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昭和三昧(1) ウルトラ5つの誓い

(4/12のmixi日記を編集)

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予想外のこないだの週末。
まさか土日と二日続けてウルトラ5つの誓いをきく事になるとは思わなかった。

ウルトラ5つの誓いとは...


「一つ、腹ペコのまま学校に行かぬこと
 一つ、天気のいい日に布団を干すこと
 一つ、道を歩くときは車に気をつけること
 一つ、他人の力を頼りにしないこと
 一つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと」

(「帰ってきたウルトラマン、最終回「ウルトラ5つの誓い」より)


土曜日の夕方、突如始まったウルトラシリーズの最新作「ウルトラマンメビウス」。
のっけからウルトラの父が出て来たと思ったら、今度は冒頭の隊員のセリフで上の誓いが出て来た訳です。
まあ、驚いたのなんの!

設定も昭和のウルトラシリーズの続編(25年後?)、という事になっているらしく、どうやら「帰ってきたウルトラマン」とは地続きのようである。亡くなったらしき前隊長の友人が次郎くんらしいのだ。

次郎くん!

この名前をきくと電気が走ってしまう。常に郷さんに憧れ、大きくなったらMATに入ることを夢見る少年。当時観てる子供は
次郎くんの目線になってドラマに感情移入していたと思うし、彼のように郷さんをひたすらかっこいいと尊敬していたと思うから。
言わば当時の子供の代表だったんですよね。

「帰ってきたウルトラマン」の最終回、ウルトラマンに変身し地球を去る郷秀樹に向かって、最初は拒否したものの、結局は涙ながらに砂浜を走り、上に挙げた5つの誓いを叫びウルトラマンを追いかける次郎くん。

文字にすると、何かほのぼのしたものに見えるんで、何じゃいなと思う方もおられるかな...?
でも、これはこれで深いものがあるんですよ。


で、次の日曜日の夜には、何とその名シーンが(ケーブルのファミリー劇場というチャンネル)。このシーン、最後に観たのは30年近く前、中学の頃だったか。思春期のヒネクレ小僧には、感動しつつも、説教臭いと鼻白む思いも残ったのは確か。
それが。

エエ歳した大人になるとこれが、泣けるんですなぁ...。
本当に美しいシーン。素晴らしい童話のエンディングとして、素直に感動してしまいました。


前述の「メビウス」での前隊長というのも、怪獣に体当たりするのだけれど、これもどこか「帰ってきた」のオマージュっぽい。
何しろ、郷隊員、最後はゼットンに体当たりした訳で(そう言えば、「エース」でも最初に北斗星司がタンクローリーで超獣に突っ込み命を落とす。この、自分の命を犠牲にするのも厭わぬ勇気、というのが最近のドラマ全般で描かれなくなって久しかったと思うのだが)。

で、この「帰ってきた」で、最終回にゼットンを出して来た、というのも、初代「ウルトラマン」へのオマージュだったような事を、脚本の上原正三氏はかつて語っていたと思う。当時の子供たちにとって、ゼットンというのは本当にトラウマのような名前で、
「帰ってきた」でゼットンを倒したことによって、「ウルトラマン」から続いていた大きな物語を完結させたのでしょう。

「帰ってきたウルトラマン」は、郷秀樹の成長物語であると同時に、郷(青年)と次郎くん(少年)の心の交流の物語でもあったと思います。いずれにせよ、その底流に流れるメッセージは、成長。そのある種普遍的なテーマを 30数年後の「メビウス」でどう描くのか、実に興味深いなと。

この時代に、昭和40年代の忘れ物を取りに行ってる感じがとても良いなと。

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昭和40年代の特撮を今振り返って観るとわかる、味わい深い要素-映像美、小道具のシンプルさ、メカニックのデザインの秀逸さ、セリフ回しの端正さ、メッセージ性の色濃いドラマ、テーマ音楽の重厚さetc-これらの全てをいま求めても仕方ないのかな...なんかそんな気がする現代の特撮ドラマ。ただ、それらの要素が失われて行くまでには数十年という長い歳月がかかっていて、今それをすぐに取り戻すことなど、出来ない相談なのでしょう。

だからそういう面ではなく、過去の遺産をどう活かし、普遍的なテーマをどう盛り込むのか...オッサンとしてはこのあたりに目が行きます。「ウルトラマンメビウス」は、そういう意味で面白い作品になりそうな予感がありますね。
by penelox | 2006-04-12 23:59 | 懐かしいテレビ番組/主題歌など


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