ロニー・レイン!

Watanabe's Pop Picks 224
"How Come" - Ronnie Lane and Slim Chance
from the single "How Come"(1973/ #11in the Uk chart)

 スモールフェイセズのことをアレコレと書き綴って来ましたが、以前とちょっと見方が変わって来ていて、それを記しておきたかったというのあります。それは、実に遅いんですが、ロニー・レインを起点とした視点が最近出来て来たんですね。これは彼らをどういう訳かスティーヴ・マリオットと殆どイコールで結んでいた、私自身のある種の原理主義(笑)をまた一歩改善すると言う意味ではずいぶん新鮮で、良い治療法だったかも知れません。

 そもそもロニー・レインという名前を初めて知ったのはたぶんフェイセズではなくて、自らが苦しんでいた多発性硬化症の研究機関への支援を求めて提唱した1983年のチャリティー、所謂ARMSコンサートのことだからずいぶん遅いんです。ロックマニア気取りの高校生だったその時は、デニー・レインと区別もついてないのに(苦笑)ああ、ロッド・スチュアートのバンドの人ね・・・程度という不見識。それがポール・ウェラー憧れのスモールフェイセズと繋がるとは思っていなかったのです。恥ずかしい。

 その次に耳にしたのは大学時代、英会話学校。担当だった若いアメリカ人女性の教師が、当時つき合っていた日本人彼氏がくれたと言って聴かせてくれたピート・タウンゼントとの共演アルバム"Rough Mix"のテープでした。当時New Wave一本槍だった私は、良いなと思いつつもふたりの温かい音楽の素晴らしさを受け止める度量がなく、心の中にきちんと置く場所を用意出来ないまま忘れて行ってしまったのでした。その後、スモールフェイセズやフーにちゃんと向き合い出してからやっと、ロニー・レインという人の良いイメージがおぼろげながら見えて来はしたけれど、あくまでベーシスト/ソングライター、という存在で、それでもまだ遠かった。私にとってはスモール・フェイセズ=スティーヴ・マリオットだったんですよね。その後の、彼のバンドSlim Chanceの日本での世界初CD化も、それがどれだけ凄いことかわかってなかった。

 97年には彼はわずか51歳で帰らぬ人となり、スティーヴ・マリオットは既に91年に火事で亡くなっていました(何とたったの44歳で・・・)から、とうとうふたりともいなくなったのか・・・という感慨は当時私自身もありました。そして、それからだんだんと気になり始めたんですよね。で、それは私だけでなく、世間一般もそういう部分があったのか、メディアでの露出も、トリビュートを含めた再評価も亡くなってから広がり始めたような気がします。それは皮肉で言うのでも何でもなくて、音楽の流行のサイクルが何周もした挙げ句、彼の音楽の素晴らしさにやっと真っ当な光が当たり始めたのかも知れないなと、実に遅れて来たファンとしては思うのです。

 なぜなら、彼がフェイセズ脱退後に結成したというこのSlim Chance。
 最近、初めてちゃんと聴いたのですが・・・これが良過ぎるんですよね! 誠実な(もっちゃりした味わいはジョージ・ハリスンを思い出す)ボーカルといい、トラッドやルーツ音楽を下敷きにしたリラックしたグルーヴと温かいアレンジといい、清々しい楽曲といい・・・全く古びてないんですよね。また、英国市井の音楽文化を目の前で再現してるところなど、スモール・フェイセズの後半の諸作と自然と繋がる気がするのです。歌ってる姿はなかなかお洒落で、タレ目で(失礼!)親しみやすいルックスは少し当時のポール・マッカートニーも連想させる、この才人に対する己の不明をひたすら恥じますね、ホント・・・。

b0022069_1214073.jpg




いや、全く古くなってないどころか、瑞々しい、出て来たばかりの新しいトラッド系ポップバンドといっても十分通用すると思いません? 

■The Poacher
from the album "Anymore For Anymore"'(1974)

b0022069_1214939.jpg




■Debris
from the Faces album "A Nod Is as Good as a Wink... to a Blind Horse"
これはもちろんFacesで知られる曲。名曲。



■Anniversary
from the album "Ronnie Lane's Slim Chance"(1974)





ロニー・レイン氏の生涯、活動の詳細につきましては、こちらにとても良いサイトがありますのでぜひ御参照下さい。

b0022069_122052.jpg




 いちびって(=調子に乗って、というニュアンスの関西弁です)人気ブログランキングなるものに登録してみました。もしよろしければクリックして下さいませ。
人気ブログランキングへ
[PR]
by penelox | 2009-12-14 12:04 | Pop Picks


<< 継続、もしくは閉塞は力なり、そ... スモールフェイセズの歌、つれづ... >>