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足の向くまま・・・ホワイト・レゲエをもう一つ

Watanabe's Pop Picks 139
"The Worker" - Fischer Z
from the album "Word Salad"(1979)

 このバンドもまた所謂ホワイト・レゲエ的な曲をやっていた人達。当時そういうスタイルに手を染めた他のバンドもみんなそうなんですけれど、アルバム全部レゲエ・ビートかというとそうじゃなくて、目立つシングルでそういうことをやってる・・・という、やっぱりそういう風潮に乗った、味付け的なニュアンスにとどまりますね。そもそもそういう路線で一番売ったポリスも、その色は残しつつもどんどん手を拡げて行く訳ですから、まぁこれは、79年の旬だった音、という感じでしょうね。むしろパンク以前からの下積みの長いベテランがこういうアプローちを取るケースが多くて、それゆえか、結果的に楽曲の良さが前に出る、そんなパターンの人達が多かった気がします。

 このバンドは当時バズコックスやストラングラーズ、999、ヴェイパーズといった人達と同じUnited Artistsに所属、ビーバップ・デラックスやXTCと比較されたNew Waveサウンドを得意としたのですが、どちらかというと本国イギリスよりもヨーロッパで人気がありました。リーダーのジョン・ワッツ氏のエキセントリックなハイトーン・ヴォイスは好き嫌いが分かれるとは思いますが、シングルでのホワイト・レゲエぶり、その瞬間風速はなかなかのものではないでしょうか。個人的には下に載せたこの曲の歌詞も好きなんですが、ワッツ氏のヘルス・ケア・ワーカーとしてのキャリアから生まれたものなのだそうです。




The hated journey on the train,
Always been the same,
Looking out windows,
Second class and second best,
What a waste of time,
Sleep for five stops in a row,
Prepare yourself to go,
Waterloo station,
Bought a '69 Capri,
failed the M.O.T.,
What a waste of time,

The Worker, the worker,
The worker, the worker.

Always kiss the wife goodbye,
Often wonder why,
At seven in the morning ?
Think it's time for a change,
Wouldn't that be strange,
What a waste of time.

The worker, the worker,
The worker, the worker.



 こちらもホワイト・レゲエとしてよく出来た曲。この曲が出た79年というのは、同年のソ連のアフガン侵攻や翌年のモスクワ・オリンピックへのボイコットなど、冷戦下の世界がさらなる緊張に包まれ、"Russia"という言葉がPunk/New Wave系の音楽によく出て来た時代でもありました。

■"Remember Russia"




 アルバムは結構下のようなスピーディーなナンバーや、ぶっ飛んだ変態New Waveな曲があって、そのあたりは後期ビーバップ・デラックスやレッド・ノイズ、初期XTCに近い路線だと思いますね。

■"Pretty Paracetamol"




 こちらは2ndアルバム"Going Deaf For Living"からのヒット。「ホワイト・レゲエ」は、やはり1stでのシングルにとどめたようです。

■"So Long"





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シングル "The Worker"









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アルバム"Word Salad"(1979)









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by penelox | 2009-08-08 10:02 | Pop Picks


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