(mixi日記7/12(1)より)
80年代の英国リヴァプールと来たら外せないバンドがあります。
60年代リヴァプールと言えばビートルズだったように。
"Killing Moon"
エコー・アンド・ザ・バニーメン。
彼等の音楽は、フロントマン、イアン・マッカロクのカリスマティックなルックス、ボーカルスタイル、それに、ネオサイケデリックと称された鋭角的なギターサウンドに代表されるのだけれど、その象徴的な音楽性は最初の3枚で築き上げられたと言えよう。サードアルバム"Porcupine"がその頂点であり、氷のように凍てつくようなギターサウンドと、透徹した青い叫びがイアン・ブロウディーのオーケストレーションを得て、ダイナミックな形で結実した。
4枚目"Ocean Rain"では一転して、(ネオアコースティック、ギターポップのリヴァプール派的解釈、と言っても良い)シンプルで抑えた音楽の中に、その表現の深みを求めた。たとえばこの"The Killing Moon"もそうで、静かなる激情、とでも言うべき世界をこの段階で彼等は手に入れたのだと思う。
いわば、3枚目と4枚目がこのバンドの表と裏。
この両面をバランスよく追求して行けばもっとこのバンドは続いたと思うのだけれど...
ギターポップを核としながらエレポップ的な味付けも使ってみたり、アレンジの引き出しを増やして行くプロセスは踏んでいたのだけれど...
やっぱりドラマーが亡くなってしまったのが大打撃だったのかな...。
その後、様々な経緯を経て、イアンとギターのウィル・サージェントでバニーメンは活動を再開しているけれど...
けれどけれどばかりで申し訳ないですが、たとえば、コールドプレイがやってること、あれは20年前に彼等が既にやってたのよ!
現在の知名度をみるに、そんな強弁さえしたくなる...それぐらいもったいなかった、当時の彼等のポテンシャル。
若い世代にこそ一度はその音世界に触れて欲しいバンド。