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80'sスコットランドきってのコクまろシンガー

Watanabe's Pop Picks 107
"Careless" - Bourgie Bourgie
from the single "Careless" (1984)




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 エドウィン・コリンズのOrange Juiceを出しましたんで、その盟友、ポール・クインのBourgie Bourgie(ボージー・ボージー)。





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 前回の"Rip It Up"でもバッキングVoで参加しているクイン氏、そのボーカリストとしての力量と、リリースの恵まれなさや知名度における不遇のあまりのギャップ、近年伝わって来ていた病気療養の事(現在どうなっているのか?)を考えると、もっと知られて欲しいなと思う人です。個人的にちょっとクドめのシンガーが好みなんで(何しろ歌い手としてはフィアガル・シャーキー、リチャード・ジョブソン、キャーサル・コクランがフェイヴァリット・・・)、こういう歌い手のコクの話をし出したらおそらくず~っとやってると思います(苦笑)が、その一端をちょいと端折って書けば、こういうコクのありすぎるシチューみたいなボーカリストは、あっさりしたアレンジで行くか、逆に派手なアレンジで行くなら目一杯快活で明るいのが良いと思うのですが、そういう意味でこのセカンドシングルの明るさ、快活さは好み。このシングルがヒットしなかったのが原因か、録音中だったデビューアルバムはオクラ入り、このバンドとしてのリリースはこれで終わってしまうのです。実に残念な話。


 次に挙げるデビューシングルの"Breaking Point"はマイナー調なぶん、より重くてしつこい後味かも知れませんが、「うた」を全面に出した良心的なポップミュージックなのは間違いないと思います。プロデュースは、リヴァプール編であっちこっちに顔を見せたイアン・ブロウディー。

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■"Breaking Point" (1984)





 こちらはYazoo解散後、新しいシンガーを探していたヴィンス・クラークとのコラボ。このシングルの前のフィアガル・シャーキーとのThe Assemblyが大ヒットしたのを考えると、またしても残念な結果だったようですが、クイン氏の豊かな声質がスローなシンセポップのアレンジのなかに活きた良い曲です。

■"One Day" - Vince Clarke & Paul Quinn (1985)





 一方こちらは盟友エドウィンとのコラボ。もちろんヴェルベッツのカヴァー。もうひとつこのふたりで"Ain't That Always the Way"というシングル(こちらは確かエドウィンのオリジナル)を出していて、これが彼の声がまろやかに上手く収まった素晴らしい作品なのですが、何故かYouTubeで見つかりませんねぇ(一部ならビデオで持ってるんですけれど・・・)。


■"Pale Blue Eyes" - Edwyn Collins & Paul Quinn (1985)





 80年代スコットランドの、ソングライターという括りではなく、極上のシンガーのひとりとして忘れたくない人。


>こちらに、当時のボージー・ボージーのインタビューの和訳がありますので是非御覧下さい。
by penelox | 2009-05-06 11:55 | Pop Picks


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