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My Favorite Revolution - Eugene Edwards (2004)

 アリゾナ州ユマ出身、バークレー音楽院に通ったこともあるという、ロサンジェルスを拠点に活動するシンガーソングライターのデビューアルバム。初期コステロに似ているという触れ込みだったけれど、比較は酷。あの触ったら怪我しそうな研ぎすまされた感覚、強烈なワードプレイを繰り出す独特のVo、複雑な感情表現と一体化した仕掛けの多い楽曲構造を期待してはいけない。やはりこちらはアメリカン、ボトムに脈打つのは体質としての揺るぎないロックンロールへの愛情。そういう意味では、初期のマーシャル・クレンショウにより共通点を見出せるかと思う。敢えてイギリス勢を持ち出せばエニー・トラブルか。夢見るようなオールドタイム・ロックンロールの匂い、シンプルなアンサンブル(今日的なギターサウンドも味付け程度にはあるけれど)、ストレートなギターサウンド。音楽としての真新しさはないだけに、それぞれの音が行儀良く収まり良過ぎる感じは、もしかしたらその経歴と関係あるのかも知れない(要するに、「いちびり」感が足りないのだ)。書いて片付くカテゴリーを突き破って来る必殺の名曲が欲しかったという思いはあるけれど、好感の持てる作品。
by penelox | 2008-03-12 09:37 | CD備忘録


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