5/12
(5/13のmixi日記を編集。日付は違うもののの、5/13のここでの日記の導入部として良いかなと思い、こちらに掲載) ============================================================ このところ、どうも特撮づいてしまっています(苦笑)。 特に連休中にこの方のいくつかの作品を立続けに観てしまいましてね。 実相寺昭雄。 wikipediaに書かれていることなどを元に、おおまかなプロフィールを書いてみますと... 実相寺 昭雄(じっそうじ あきお、1937年3月29日 - ) 東京生まれ、中国青島育ち。青島での幼少期に金森馨(のちに 舞台美術家)と出会い、大きな影響を受ける。早稲田大学第二文学部卒業後、TBSに入社、TV演出部を経て映画部に転属、円谷プロに出向。映画監督、演出家、脚本家、小説家として活動。 現在東京芸術大学演奏芸術センター教授(現在はもう退官されたのかな?)。 殊にウルトラシリーズの演出で知られる。映画監督としては仏教やエロティシズムをテーマにした作品で有名。妻は女優の原知佐子。 脚本執筆時には万福寺百合(まんぷくじ ゆり)、川崎高のペンネームも使用していた。 鉄道ファン、特に路面電車ファンでも知られ、雑誌「東京人」などにコラムなどを度々執筆しているほか、2003年には「昭和情景博物館」というプラモデルの監修もしている。 子供の頃、ともかくズシンと心に響くと言いますか、インパクトの強い特撮作品がいくつかありました。その多くは「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」あたりに集中してしまうんですね。 文明批判などの社会的メッセージをこめたそういう諸作品が60年代後半から70年代初めには多数放映されており、我々の年代はたいていこれらを、幼児期に植え付けられた映像そのもののインパクトゆえに懐かしさとともに思い出したのですが、高学年になるとそのメッセージに気付き、たとえばその後、海外の高い芸術性、メッセージ性を持つSFドラマなどに興味を持つきっかけになって行ったと思うんです。 そんな諸作品を後で再放送で見直した時、次第に同じ名前がクレジットされている事に気付いて行った訳です。幼い頃には考えもしなかったのですが、誰が脚本を書き、誰が監督し、誰が演じ、番組を誰がプロデュースしていたのか。そこを意識して見始めると、この人たち誰なんだろうと、興味が湧いたのですね。そして注意していると、同じ名前が、普通の映画や、大河ドラマで見つかるようになります。 しかし私自身は、次第にそんな記憶も日常の中に埋没し、忘れてしまっていた、というのが正直なところ。音楽(洋楽)に興味の対象が移った、いうのもあって、そのままさほど興味も湧かないまま20年ぐらい経ってしまったのかな。 その人達-つまり、円谷英二をはじめとして、金城哲夫、上原正三、佐々木守、市川森一、山際永三や真船禎、石堂淑朗...当時の特撮ドラマに関わったこういった方々の事をもっとじっくり知ろうと、はじめて意識的に向き合うようになったのは、35も過ぎてからでした。それは、自分が親の世代-つまり戦中世代であり、殆どは昭和ヒトケタ世代-から何を受け取っていたのか、昭和とは、戦後とは何だったのか...を考え始めたのと、きっかけ、タイミングとしては全く同じだったと思います。 で、そんな中のひとりが実相寺昭雄氏だったという訳です。 代表作「帝都物語」('88)で知られるこの監督。昭和40年代における作品に限って言えば、どれも凄まじくはっきりした美意識に支えられています。あまり映像に関してのボキャブラリーがないので説明がぎこちなくて申し訳ないですが、たとえばスタイリッシュなまでに古い建物やロケーションを好み、陰影の強い、そして演者に異様に接近した画面を多用する(ナメの実相寺と呼ばれたそうな)。場面の切り替わりには懐かしさを誘うような効果音を必ず入れ、円形や光を頻繁に挿入する。真剣なメッセージ調のセリフの時ほど穏やかで明るい、そこにそぐわない様な音楽を入れる(これは音と映像をコントラストと捉えているのか、はぐらかしにそうしているのか、わからないけれど)。 無声映画なども含めたかつての「映画」のお約束、そして育った時代-昭和へのオマージュを盛り込んだその映像は、本当に(時にストーリーそのものを忘れるほど!)それ自体がイマジネイティヴで面白い。ある意味永遠のワンパターンとも言えますが(失礼)、映像美にこだわった、説明的というより観念的、感覚的な画面作りに長けた独特の作風の監督で、おそらくそれゆえ、(まだストーリーを深く味わえない)子供心に非常に強い印象が残っていたんでしょう。 著作であるエッセー「怪獣な日々」「ウルトラマンの東京」を読み、興味の湧くまま夜中にいくつかの作品をダァーッと観てしまったらもういけない。彼の円谷プロでの監督作品、すなわち... ウルトラマン「真珠貝防衛指令」「恐怖の宇宙線」「地上破壊工作」「故郷は地球」「空の贈り物」「怪獣墓場」。 次いでウルトラセブン「狙われた街」「第四惑星の悪夢」「円盤が来た」。 さらに怪奇大作戦「恐怖の電話」「死神の子守歌」「呪いの壷」「京都買います」...。 このへんを次々と堪能。その後タイミングよく30数年ぶりにシルバー仮面「ふるさとは地球」「地球人は宇宙の敵」を観るに至り、「ひとり実相寺祭り」を開催している己に気付いたのであった(苦笑)。 いかん、今また映画「無常」、「曼陀羅」に手が伸びようとしている。 考えてみれば「子連れ狼」「長崎犯科帳」(実相寺氏がオープニングを演出している)も忘れず観ている(「ミニ萬屋錦之介祭り」も忘れていない私)。 それどころではない、ある方にいただいた90年の「ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説」までも、今またちゃんと観ようとしているのだ。これは相当重症である...。 ============================================================== このところ、この方に関する事を、色々思うところあって書いている。まぁ、昭和に関する興味の一端です。 「マイ・ブーム」なんて言葉(もはや死語?)は好きではないし、祭という言葉に潜む空しさが好きなのでこんなタイトルにした。
by penelox
| 2006-05-12 23:59
| 懐かしいテレビ番組/主題歌など
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