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アルバム録音日記: 5月11日、15日

5月11日


 朝から録音。カナダのコンピレーションCDに提供するテレヴィジョン・パーソナリティーズのカヴァー、"Stop and Smell the Roses"を再び開始。前にやってた時は機材が古くてどうにも新鮮味がなくて止まってましたが、気持ちを入れ替えて今度は何とか頑張りたいと思います。



5月15日


 録音。TVパーソナリティーズの曲、リズムをちょいとアジア風というか、不思議な感じにしてるのですが、それがどう聞こえるか聴き返して、どういうアレンジにするかさらに考えたり、人に提供する"Benefactor"の歌詞を書いたり。歌詞は心の動きのままにダーッと行ってから、あれこれ修正したら割と上手く行く。


 何の事はない、この間生徒さんに小論文や記述問題の指導をしていて言ったこと、「最初はとにかくダーッと書いてみ」「それから後で削って行くねん」をそのまま実行してました(苦笑)。



こちらがオリジナルです。
Television Personalities "Stop and Smell the Roses"




 このアルバムに出会ったのは85年ぐらいだったでしょうか。もう四半世紀も前ですけれど、その頃のことをちょっと思い出してみますね。当時は新しい音楽、とりわけ英国のNew Waveの音に飢えていまして、暇さえあれば大阪から神戸にかけてのレコード屋を探し歩いてた気がします。その頃は便利なディスクガイドは少なく、ましてレコードショップのマップのようなものはなかったので、(兄貴が持っていた昔のものも含め)ロッキングオン、フールズメイト、ミュージックライフ、音楽専科といった音楽誌から、エルマガジンのような情報誌に至るまで、広告をチェックするなど、常にアンテナを張って、音楽のセンスだけでなくお店の情報も自分なりに押さえて行った、ひたすら衝動に突き動かされて・・・かなり都合良くカッコつけるとそんな感じですね(笑)。


 それで、当時阪急伊丹線の稲野にあったつかしん、今もありますけれど、当時は最先端のディスクポート西武というレコード店(あるいはWaveだったのか、あるいは新星堂だったのか・・・失念)がありまして、沢山の珍しい、センスの良い輸入盤が、これ誰が買うの? という感じで並べられてたんですよね。で、あ、ボクが買う為にあんねんなと思ってしまった・・・(笑)。だって一週間経っても二週間経っても誰も買ってなかったら、やっぱりこれはボクのもんやねんなと思うのが人情ですよね・・・(笑)。


 このバンドの名前は知ってたし、兄貴がシド・バレットのことを歌った曲のことをよく言ってたので、どんな音楽かとトライしたんですね。当時はタイムスのエドワード・ボールが在籍していることさえもわかっていなかったぐらいで。で、LPに針を落とした一曲目がこの曲だったという訳です。


 当時のドラムマシーンぽいジャストな音とは一線を画した、ゆったりとしたリズム。弟が持ってたヴェルベット・アンダーグラウンドのレコードの音にも似た、熱にうなされたかのようなサイケデリックな音の感触。だけれどヴェルベッツにある大都市の倦怠感というよりは、メロディーの素朴さにはやはり英国らしい牧歌性があり、そういう意味ではキンクスやXTCと通ずる印象もありました。80's New Waveにヒドくシビれていた当時の私にとっては、こういう60'sリバイバル的な要素が80年代の音楽に上手く溶け合ってるのが、また違う角度からの衝撃であり、60年代本格受け入れにまた一歩進んで行くきっかけにもなりましたね。
by penelox | 2011-06-16 13:43 | The Penelopes関連


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