さを感じてしまいます・・・。



 ここで挙げて来たソウル系アーティストの多くと共通しますが、彼女のことも最初に知ったのは80年代でした。印象的だった、10代終わり頃に出会ったこの名曲。80'sをかける有線だといまだによく耳にしますね。

"What's Love Got To Do With It" (1984)

"Better Be Good To Me" (1984)
 この曲も好きでした。ずいぶん後になってThe Fixxが参加してるのに気づいたんですよね。ギターはジェイミー・ウェスト・オーラムで、PVではサイ・カーニンが登場してくるのも興味深い。いま聴くと音もまるでフィクスをバックに歌ってるみたいで、いかにも80年代的で懐かしい・・・。

■"Ball Of Confusion" - B.E.F.(British Electric Foundation) (1982)
 こちらも80年代(1982)、後で高校生の時に兄貴のテープで触れていたらしいことに気づいた、Heaven 17のメンバーによるプロジェクト、B.E.F.(British Electric Foundation)の彼女をフィーチャーしたテンプテーションズのカヴァー(そういえばヘヴン17に"Temptation"という曲がありましたね!)。エレポップというのは、ある意味当時のブラックミュージック(ダンスミュージック)に対する白人の解答という側面がある訳ですけど、ソウルフルな彼女のVoが乗っかると、さすがに格が違うというか、もはやエレポップというより、エレクトロファンク/ソウルというニュアンスが強まるんですよね。確かこれが大々的なカムバックへの布石になった筈。今聴いてもカッコいい! 英国のソウルファンに愛された人でもあったんですよね。




 60年代に戻って。やっぱり彼女は熱いステージが似合います。もはや神かがっているというか。それと繋がるのかはわかりませんが、今では日本の某宗教団体と関わっているそうで。その辺りに関しては個人的には正直ちょっと残念と言えば残念ですけども、全身全霊を込めたパフォーマンスや、あまりにアップダウンの激しい彼女の人生を考えますと、そういうものも必要になつてしまうものなのかなと。

■"Fool In Love" & "it's Gonna Work Out Fine" (1965)



■"Goodbye So Long" (1964)




■"Please Please" ~"Good By So Long"
 曲がダブりますが。ソウルと黒人教会のゴスペルの繋がりを感じずにはいられません。ともかく熱い!



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by penelox | 2010-02-21 23:18 | Pop Picks

ソウル・ディーヴァあれこれ その11

Watanabe's Pop Picks 258
"All I Do Is Think About You" - Tammi Terrell (1966)

 タミー・テレル。60年代前半、実に十代半ばからレコードを出していた彼女の場合、モータウン時代は、快活なルックスと張りのある声の天才少女シンガーから大人のディーヴァへと脱皮する、まさにその過程で亡くなってしまった、そういう印象があります。

 そしてそこにマーヴィン・ゲイとのデュエット曲の成功という光と、彼とのステージでのアクシデントによる負傷、そしてあまりに早く亡くなった(脳腫瘍でわずか24歳)悲劇という影のコントラストが色を添えていて・・・そこに注目が集まるのはある意味仕方ないにせよ、彼女自身のソロ・シンガーとしての魅力、可能性にスポットライトが当たってるのを、少なくとも日本では殆ど見かけた事がないんですよね。ここではそのあたりを補足してみるつもりで。

 まずは私が一番気に入っている、若き日のスティーヴィー・ワンダーのペンによるとろけそうな名曲。

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■"My Heart" (1966)
 スモーキー・ロビンソンによるこれはもともと65年までモータウンに在籍したCarolyn Crawfordが64年にリリースした曲。いかにもロビンソン節ですが、ヒットしなかったようです。どうもこのタミー・テレルのバージョンは未発表らしいのですが、実に良い曲。




以下ののふたつはアルバム"Irresistible"(1968)にも収録されています。

■"Come On And See Me" (1966)
 シングルにもなった曲。この後マーヴィン・ゲイとのコンビが続くのはやっぱりソロでは期待した結果にならなかったからかも知れません。が、コンビでは大成功するんですよね。



■"What A Good Man He Is" (1967)
今出しても何の遜色も無いカッコいい曲。



■If You See Bill (1961)
 こちらはScepterからリリースされた、おそらくデビューシングル。まだタミー・モンゴメリーと名乗っていた頃。実力派の少女歌手という趣。ところどころ(同レーベルにも在籍した)ディオンヌ・ワーウィックを彷彿とさせるのも面白いです。




 Marvin Gayeとのデュエット曲の方を。もちろん世間的には圧倒的にこちらの方がよく知られています。

■"Ain't No Mountain High Enough" (1967 /全米19位)



■"Your Precious Love" (1967 / 全米5位)



■"If I Could Build My Whole World Around You" (全米10位)




■"Ain't Nothing Like the Real Thing" (1968 / 全米8位)



 こうやって彼女の歌を聴くと、ドジャー/ホーランド/ドジャーのソングライティングチームや、いかにもの弾むようなモータウン・ビートはあまり似合わない気がしますし、実際歌った楽曲を聴いても、レーベル自体そう思ってたのでは?と思わせる節があります。もともと他のレーベルで育って来た人ですから、歌の個性も他のシンガーとはだいぶ違っていますし、もちろんキャリアもある実力派の歌い手ですが、むしろまだまだ若さという魅力で立っている段階で、発展途上、さあこれから花開こうか・・・という感じに聴こえるんですよね。

 モータウンもそれがわかっていて、時間をかけ新しい時代のモータウンを支える別の個性として育てようとしていたように思えます。もしかしたら時代の影響を受けてソウルフルな歌唱ももっと増えていたかも知れないし、逆にダイアナ・ロスのような方向に行ったかも知れない・・・今となってはわかりませんが、70年代以降のモータウンの変貌を見るにつけても、1970年に亡くなったというのはつくづく早過ぎますね。

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by penelox | 2010-02-18 11:53 | Pop Picks

ソウル・ディーヴァあれこれ その10

Watanabe's Pop Picks 257
"Really Sayin' Something" - The Velvelettes (1965)

 ヴェルヴェレッツ - 彼女達もまたモータウン。ガールズ・グループとしては後発で、マーヴェレッツ、シュープリームスやマーサ&ザ・ヴァンデラスほどの知名度はないのですが、なかなか良い作品を残してるんです。ウェスターン・ミシガン大学での友達、そして姉妹、従妹などで結成され、メンバーのなかには上記ヴァンデラスに加入する人もいます。メンバー写真が5人だったり4人だったり、時には3人とメンバーの変動が激しく、圧倒的に個性的なシンガーを擁したというのではないので、ここでの「ディーヴァ」という主旨からは外れるかも知れませんが、全体としての実力はかなりしっかりしてますので、彼女達の場合は複数である種のディーヴァ・・・そう言ってもいいかも知れません。当時のモータウンらしい快活なポップR&Bは、活躍した時代もあって、60年代前半のやや匿名的な「ガールグループ」の時代から、60年代後半の個性を前に出した「ソウルシンガー」の時代への橋渡し的な要素が強いです。まずは1965年に全米64位を記録した一番好きな曲から。


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 私はこの曲もやはりオリジナルよりNew Wave系アーティストのカヴァーに先に出会ったのでした。イギリスの3人組、バナナラマによるカヴァー。PVには当時手を貸していたファン・ボーイ・スリーも出て来ます。

■"Really Sayin' Something" - Bananarama (1982)
 当時の彼女達のウリでもあったのですが、実にだるそうにカヴァーしてます(笑)。十代で出会った当時はイヤイヤやってるのかなぁ・・・とか思ったものでしたが、のちにイギリスの女の子らしさを強調してただけなんだとわかりました(笑)。あちらの女の子って、普通に喋っててもだるそうですもんね(笑)。




■"Needle In A Haystack" (1964)
 これも彼らのレパートリーの中で最も知られるひとつ。モータウン傘下のVIPからリリースし全米45位。当時はひとつのレーベル名で出してもなかなかDJも興味を持ってくれなかったので、レーベル名を色々変えることで興味を持たせ曲をかけてもらうという、そういう作戦だったようです。作戦といえば、このイントロのリズムも、作り方がなかなか斬新で面白く耳に残りやすい。こういうのも大事だったんでしょう。そういう理由もあってでしょうが、ブラックミュージックのリズムにおける革新性が、どれだけ英米の音楽に活力を与えて来ただろうかと思いますね。




■"Needle In A Haystack" - The Twilights (1966)
 こちらは当時のオーストラリアのバンド、トワイライツによるカヴァー。リードシンガーはのちのLittle River Bandの人だそうです。モンキーズみたいな爽やかポップチューンに変身してます。



他にもいくつか、気に入ったものを。

■"A Love So Deep Inside"
快活な、モータウンらしい佳曲。



■"Lonely Lonely Girl Am I" (1965)
 ともかくカッコいい。ミラクルズっぽい楽曲、アレンジに思えるのですが、彼らの曲ではないんですよね? スモーキー・ロビンソンが(タイトルの"Girl"を"Guy"にでも替えて)歌っててもおかしくないような。



■"These Things Will Keep Me Loving You" (1966)
あの典型的モータウン・ビートが良いですね。



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by penelox | 2010-02-16 15:39 | Pop Picks

ソウル・ディーヴァあれこれ その9

Watanabe's Pop Picks 256
"Helpless " - Kim Weston (1966)

 改めて思うにモータウンの音楽って、曲のいくつかはよく知られていて、聴けば、ああ、どこかで聴いたことある・・・という声も上がるのですが、名前やその人のその後の活動までよく知られているかと言うと、少なくとも日本だと、よっぽどこのあたりの音楽が好きだったり詳しくないとそうでもないんですよね。英米のポップ/ロックを語る際に、その影響は絶対に避けて通れないはずなのですから、そこはやっぱりちょっと気になるところ。まぁ私も実際偉そうなことは言えませんので、YouTubeという世にも便利なツールもあることですし、反省も込めて、往年の名曲群を聴きながら私自身知識と理解の空白を埋めるべく書いて行ってる次第。

 キム・ウェストンもまたモータウンの黄金期に活躍したディーヴァのひとりであり、そして齢70を迎えていまだ現役の歌手であります。この時代の彼女は、スラッとした出で立ちに伸びやかな声、さぞステージ映えしたであろう、カッコ良いディーヴァという印象。まずは一番好きだった"Helpless"から。

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 私自身はこの曲に関してはたぶん、最初に出会ったのは80年代。当時歌手としても活躍したイギリス出身のコメディエンヌ、トレイシー・ウルマンのこのカヴァーバージョンだったと記憶してます。

■"Helpless" - Tracey Ullman (1984)
 アレンジが露骨に80年代していて、さすがに今聴くと時の試練に耐えるかというと正直微妙ですが、当時の80's New Wave系統の音楽は私にとっては、良質のソウル/R&Bを教えてくれる、いわば音楽的師匠のような役割でもありましたので、そういう意味で感謝したいですね。



以下いくつか私お気に入りの曲を。

■"Looking For the Right Guy" (1964)

軽やかなタッチのシングル曲。ハンドクラッピングがいかにも全盛期のモータウンらしいです。




■"A Little More Love" (1964)
 彼女の伸びやかな声を活かしたこれも良い曲。英国の番組の、ステージの作りもまた良し。口パクだとわかっていても、夢があります。




■"Take Me In Your Arms (Rock Me A Little While)" (1965)
 これは"Helpless"と並ぶ、長らく一番のお気に入りでした。伸びやかな声が美しい。



■"It Takes Two" (duet with Marvin Gaye) (1966)
 マーヴィン・ゲイとのデュエット。タミー・テレルとのデュエットで大ヒットを飛ばす前のパートナーが、彼女でした。



■"You Can Do It" (1965)
 これは長い事(40年も!)オクラ入りしていた曲のようです。素晴らしいノーザンソウル・チューン! どうも未発表だった曲に新しいお気に入りを見つけることが多い今日この頃。




■"I Got A Weak Heart" (1965)

 これも近年出て来た未発表曲らしいですね。最高におススメ。実に生き生きとしたこういう曲を聴くとやっぱり、実は相当歌える人なんだと、ヒット曲は多少ソウルフルな部分を薄めてたんだなというのが再確認できる気がします。モータウンのポリシーにケチをつける気は毛頭ないのですが、今では、それぞれのアーティストが持っているものを相当抑えて行かざるを得なかったレーベル方針に、一方でアメリカという国の悲しみも感じてしまうのも事実。




■"Drop In the Bucket" (1964)
 少し前の時代に戻って。最近は個人的にこういうブルージーな旋律の曲がまた心情的にかなりしっくり来るんです。年取ったからでしょうか(苦笑)。




 彼女もまた、レーベルとの良好な関係は長くは続かなかったようです。66年に同レーベルのプロデューサー/A&Rであるウィリアム・スティーヴンソンと結婚すると、翌67年にはその夫の手引きでMGMに移籍。のちに印税の取り分を巡りモータウンを訴えていますから、やはりビジネスとしては色々あったのでしょうね。しかし、今でもレーベルメイトだったMary Wilson(元Supremes)やBrenda Hollowayらとライヴを時折しているらしいですから、シンガーとして思い出深い時代でもあったのだろうと思います。

■"That's Groovy" (1967)
 MGMに移籍してのシングル。アレンジがオーケストラルなのがいかにも67年的ですが、モータウン時代のヒット曲よりもスケールの大きな歌を展開しています。




 またこの時期に、アフリカ系アメリカ人としてのアイデンティティーを歌い上げる、"Black National Anthem"と称される曲をリリースしています。それがこちら。彼女の3rdアルバム"This Is America"(1968)に収録。

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■"Lift Every Voice and Sing" (1968)
 その後彼女はStax/Voltに移り、そちらでもこの曲をシングルとしてリリースすることになります。こちらは1972年のあの"Wattstax"の映像から。モータウン時代とは見た目が大きく変わり歌唱もさらにスケールアップしていて、時代の変化というのも考えずにはいられません。
また、アメリカの歴史、いまなお続く現実を考えるに目を反らせない映像でもあります。



 この"Lift Every Voice and Sing"の詳細についてはこちらもご参照いただきたいです。



 その後もレーベルを変えながら活動を続けて来た彼女。現在はラジオのDJとしても活動しているようです。こうしてまとめてみると、60'sのモータウンから70'sのスタックスへ・・・というのは実に華麗とも、意外に珍しいとも思います。大きく変わって行く時代の波に、翻弄されるというより見事に生き方が合い、そして活動に恵まれた人だったのかも知れません。どうしてもノーザンかサザンかで区切りがちの日本ではそのあたりにちゃんとスポットライトが当たりませんが、興味深い活動を続けて来たシンガー。

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by penelox | 2010-02-15 11:53 | Pop Picks

Twitter始めました



 横にもリンクを貼りましたが、Twitterを始めてみました。
 いつも流行について行くのがずいぶん遅い私なので、真冬の冷やし中華みたいな違和感バリバリですが(笑)。

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by penelox | 2010-02-13 21:05 | 日々雑感

ソウル・ディーヴァあれこれ その8

Watanabe's Pop Picks 255
"Every Little Bit Hurts " - Brenda Holloway (1964)

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 ブレンダ・ホロウェイもまたモータウンの黄金期を彩ったディーヴァのひとり。彼女といえば何と言ってもこの曲でしょうか。18になる寸前の女の子が歌うには渋過ぎにも思えますが!

Brenda Holloway is one of the divas who coloured the golden era of Motown Records.While this track is personally most impressive, the song style also seems too old for a 18 year young girl singer!





 この曲にはいくつかカヴァーバージョンがあります。私の場合は何といってもオリジナルより先に出会った、Spencer Davis Groupのこちらに尽きます。

Several good cover versions of this song exist, and one of the most memorable to me is by Spencer Davis Group. I heard this version in the mid 80's but strangely, at that time I thought I had heard the song before...maybe in my dream? Anyway the amazing thing was that Steve Winwood was only seveteen then...

■"Every Little Bit Hurts" - Spencer Davis Group (1965)
 80年代半ばに初めて聴いた時、どこかで聴いたような覚えがあったんですが・・・夢の中かも(笑)? ともかく、誰のオリジナルか当時は知りませんでしたが、懐かしいな、良い曲だなと感じ入ったものでした。この録音でスティーヴ・ウィンウッドはわずか17歳! ノドの早熟ぶりにはビックリしたものです。




以下の曲達も素晴らしい。

The following tunes sound all great.

■"When I'm Gone" (1965)

This is one of the songs Mary Wells had released already. I guess the label wanted Brenda to be a post Mary Wells. Her clearer, sharper vocal style provides with some impression of the new beginning of Motown in the mid 60's. Refreshing!

 彼女はメアリー・ウェルズの持ち歌をふたつカヴァーしてるのですが、これはそのひとつ。ウェルズとの契約が切れると同時に大々的に売り出して行くことからしても、モータウンとしては彼女のスタイルでいわば二匹目のどじょうを狙ったのだと思いますが、ウェルズ女史よりも鋭くクリアーな(線が細いとも言えますが)声は、より若々しさがあって、新しい時代と感じさせたのかも知れません。




■"All Your Love" (1965)
 モータウン・ビートに乗ってノリの良い歌唱が聴ける佳曲。彼女、この年のビートルズの全米ツアーの前座に起用され、ずいぶん気に入られたんだそうで。この年にはソウルミュージックの躍進をもじったタイトルである名盤"Rubber Soul"をリリースすることを考えますと、英国ロックとモータウンの繋がりもまた面白いです。

I really love this "Motown" beat. She was chosen as opening act for The Beatles' US tour in this year. And it was the year of "Rubber Soul". Cool!




■"Just Look What You've Done"(1967)
 溌剌としてて良いですね! しかしその舞台裏ではなかなか自分の思ったように活動出来ない辛さがあったようです。

She's keeping the groovyness!
But she may have had a hard time behind the scenes...Tired of being a puppet?




■"You've Made Me So Very Happy (1967)
 実は彼女もメアリー・ウェルズと同じく、自らがソングライターでもあったといいます。それゆえまた彼女もウェルズ同様モータウンのヒット量産システムにおいてはかなりアーティスト性を制限され、苦しい立場に追い込まれたように思えます。これは64年に既に録音されていたにもかかわらずリリースされず、数年後にやっとリリースを許されたという、数少ない自作(共作)シングル。

Like Mary Wells, she was originally a singer/songwriter. So maybe the label's policy restricted her ability too much.This single co-written by her took years to be released. Really good tune though.The ironic thing is that she retired from the business and then the song became a big hit by BS&T.



 やっぱり本人が書いた曲の方がのびのび歌えてると思うんですよ。しかし、モータウンは基本的にそういう方針で伸びて来たレコード会社ではなかったんですよね。

 残念な事にこのシングルを最後に68年、彼女はレーベルを離れ、結婚し音楽活動から引退してしまいます。ところがこの曲、皮肉な事に69年にブラッド・スウェット&ティアーズにカヴァーされるや、大ヒット(全米2位)を記録してしまうのです。1968年の段階で、モータウンのそれまでの、女性シンガーを操り人形のように使うシステムはもはや限界に来ていた・・・そう言えるのかも知れません。何とも変革の波は早かった。考えてみればこの年から少し経つともう、自作自演の女性アーティストも当たり前になる訳ですから。


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by penelox | 2010-02-13 08:53 | Pop Picks