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エジンバラに薫る欧州の風

Watanabe's Pop Picks 109
"Heaven Help You Now" - Paul Haig
from the album "The Warp Of Pure Fun" (1985)

"Heaven Help You Now" Extended Version


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 昨今「スコットランド」という言葉を口にすると、なかなか「グラスゴー」、「ギターバンド」以外の話にならないんですが、たとえばMySpaceで御覧になるとわかるように、実際は色んな街に色んなスタイルのバンドがいて、もっとカラフルなのです。で、そのカラフルさの土壌は、英国の地方の音楽シーンが活性化し、また大きく注目されるようになったPunk/New Waveの80年代に形成されたものでして。

  論より証拠。80年代スコティッシュNew Waveのカラフルさは、たとえば、ダンディー出身のアソシエイツとか、ジョセフK解散後大胆に転進したこのエジンバラのポール・ヘイグ氏を聴けばおわかりになるのではないでしょうか。

 エレポップと言っても、ひと味違うアーティスティックな感触。当時のベルギーのレーベル、クレプスキュールのスリーヴの素晴らしいセンスもあって、コスモポリタン的に開かれた風通しの良さを持ち、大都市の音楽に象徴される頽廃性や自己破滅的なそれとは違う、地方都市のヘルシーな美的感覚に基づいた音楽は、とても新鮮で、地方都市在住としては、大変共感+インスパイアされるものでした。セミ・スタイリッシュなダンスミュージックでありながら、澄んだ空気と気持ちのよい自然の眺めもまた似合う音だったんですよね。

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 ヨーロッパの心地よい風を思わせるエジンバラ発のエレクトロ・ポップ。これもまた、私にとっての良い音楽の基準のひとつになったなぁと今でも時折聴き返す音。









■Big Blue World"



■The Only Truth






■Running Away (1982)
スライ&ザ・ファミリー・ストーンのカヴァーであり、ソロ・ファースト・シングル。この時期にスライを持って来て、こんな風に料理したところがまさにNew Waveでした。






1stソロアルバム"Rhyhm Of Life"から2曲。

■Heaven Sent (1983)




■Party Party






3枚目"Chain"(1989)からの2曲。


■Something Good




■True Blue





 2000年代半ばになってヘイグ氏がジェレミー・トムズ(レヴィロズ、ジェシー・ガロン&ザ・デスペラードズ、ニュー・リーフ、スカイラインetc)やニール・ボルドウィン(ブルーベルズ、TV21))らと新たに始めたギターバンド、The Cathode Ray(キャソード・レイ)の曲をふたつ。Cathode Ray Tubeで「ブラウン管」という意味ですが、デジタル時代に敢えてこういう音楽・・・ということで付けたユーモアでしょうかね。

 彼がギター主体の音楽をやるというのは、たぶんジョセフK以来のことで、ずいぶん久しぶりではないでしょうか。どちらかというと、リラックスしながら、愉しみを全面に出してる感じはしますが、それでも漂って来るセンスには彼らしさも感じられます。

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The Cathode Ray MySpace page


■Mind - The Cathode Ray





■What's It All About? - The Cathode Ray


by penelox | 2009-05-16 10:38 | Pop Picks


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