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天才シンガーソングライター/マルチプレイヤーのストレンジ・ポップ・マジック (5)

Watanabe's Pop Picks 266
"Village Ghetto Land" - Stevie Wonder
from the album "Songs In the Key Of Life" (1976)

 ワンダー氏の5部作と呼ばれる72年からの作品群ですが、この76年の所謂「キー・オブ・ライフ」が過去4作の総決算として考えるとまさにその通りだなと思いますね。ここまでひたすら私的な「自然とにじみ出る摩訶不思議感」というキーワードで彼の70年代の諸作を追って来た訳ですが、この5枚というのは、そのキーワードで括れる要素がどんどん整理され、ポピュラーミュージックとして洗練されて行ったプロセスに思えます。アメリカの、特にブラックミュージックに必ずついて回る、アート性よりもポピュラリティー、そして人種を超えてアピールする音楽によるポピュラリティーを、黒人コミュニティーとの繋がりを失わずにどうやって獲得して行ったか・・・この天才であり努力家である大変な音楽家の絶頂期の作品群を聴いてみて、色々と勉強になりインスパイアされつつ、複雑な心境にもなりつつ・・・そんな感じでした。

 1976年というと、アメリカ建国200年。当時の盛り上がりは子供心にも覚えているだけに、この作品の神懸かり的完成度はあの年の祝福の風にも乗っているのではないかと、そんな印象さえあるアルバム。しかしこのなかでは、また私らしく(?)、あまり光の当たらない、だが、きっと彼が入れたかったであろうこの曲を。自分の足下をしっかり見つめなければここまで質の高い音楽は作れない、そのことを肝に銘じるつもりで。



アルバムで気に入っている曲をいくつか。

■"Knocks Me Off My Feet"



■"Summer Soft"
不思議なコード展開は相変わらず。




■"Isn't She Lovely?"
 "Sir Duke"とともに、アルバム中最も有名な曲のひとつでしょう。かなり素直な展開で、みんなで歌えるタイプですが、愛娘を前にした祝福感、幸福感がこぼれてますね。



■"Joy Inside My Tears"
 これも心地良いですがよくよく聴くと奇妙な展開・・・ただ、それがスティーヴィーだ! というぐらいもう当たり前になっているので、誰も気づかない、そんな感じでしょうか。



■"As"



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by penelox | 2010-03-22 23:56 | Pop Picks

"CosmoPOPlitan Vol.3"をiTunesで


 この間書きましたThe Penelopes参加の英レーベルO Bosque/Woodlandによるワールドワイド・コンピ"CosmoPOPlitan VOl.3"ですが、早速iTunesでも販売されています。ぜひぜひチェックしてみて下さい!

iTunes


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by penelox | 2010-03-21 00:23 | The Penelopes関連

フレッシュな気持ちで

 本日音楽制作用に新たにPC(iMacの一番安いやつ)、それに音楽制作ソフト(Logic Studio)を購入、ようやく録音機材が揃って来ました。まだワークステーションとしては3度修理したXP-50も一応使うつもりだけれど、やっとフレッシュな気持ちで音楽作りにまた向き合えそうな予感。

 フレッシュな気持ち。これを取り戻すのはホントに難しい。
 人に聴いてもらってこそ音楽はまた息を吹き返し始める、という部分があるのだけれど、そこまてもって行く為に、エラくお金を一杯使って、ところがそれでまるっきり戻って来なかったから(苦笑)、ずいぶん無意識のうちに自分の音楽に否定的な意見ばかり持つようになっていた。最近、アルバムを出して3,4年経ってやっとコンピの話が来たり色々コメントをもらったりして、それではじめて自分以外にどう聴こえているのか、曲の中の良いところがわかったり・・・そんな風だった。
 だからここ数年はホントにもがいていた。作曲もついつい手癖、アレンジもマンネリ、自分の声からは逃れられない。しかも、生活で手一杯で、時間も集中力もなかなか持てない。とどめは、もはやCDを売ってどうこう、などという時代じゃなくなってしまった・・・ほっとけばどんどんモノ作りへのエネルギーというか意欲が減退して、音楽活動が自然と滞ってしまう。こんなはずじゃない、これじゃいけない、と思っていても、どうせこんなもん、というムードが日常を支配しがちだった。20代の時のあの燃えたぎる思いは何処へ行った・・・そんな自分に自然と腹が立つのでした。

 でもそれはそれ。この年齢で色々思うのは当たり前・・・やっとそう思えるようにもなって来たのかも知れません。その歳なりの情熱でやれば、と。

 今でもフレッシュな気持ち、感覚で音楽に向き合い続けるのは本当に難しいれど、ようやくそうなれるお膳立ては整いそう。

 あとは自分次第だな・・・(苦笑)。


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by penelox | 2010-03-17 23:20 | 日々雑感

英レーベルのコンピレーション"cosmoPOPlitan"

 英国のインディーレーベル"O Bosque/Woodland"によるワールド・コンピレーション""cosmoPOPlitan"のVol.3が発売されます。

 全25アーティストからなるこのコンピに、The Penelopesの楽曲"Gentians"が収録されています。ビートルズ/ポール・マッカートニーの好きな方にはオススメのポップチューンです。

ダウンロード版は既に発売になっているようです。
Amazon UK

ぜひチェックしてみて下さい!

こちらがレーベルブログです。


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by penelox | 2010-03-14 10:54 | The Penelopes関連

天才シンガーソングライター/マルチプレイヤーのストレンジ・ポップ・マジック (4)

Watanabe's Pop Picks 265
"They Won't Go When I Go" - Stevie Wonder
from the album "Fullfillingness' First Finale" (1974)

 私はソウル/R&Bとか、ロックとかの区別とは別に、基本的にシンガーソングライター指向(シンガーソングライターがいるバンドが理想。なので、ビートルズとかコステロ、XTC、スクイーズ・・・や、ネオアコースティックと呼ばれる人達の流れが好きだったんだと思います)なので、そういう方の音楽に関してはついつい分析的になってしまいますが、もう少しおつきあいください。

 "Music Of My Mind"から"Songs In the Key Of Life"までの5枚を5部作とか"Classic Period"と呼ぶらしく・・・ということを書きましたが、本人がそう言ってるにせよ、音楽評論の世界でそう結論づけられてるにせよ、聴いて行きますと最初の3枚と、この4枚目となる所謂「ファースト・フィナーレ」では、実際のところずいぶん音の感じが違う印象があります。ぶっ飛んでないというか、カチッと常識の範囲内に収まっているというか、ともかく天才ゆえの常人離れした感覚がこの作品では少し薄れた感じがするんですね。。完成度の高い、良いアルバムだとは思うんですが、シングル曲の"You Haven't Done Nothin'"(邦題「悪夢」)や"Boogie On Raggae Woman"(邦題「レゲ・ウーマン」)の賑やかさキャッチーさで気付きにくいけれど、他の楽曲は前3作と比べると実はずいぶん落ち着いていて、重厚なんですよね。その結果、全体としてはシングルとアルバムをきっちり分けて役割分担してるという計算性というか、隙のない、手堅い優等生と向き合ってるような感じがどうもつきまとうんです。きっと手作り風ポップ好みの私としては、人間的なゆらぎというか、訳のわからなさが少々恋しいんだと思います、前はもっとへんてこりんでしたやん、みたいな(笑)。まぁ、まだ聴き込みが足りないだけなのかも知れませんのであくまで今の印象に過ぎませんけどね。

 この頃のスティーヴィー・ワンダーに関してよく知られるエピソードなどを元に、そう感じる理由を色々分析してみますと、まず何より前の2枚"Talking Book"、"Innervisions"で大変なポピュラリティーを獲得したことが大きいのかなと。それによって、守りに入ったとは思わないけれど、どうやったら大衆に受けるか、本人か、周りのスタッフかはわかりませんが、それが意識的か無意識的かは別としてかなり身に付いて来たんじゃないかということ。それと彼の音楽家としての人生の大きな転機として挙げられる、73年夏の交通事故。もしかしてこの作品の録音はそれ以前だったのかも知れないので断定は出来ませんけれど、生死の境を彷徨い、一時は味覚まで失ったことから、そのリハビリのなかで慈善事業や平和活動などの社会貢献に目覚めたという事がよく記述されています。そうだとすると、この大変な試練のなかで、誰に向けて何を歌うか、どう歌うか、それらが彼自身の心の中ではっきりと整理されて行ったのではないかなと。もちろんそれは素晴らしいことですし、以後もワンダー氏は創造性溢れる音楽家であり続けたとは思いますが、おそらくシンセサイザーと気侭に戯れることで結実したのであろう彼独特の音楽 - 心の流れのままを描く、という行為ゆえに時に官能的でもあった - にあった未整理ゆえの自然な摩訶不思議感は、沢山の人に伝え続けるという目的のもとに、ここで大きな転換期を迎えたのは事実ではないでしょうか。

 ともあれ、ストレンジ・ポップな部分はずいぶん減退したと思うのですが、ポピュラーミュージックとしてはよりわかりやすくなったと思います。この作品で遂に全米アルバムチャート1位を獲得、シングルの方も上述の"You Haven't Done Nothing"が1位、"Boogie On Reggae Woman"が3位と、何とも凄まじい勢い。でもあくまで個人的には、やっぱりヒットした曲の完成度よりも、前の3枚にあったパーソナルさゆえのヒリヒリ感/摩訶不思議感が迫って来る方が恋しいので、それがまだ残っている感じがある、この祈りのような歌を。これは節回しにも歌詞にも非常に瞑想的なものを感じますし、決して完成度が低いとか、そういうものではないのですが、内に向かう姿勢が強い分、カチッとしたまとまりに収まって行かなかった印象があるのです。



 こちらはジョージ・マイケルによる1990年のカヴァー。アルバム"Listen Without Prejudice"に収録、ライブ録音なんだそうで。音程は下げてますが節回しも同じように歌ってます。彼もワンダー氏にはかなり影響を受けてそうですね。ただ、カヴァーというのは役者と台本みたいな関係に思えるんですよね。演ずる人の奥底の何かとセリフが共振した時、より素晴らしいものになるという。そういう意味では、彼がこれをカヴァーした理由は何だったのか、それも興味が湧きます。

"They Won't Go When I Go" - George Michael

 アルバム"Fullfillingness' First Finale" に戻っていくつか気に入っている曲を。

■"Creepin'"
 概して穏やかなこのアルバムを象徴する曲に思えます。よりわかりやすくなったというのは、彼独特のコード進行にも慣れて来たからなのかも知れません。



■"It Ain't No Use"
 彼本人の結婚生活の破綻がテーマらしいのです。そういう転機も確かにあったのかも知れないけれど、とにかく音楽としてより成熟した印象がありますね。



■"Please Don't Go"
 何だかんだ書きましたがやっぱり良い曲書きます。良い曲が多過ぎて目立たない作品も多いのかも知れない・・・そんな気もして来ました。それとハーモニカがやっぱりスティーヴィー節で良いですね。



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by penelox | 2010-03-13 23:30 | Pop Picks

The Penelopesの楽曲が使われた短編映画「雪の再会」、YouTubeで御覧頂けます

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 コンピレーション"Sweet Psychedelic Orange"収録のThe Penelopesの楽曲"Trick Of the Light"が使用された、マイミクのitasachiさんこと飯田紗子監督による短編映画「雪の再会」がYouTubeにアップされました。

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こちらです。ぜひ御覧下さいませ。




Cinema Production VELVET(飯田監督のサイト)
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by penelox | 2010-03-11 00:00 | Vostokコンピ関連

天才シンガーソングライター/マルチプレイヤーのストレンジ・ポップ・マジック (3)

Watanabe's Pop Picks 264
"Golden Lady" - Stevie Wonder
from the album "Innervisions" (1973)

 デビューして10年となった1972年にアルバムを2枚もリリースし、特に"Talking Book"で高い評価とセールスの両方を達成してソウル/R&B界にとどまらないシンガーソングライターとして一気にスーパースターの座へ駆け上がった(それまでももちろんスターではありましたが)と言えるワンダー氏ですが、この段階でなんとまだ御年22歳。翌年には早くもさらに洗練されたこの作品"Innervisions"(全米4位)を発表するという離れ業。このハイペースのリリースは結局74年の"Fullfillingness" First Finale"、76年の2枚組"Songs In the Key Of Life"まで続くのですが、ともかくその才能、飽くなき創造意欲には正直溜息しか出て来ないですね。

 また、時代との幸福な巡り会いも感じずにはいられません。70年代前半の英米のポピュラーミュージックに象徴的に映し出される心象風景を考えてみますと、60年代後半の革命的時代が去ったその後・・・という表現がやはり相応しい気がします。60年代の楽観主義は敗れ去りヘヴィー/ハードな音楽が広がる一方で、傷ついた心を癒してくれる優しさと、それでもどこかで拠り所となる希望を求めていて・・・そういう、基本内省的という印象が強いのですが、それは結局60年代をまだ引きずっていたからだと思うのです。で、そんな内向きに傾いた心情が先進国の若い世代の多くを覆っていた時代を汲み取るかのような、心の音を映像的に自在に描くソングライティング/演奏力と、ソウルフルなエネルギーに溢れたポーカリゼイションを併せ持つシンガーソングライターとなれば、当時の風潮にさぞマッチしたんじゃないかと思います。もちろんワンダー氏自身もそういう時代の空気を無意識にか意識的にか感じ取って創作に取り組んでいたとも思いますが、とにかくこの時代より早くても遅くても、また少し評価が違ったはずで、そういう、同時代と呼応した化学反応というのも、ポピュラーミュージックの面白いところだなあと・・・また見て来たように語ってしまいましたが、いまそう感じるのも事実です。

 実に様々なタイプの音楽が収録されているこのアルバムで一番好きなのが、この楽曲。実に流麗で洒落た展開でありつつも、昨今のこういうタイプの音楽ならついて回る窮屈さが微塵も感じられないんですよね。摩訶不思議な展開には気難さはなく、緩やかさを感じますし、そこに何より無垢な歌詞ともども計算の無い手作りの温かみがある。比較問題に過ぎないかも知れませんが、今の似た様な音楽よりスケールの大きい、幸福なポップミュージックとして響くんですよね。




 "Innervisions" (1973)からもう少し。またしても有名曲よりもこの辺りに個人的聴き所を感じています。

■"Visions"
 美しいがかなり風変わりな展開・・・彼らしさのひとつの象徴では。それにしても、アルバム2曲目にこんな派手さの無い曲を持って来るというのもまた凄い。




■"All in Love Is Fair"
 大変有名なバラード曲で、ご存知の方も多いでしょうけれど、やはりオーソドックスなようで変わったメロディー展開。そしてまたいつもの通り、それは心地良いピアノと神業のVoの力量ゆえに目立たず、わざとらしい計算に妨げられることなく、あくまで自然に伝わって来る・・・。この摩訶不思議でありながら自然な訴求力というのはホントに謎なんですよね(笑)。神が遣わした・・・なんて表現は好みではないのですが、そう呼ばれる作品と言うのは、その絶頂においては、以前挙げたシュープリームスやアレサ・フランクリン、、ティナ・ターナー、ステイプル・シンガーズといった人達にも通じますが、確かに神がかった瞬間を感じるんですよね。ワンダー氏の音楽は、人間の心とそこに訴えて来る音楽の、プリミティヴだが謎めいた関係を図らずも示してくれる気がします。



■He's Misstra Know-it-all
 彼にしてはかなりシンプルな構造な楽曲で、明快で陽気。ファンキーな要素も比較的抑え気味ですが、これは出来るだけ多くの聴き手、つまり社会全体(彼からするとアフリカ系コミュニティーだけではなく、より数の多い白人層も含む)に強く訴えたいメッセージがあったからなのかも知れません。心地良い音楽ですが、歌詞は当時「ウォーターゲート事件」の渦中にあったアメリカ大統領、リチャード・ニクソンへの痛烈な揶揄。



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by penelox | 2010-03-10 00:15 | Pop Picks

ドイツのウェブラジオ"John Peel Radio Session Germany"でThe Penelopesがオンエアされます

 ジョン・ピールをリスペクトするBlue Fred氏が主宰するドイツのJohn Peel Festivalというイヴェントがあるのですが、そのウェブラジオであるJohn Peel Radio Sessionで、本日3月7日の放送でThe Penelopesの楽曲がオンエアされます。他に紹介されるアーティストはThe Bitter Springs feat. Vic Godard、Graham Parsnip、Archers by the sea、The Van Allen Belt、Operation Dropkick、Peter Hope 、Allen Brown、Gretelなどなど。

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こちら
20:00 - 22:00 live and livestream

 ドイツで日曜日20時ということは、時差8時間ですのでたぶん月曜日の朝方4時になってしまいますが、もし機会がありましたらチェックしてみて下さい!

■John Peel Festival のMySpace

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by penelox | 2010-03-07 17:36 | The Penelopes関連

The Penelopesの楽曲が映画に使われました!

 飯田紗子さん監督による短編映画「雪の再会」が明日3月7日(日)に江古田Cafe FLYING TEAPOTでの上映会でかかります。

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 実はこの作品に、2008年リリースのコンピレーション"Sweet Psychedelic Orange"収録のThe Penelopesの楽曲"Trick Of the LIght"が使われているのです。本当に嬉しいですし光栄ですね。またこういう映像とのコラボレーションというのはずっとやりたかったことなのでとても興味深いです。 監督有り難うございます!

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 こちらが飯田監督の主宰するCinema Production Velvetのサイトです。

「融解座」上映会
「雪の再会」
出演:大西貴之 撮影:木下健浩 監督:飯田紗子
音楽:The Penelopes ”trick of the light”
場所: 江古田Cafe FLYING TEAPOT

東京都練馬区栄町27−7 榎本ビルB1
西武池袋線江古田駅歩5分 / 都営大江戸線新江古田駅歩10分
tel: 03−5999−7971
日時:3月7日夕方5時頃から
入場無料:ワンドリンクオーダー

 2分ぐらいの作品です。飯田監督作品はもうひとつ、「揺れる部屋−rockin' room-」(12分)も上映されます。他にも様々な作品が上映されますので、ぜひぜひ御覧下さいませ。

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by penelox | 2010-03-06 22:12 | Vostokコンピ関連

天才シンガーソングライター/マルチプレイヤーのストレンジ・ポップ・マジック (2)

Watanabe's Pop Picks 263
"You and I (We Can Conquer the World)" - Stevie Wonder
from the album "Talking Book" (1972)

 彼の存在を知ったのは、いつぐらいだったか・・・中学生ぐらいの時でしょうか、TDKのカセットのCMに彼が登場したんですね。これです。



 調べてみると80年ですから、私中三です。しかしこうやって観ますと、ここの主旨とは関係ないですが、当時は日本のCMも元気でしたねぇ。素晴らしかったとは思わないけれど、金がかかってます。30年経って、こういう時代から、この国は実に遠いところに来てしまったなぁという感慨があります。

 そうそう、そして同じ頃に、東京音楽祭への彼のゲスト出演をTVで観たんだと思います。調べてみると1981年3月29日の第10回大会で特別ゲストとしてライヴをやってます。ちょうど高校入学を間近に控え、混乱と緊張と期待に胸をふくらませていた時期(そしてそれはものの数週間後に消滅するのですが・・・/笑)・・・これだ!



 当時はこと音楽に関しては兄貴にくっついて行くだけだった私、洋楽一辺倒になっていた彼の影響で、当然情報はバンバン入って来ていたのですが、この映像を全部ちゃんと観てたかというと心許ない。それに何より、ワンダー氏の音楽の素晴らしさを十分味わうところまで、耳が進んでなかったようにと思います。中三の段階では洋楽と言うとただひたすら観ては、へえ~、凄いなぁ・・・ひたすらそれだけでしたからね(笑)。

 前回書いた"Music Of My Mind"と同じ1972年に、スティーヴィー・ワンダーはもう一枚アルバム"Talking Book"をリリースしています。このアルバムが全米3位、2枚のシングル"You Are the Sunshine Of My Life"と"Superstition"(邦題「迷信」)がともに全米1位を獲得し、世間で言うところの黄金時代が始まった訳です。ちなみに、前作からの5枚が彼の"Classic Period"5部作であり、これがその2作目、とも呼ばれますが、これは何なのでしょう、本人がそう呼んでるのでしょうか?

 ともあれ、前作より格段にわかりやすくなった作品です。特に上に挙げたヒットシングル2曲が実に明快で、前者は完成された華麗なるスティーヴィー節のポップであり、後者も実に完成度が高く、ファンクさとポップさのバランスが絶妙。80年代のスティーヴィーというと既に完成された音楽を奏でるきらびやかなポピュラーミュージック界の人、という感じでしたから、70年代初めのこの作品で前作の項で書いた様なポピュラリティーを得て行く彼の基本線が完成されたというのがよくわかります。

 だけれども。だけれどもですよ、一際強調しときたいのは、やはり前項で書いたように全体としては相変わらずポップでいて摩訶不思議だということ。それはやっばり、私が個人的に好きな三つ目の線 - つまり美しいバラードにおける、あまり思いつかないような展開を見せるメロディーが、あれっ、ちょっと流れがおかしくなりそうだなと感じさせるその瞬間、スッと解決させて心地良くしまう彼特有のストレンジ・ポップ・マジック。これがやはりあるからだと思うんですよね。技術的にはもちろん、コードそのものの複雑さ、テンションコードの多用とか、また進行そのものの複雑さ(ポール・マッカートニーを比較に出しましたが、そういう意味では同時代のスティーリー・ダンと比較した方が良いような気もして来ました)などと言えてしまいますが、大事なのはおそらくはそれがわざわざ難しくしようと意図したものではなくて、心のなかで聞こえる音世界を頼りに自然と生まれて行ったものに聞こえるということ。たとえ技術的には真似出来たとしても、誰もここまでの歌心に到達出来ない訳で、そこがまぁ、この方のワン・アンド・オンリーたるゆえんなのでしょう。

 と、言う訳で、これぞワンダー氏のストレンジ・ポップ・マジック! ってのを選んでみました。まずはこの、美しいバラード。




 部分部分でポールもしくはウィングス、あるいはELOに通ずるとかよく思うんですが、比較として不適当でしょうか? でも、同時代でこれほど売れた作品ですから、彼らに影響を与えたのかも知れませんよね。それにしても、3:50あたりからの声の尋常でない伸びで展開して行く世界はもう、この方しか行けない場所。宇宙と交信してるかような、別世界の崇高さが漂って来ます。

 アルバム"Talking Book" (1972)からの楽曲をもう少しいくつか、好みのストレンジ・ポップ的な視点から。敢えてヒット曲は外してみましたが、他の曲も常習性(?)を持っていて素晴らしいです。

■"Tuesday Heartbreak"
 彼らしい不思議な、一筋縄で行かない曲。この手のタイプだとジャミロクワイなんかだいぶ影響受けたんじゃないかと思うんですが。




■"Blame It On the Sun"

並の歌い手が気持ちよく聴かせるには実はかなり難しい歌だと思うのですよ。




 ちなみに、この曲を共作したのは彼の元妻である故Syreeta Wright。こちらは1980年の彼女のバージョン。やっぱり難しい歌ですね。



■"Lookin' for Another Pure Love"
 これも日だまり感が美しいんですが、やっぱりちょっと変わった展開ですよね。気持ち良さへ落とすプロセスが上手い訳ですが、彼の場合技術的にやってるというより、どこか神々しいまでの柔らかさ、自然さがあるんですよね。ギターはジェフ・ベックだそうで。




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by penelox | 2010-03-04 23:53 | Pop Picks